今日はあいにくの曇天w
若干涼しいようで、助かります。
さて、今日の日経新聞から気になる記事を抜粋しますw
プルトニウム削減 難題に
日本のエネルギー基本計画の中に、原発の稼働に伴って発生する核のゴミから出るプルトニウムに対し、「保有量の削減に取り組む」と明記したそうですw
ただ、どーやって削減するかの施策には一切触れておらず、言うだけなら小学生でも言えるわけで、とても大の大人が考えた計画というシロモノでは無い、という感じになっちゃってますw
賢明なる読者さんの中には、このプルトニウム問題について、既にご存知の方も多いかもですが、アントレなりの理解で解説してみたいと思います。
■ソモソモ何故、プルトニウムを削減せにゃならんのか?
→簡単に言うと、核爆弾の原料となるから、です。日本は既に広島・長崎の何千発分の核爆弾の原料=プルトニウムを保有しております。
■どーやって減らすの?
→原発を稼働させると使用済み核燃料、いわゆる核のゴミが発生し、そのゴミにはプルトニウムが含有されているので、そのゴミを再処理するとプルトニウムが発生します。福島の事故で全ての原発が停止しましたが、再稼働すればするほど核のゴミが発生し、そのゴミを再処理すればするほどプルトニウムが発生する、という構図があります。真面目に減らすとすると、原発を全て廃炉にして、再処理を停止し、発生済みのプルトニウムを他国に売る、という形になろうかと思います。しかしながら政府は原発の再稼働や核のゴミの再処理に躍起になっているという珍現象が起こっています。
■政府は何で原発を再稼働したがるの?核のゴミを再処理したがるの?
→一言で言うと、原発が稼働しないと原子力ムラの住民たちが困るからです。再処理についてはちょっと複雑で、普通に考えれば使用済み核燃料のままで放置しておけばプルトニウムは発生しないわけで、何で敢えて再処理する必要があるの?という疑問が湧くのですが、ココに核燃料サイクルという愚行が絡んできますw
(日本のプルトニウム保有が他国へのいわゆる、”牽制”となっている件がありますが、コレをやりだすとテーマが核武装の話になるので、本記事では割愛します。いずれどこかで書こうかとw)
■核燃料サイクルって何?
→元々、原発はウランを燃やして稼働するんですが、ウランは他国からの輸入に頼ってきました。実はこのウランにプルトニウムを加えて加工すると、超強力な燃料、いわゆるMOX燃料が生まれるので、政府は原発から出る使用済み核燃料からプルトニウムを取り出してMOX燃料をガンガン作って発電すれば、ゴミの再利用になり、少量のウランから大量の発電ができ、原子力ムラも潤い、一石三鳥、という算段をしたわけです。コレを核燃料サイクルと呼んでいます。しかしながらこの核燃料サイクルは頓挫しています(ここをクリック)。皆さんも「もんじゅ」という言葉を聞いたことがあるかもですが、高速増殖炉と言われ、ウランを燃やして発生した核のゴミからプルトニウムを抽出し、新たなウランと再加工して、ウラン+プルトニウムという更に強力なMOX燃料というモノを作り出し、更にそれを燃やして発生したプルトニウムとまた新たなウランを加工して、新たなMOX燃料を生み出して・・・、っと、ゴミからゴミを取出して、さらにまたゴミを作り出すというゴミの無限ループ的な原発なのですが、1994年の稼動開始以来、事故を連発してわずか数か月しか運転できず、先日敢え無く廃炉が決まりました。1兆円かけて作って、稼働したのはわずか250日。廃炉には30年、費用は3750億円掛かるそうで、それぞれ上振れ必至とのことです(詳しくはココ)。また日本の再処理施設として、茨城の東海再処理施設がありましたが、もう満杯になっちゃいました。また、日本原燃が青森の六ヶ所村に建設中の再処理施設も蕎麦屋の出前状態(ここをクリック)で、その稼働計画は23回も延期しており、当初の完成目標から20年も遅れているという、惨状です。要約すると、もんじゅは廃炉、東海再処理施設は満杯、六ケ所村は頓挫中ということで、国内でプルトニウムは発生しえない、ということですねw
■だったら、問題なくね?
→普通に考えると、そうですよね。原発が再稼働してもそこから出るゴミを再処理しなければ、プルトニウムは生まれませんので。ただ、皆さんは原子力ムラの本当のパワーを知りません。アントレも詳しく調べるまでは知り得ませんでした。何と何と奴らはそのゴミを他国に持ち込んで、金を払って再処理をしてもらうという、オコナイをやってきているのです。具体的には原発先進国であるイギリスやフランスに自国から出た核のゴミを持ち込んで、彼らの再処理施設でプルトニウムを生み出し、ついでにウランと加工してMOX燃料を作ってもらい、それを日本に逆輸入して、原発で燃やす。という、プルサーマル発電というオコナイをやっています。もちろん、当然多額の報酬を払って。ついでにもちろん原発のコストには不算入な感じで。以前このブログでも指摘しましたが(ここをクリック)、今現在再稼働にこぎつけている原発7基の内、4基がMOX燃料を燃やせる原発となっており、恣意的にMOX原発を再稼働させている背景がココにありますw
■そもそも日本はどのくらいのプルトニウムを保有しているの?
→47万トンです。その内37万トンがイギリス、フランスに再処理目的で持ち込まれています。両国は報酬をもらってやっている、ということになっているのですが、非核化宣言をしている日本が、37万トンもの大量のプルトニウムを保有しており、ヨーロッパで再処理をしているという事実があるわけで、ヨーロッパ人から見ると、日本は一体何をやっているんだ?と考えている人が多い状況です。つまり、日本は核保有国とみなされている、という訳ですね。皆さんは非核三原則をご存知でしょうか?「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」という三つの原則からなり、1950〜80年代の日本で標榜された当時の国是ですが、核=プルトニウムとした場合、核兵器を大量保有していて、再処理で作っていて、イギリスやフランスから持ち込んでいるという、全く矛盾している現象が、我々の目の前に横たわっている訳ですw
■プルサーマル発電でどのくらいプルトニウムを消費できるの?
→大型原発でも、1基が1年間に消費できるプルトニウムは0.4トンほどだそうです。そのような原発が仮に20基あって全て稼働したとしても、47万トンのプルトニウムを消費するには約6万年掛かります。ダメだこりゃwっと思う一方、原子力ムラの村人にとっては、未来永劫、一族安泰、という訳ですw
■アメリカの反応は?
→核拡散防止条約の中心となっているアメリカですが、子分の日本がプルトニウムを大量保有している件について、どー思ってるんでしょうか?元々、この核拡散防止条約。自分はいいけど他人は持っちゃダメって、何という不条理なお話なんでしょうか、っとやりだすと、更なる長文になっちゃうので割愛しますが、アメリカも日本のプルトニウム保有について懸念を示しているということです。そりゃそうですよね、かりあげクンに核を放棄しなさい、と言っている手前、自分の子分が大量保有。こりゃ大きく矛盾しちゃっている、という訳です。さらに加えて言うと、忖度・隠蔽・改竄の安倍さんも、かりあげクンにどのツラ下げて、「核を放棄しなさい」と言ってるんでしょうか。そりゃー、向こうから見れば、支離滅裂な国と見えるわけで、一方で拉致問題を詰めてきたりするわけで、こりゃ、めんどくさいから無視しておこう、相手にしても全く無意味、となるわけですw
■要約すると・・・
→日本は原発ガンガン作って、ウランを燃やして、発生したゴミを再処理して、プルトニウムを取り出して、それを更に燃やして、無限ループw ということやろうとしてきたのですが、幸いにも原発の再稼働は進まず、既に抽出したプルトニウムが宙に浮いちゃっている、という状況になって国際社会から孤立し始めている、という感じですかね。解決するには既に所有しているウランを他国に売って(高く売れそう)、再処理を辞めて、ゴミ箱作って、使用済み核燃料(=ゴミ)のまま、地中に眠らせる、という手しかないと思うんですけどね。普通の大人が考えてやってるんでしょうか、この、愚行。ただ、ゴミの処理には10万年かかるんですけどね、いやー、もう、詰んでますw
ということで、すみませんw 簡単にまとめた記事にしようと思ったのですが、問題が少々複雑でして、長文になってしまいました。アントレの理解を書いてますので間違えがあったらごめんなさい。ただ、日経の記事にもありますので大筋は合っていると思いますw
ソモソモ、こーいった日本の原子力政策の愚行については、もっともっとマスコミが取り上げるべきだし、義務教育で子供たちがしっかり学べる機会が欲しいですね。
中学校辺りで、授業としてみっちりやったほうがよくないですか??今まで書き続けてますが、コレ、日本にとって一番ヤバいテーマかと思っていますw 恐らく、そんな授業は行われるはずは無いので、このブログの読者さんを始め、我々大人たちが、キッチリと周りに伝えて行く、という、まずは草の根活動から、ですねw
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