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2024年07月14日

青色列車の秘密  感想







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このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
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青色列車の秘密

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ブルートレインでの殺人とルビー盗難事件

ネタバレなしのあらすじ

アメリカの大富豪ルーファス・ヴァン・アルディンの娘ルスが青色列車の中で殺される。ルスは大富豪からもらった大きなルビーを持っていたがそれも消えてなくなる。実はルスは以前、ろくでもない男ローシェと付き合っており、父のルーファスは強引にローシェと別れさせていた過去があったのだが、なんとルーファスに内緒でローシェに会いに行く不倫旅行の途中で殺されたようなのだ。当然容疑者となるがローシェにはアリバイがある。そしてルスは現夫デリクと離婚協議中であり、デリクは離婚しないまま妻が死ねば莫大な遺産が手に入るので、殺す動機がある。
偶然ルスと青色列車に乗り合わせていたポアロは、探偵を高齢のために引退しているが父ルーファスに頼まれ事件解決に乗り出すのだった。

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ネタバレ少しあり感想

この作品は映像作品になるべくして書かれたと思えるアガサ作品の一つだと思います。青色列車、ブルートレインの響き、旅路、大富豪、宝石、恋愛、不倫、親子関係、美男美女そしてミステリーとてんこ盛りの内容なのです。

大富豪は娘ルスをとことん甘やかしており、そのあげく、ろくでもない男ローシェにハマり、父ルーファスがやっと別れさせたのにそれでも関係を続けてるというあきれるほど男を見る目がないにもわがまま娘なのであります。その後で結婚したデリクとも当然上手くいくはずがないのです。

しかもその夫デリクは一文無しの甲斐性無し。あまり上品と言えない女性と不倫中で、今離婚されたら絶体絶命なのです。本当にルスは男運がありません。しかし、ルスは不倫に向かう列車の中で、一人の女性キャザリン・グレイと逢い、気持ちを落ち着かせます。その矢先にルスは殺されてしまうので、そのつながりからキャザリン・グレイはポアロとともに事件解決の相棒となります。

この作品にはヘイスティングズは出てきませんのでこの女性がヘイスティングズの代わりになっているのです。(おそらく作品の順番からしてヘイスティングズはアフリカで新婚生活を送っています)苦労の長年の奉公生活の末に莫大な遺産を手にしているキャザリンには、感情移入が出来るように工夫がされています。遺産を手に入れてから、初めて自分のためにドレスを選ぶシーンは、彼女の賢さ、上品さなどがにじみ出ていて、読者に”よかったね!”と思わせています。この辺アガサは上手いと思います。


この作品で私が気になるのはポアロの”完璧ぶり”です。読者の知らないところでポアロが動いており、ポアロの過去の栄光と人脈で事件が解決したと言っても良いので、ちょっと謎解きとしたらどうかなと思うのです。でも、最初の事件が起こるまでの段階で、全ての主要な登場人物の生い立ちや背景を上手く書いているのでアガサは読者にフェアであろうとしているのが分かります。謎解きが好きな方は油断せずに読んでくださいね!


後はこの作品は男と女のミステリーと言っても良く、察しの良い読者はお分かりかと思いますが、キャザリン・グレイの恋愛とからめて謎解きが進んで行きます。とても面白い作品です。ただ、私はポアロ作品でもっと好きな作品があるので、★は少なめです。


ちなみに、ミスマープルの住んでいるセントメアリーミード村が出てきますので(ミスマープルは出てきませんが)マープル好きな方はニヤッとするでしょう。

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2024年07月12日

カリブ海の秘密 感想






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カリブ海の秘密

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マープルのかっこよさ   ★★☆
マープルの足を痛める度  ★★★
ちょっとずるい推理度   ★★★
無人島にもって行きたい度 ★★☆

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ネタバレあまり無しの紹介

アガサクリスティーの作品の中のミスマープルシリーズ
大人気の安楽椅子探偵ミスマープルの長編です
探偵といっても見た目はどこにでもいるようなおばあさんですから周りはその見た目に油断してしまいます
いつも村にいるはずのミスマープルが今回は海外にお出かけをしているところが特別な作品です!
セントメアリー村に住むマープルが甥のデズモンドの好意で南の島へ療養に行くことになるのですが、アガサクリスティーはミスマープルにご褒美のつもりで南の島へ行って欲しかったかもしれません。
お金持ちのリゾート地、カリブ海が舞台でミスマープルが活躍するわけなのでときめかないわけがありませんね

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物語は、『人殺しの写真をごらんになりますかな?』といわれてその写真を見せようとしたパルグレイヴ少佐の死から始まります。高齢であること、高血圧だったなどから、病死とかたづけられるのですが、ミスマープルだけは疑問を抱きます。人殺しの写真を見せようとした時に、ミスマープルの肩越しにそっくりな”誰か”を見つけ、マープルにその写真をみせることなく慌てて写真を隠した姿を思い出すからです。

いつものセントメアリー村ならば、親しい警部も警察関係者もいて、協力してくれる人もいるマープルですが、ここは西インド諸島、マープルを知ってる人はいません。カリブ海のホテルに滞在する全ての人が怪しく見える中で、ミスマープルはただ一人調査を始めるのです。
最初は自分の”どこかしら身体の調子が悪い老人”に見えるであろう特性を生かし、人の良いお医者さんを巻き込むところから始めるのも面白いです。
最後には、世界的にお金持ちで有名な、しかし身体が不自由で口うるさい傲慢な年寄りのラフィール氏まで味方につけるという所も面白いです。一人の老婦人でしかないはずのマープルに味方がどんどん増えて行くのです。
(ラフィール氏を気に入ったのか、アガサはまたマープルの長編『復讐の女神』にも登場させてます)

そして余談ですがミスマープルはよく、足を痛めます!
お年寄りの特権と言って良いでしょう(ポジティブに言っています)
マープルもお年なので仕方ないと言えば仕方ないのですがファンとしてはキタキタ!と思います。

推理やトリックについて読者に対してずるいな!と思うところもあるので★は少なめです
読者をだましてるわけではないのですが、語らない事実は存在しないのと同じなので、そこの所をどう捉えるかという所です。
クライマックスはやはり最後の犯人が分かるところですが、この時のマープルの描写がまさに女神様のようで素晴らしいです。

あまりにも印象的なのでアガサはこのマープルが書きたかったので、この作品を書いたのでは?と思ったくらいです。
ラストにこんな粋な演出を用意してるなんて憎いなと思います。
アガサは本当にマープルが好きなんだなと思います。
ぜひ、そこの所も楽しん読んで欲しいと思います。








スタイルズ荘の怪事件 感想


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スタイルズ荘の怪事件

犯人が一転二転三転する度       ★★★
アガサの才能は最初からすごい度    ★★☆
ポアロつかみはOK 度          ★★★
ヘイティングスおちゃめ度       ★★★
無人島に持っていきたい度       ★☆☆

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アガサの記念すべき推理小説一作目です。

アガサ自身が長く付き合うことになる名探偵ポアロがここでで登場します。
ポアロの語り部で相棒のヘイスティングズももちろん出てきます。
ヘイスティングズはポアロの友人であります。
この2人の性格と年の離れた関係性がこの作品を面白くしています。
トリックも、この当時の時代だから成立すると言うこともありますが、看護師の経験があるアガサならではの知識があってこそのしっかりとした小説になってます。

ネタバレなしの紹介

”スタイルズ地方の地主の
奉仕活動家女主人殺人事件”

傷病兵として休暇中のヘイスティングズが旧友の勧めで旧友の実家のあるスタイルズ荘に招かれ、ゆっくりすごそうかと思った矢先に継母の女主人が毒殺されてしまいます。
その犯人探しになりますが、家族も誰もが遺産を巡って動機があって怪しいのです。

読み進めていくと、一転二転して新しい事実がでてくるし遺言状は何枚も出てくるし、誰かが誰かをかばっているのかややこしい状況も出てきて、怪しい人ばかりでいったい誰が犯人か全く分からないのです。

後妻業ならぬ、後夫業的な若い夫もあやしいし、不倫もあり、ワイドショーのネタ満載です。
殺された女主人にお世話になったことがあるポアロもたまたまスタイルズ地方を訪れており、必然的に事件解決に乗り出す事になります。

ヘイスティングズの独り言にヒントがあるのですが基本ポアロの推理のすごさを助長させるだけだったりします。その独り言を分かった今でも私にはさっぱり推理できませんからアガサのすごいところはつまりはアガサ自身がすごい名探偵だというところですね。(今更ですが)
ヘイスティングズの惚れっぽいところとか何回も同シリーズを既に読んでる私は知っているので、改めて第一話のこの『スタイルズ荘の怪事件』を最初からヘイスティングズはこんなに惚れっぽいんだ、若いなあってニヤってするところもあります。
アガサはポアロを一回切りの登場で、続き物を書く気はなかったと聞いたことがありますが、この作品で意外にも人気になってしまい必然的に書き続けることになる記念すべき作品です。

私的には登場人物、特に殺された女主人に自分は共感を持てないし魅力を感じないので(失礼ですね)作品的にはあんまり好きな作品ではないんです。しかし、最後の大どんでん返しに読者は驚くと思いますし、記念すべきポアロの初挑戦推理小説ですから読んでおいて損はありません。。
私が無人島に持っていく本としては、他のポアロ作品の方が私は大好きすぎるので★少なめですが、でも、あくまでも個人的な好みの理由なので面白い推理小説のひとつであることに違いはありません。

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検察側の証人(情婦)

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検察側の証人(情婦)の感想







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検察側の証人(情婦)

アガサのエンターテインメント度 ★★★

超有名作品           ★★★ 
           
誰も思いつかないミステリー   ★★★

後味の複雑な両面の味わい    ★★★

無人島に持っていきたい度    ★★☆

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ネタバレしてます!

ネタバレを望まない方は、

これより下を読まないでくださいね!


この作品は

短編集のところでも

紹介しましたが、

アガサを知るなら

これも読んでない

なんてことあり得ない、

というくらいに有名な

戯曲作品です。

別名『情婦』とも言われます。

初演から

”絶対に

エンディングは誰にも

話さないで”

と観客に約束させてた

というくらいに

すべての謎が

エンディングにあります。 

まあ、ここでは

この後その謎をばらしますけどね!

ある富豪の老女が

惨殺される事件が起き、

直前に交際したとされる

若い男ヴォールが容疑者として

裁判にかけられます。

彼の弁護士いわく、

ハンサムでスポーツマンで

しかし裕福ではない

ヴォールが

お金以外の理由で

老女になんの下心もなしに

親切にするだろうか?

しかも、彼は自分に

妻がいることを老女に

隠していたし、

その老女は遺産相続人を

ヴォールに指定している。

その老女が死ねば

莫大な財産は

彼のものになる

という動機が出来ているのである。

真っ黒黒である!

アリバイもない、

動機はある、

その弁護を引きうけた

弁護士メイハーンは

負けを確信している。

ヴォールは、

殺人の時間には

家に帰っていた事を

妻ロメインが

証人になってくれる

というので、

弁護士は会いに行くのである。

ところが唯一彼の

アリバイ証言をした妻

ロメインに会いに行ったとき、

彼女は言う

『私が、

9時には夫が家にいたと

申したら、

無罪になるのでしょうか?

その他に無罪放免になる

可能性のある証言を

される方はいるのでしょうか』と。

彼はしぶしぶ『誰もいません』という。

そこから彼女は、

夫であるヴォールへの

激しい憎しみを告白し

『あの人が罪に問われて

縛り首になるのを見たいのだ』と

驚くことを言う。

それを聞いた弁護士は、

妻ロメインが夫を

有罪にするために

証言をでっちあげてると確信し、

それを崩すために妻の身辺を

探るのである。

すると次々と嘘が分かり、

結果ヴォールは無罪と

なるのである。

弁護士の汗と涙の結晶!

弁護士万歳!

とよろこんでいると、

実はそれこそが嘘であり、

夫ヴォールを助けるために

すべては妻ロメインが

仕掛けた嘘の痕跡の

数々だったのである。

献身的な妻が

証言したアリバイなど

なんの役にも立たないと

判断したロメインは、

わざと夫を憎んでいる

芝居をし、

夫のアリバイを逆に証明するのである。

まんまと、

だまされる弁護士、

そして裁判所と民衆、警察。

しかし驚くべきことは更にある。

その妻が付いた嘘は

彼の無罪を信じるが故と

思うではないですか!

違うんです!

ここまでで終われば、

献身的な妻の美しい話で

終わるはずなのに!

『誰よりもヴォールの

無実を信じてるから、

このような事をしたのですね?』

と弁護士がロメインに

聞いた後の一言が

『誰よりも私が彼が

犯人だと分かっているからです』

と言い放つので、さらに驚かせるのです。

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BBCドラマでは、その辺をもっとどす黒く描き、戦後の暗い影をひきずり(BBCドラマはわりとそうですね)ハッピーには終わりません。後味が悪いったらありゃしない!(個人的感想)でも美しく、おどろおどろしい世界観は観るべき価値があります。アガサの作品を普通にタダでは終わらせない感じです。

一度はこの情婦役のロメインを演じたいと思う女優さんが少なくないかも、と思わせるほど怪しい魅力です。原作は夫を愛するが故の賢い情婦、ある意味けなげ、と読み取れなくもない。実際最初読んだとき、そう感じ取れました。しかし、BBCドラマでは悪女色を強めています。実際、殺人犯を無罪にしてしまう話ですからね、倫理的には賛成しかねます。エンターテイメントとしては最高ですが。しかしそれを含め、素晴らしい作品だと思います。

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ABC殺人事件 感想

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無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
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ABC殺人事件 感想

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アガサの代表作度   ★★★

ABC本の名前の有名度  ★★★

アガサの人を観察する度 ★★★

コレを読んでおけば
ミステリー話が出来るぞ度 ★★★

無人島に持っていきたい度 ★★☆


ABC殺人事件と言えば

アガサクリスティーの

代表作の一つです。

その印象的な題名は

一度聞いたら忘れる事は

ないでしょう。


日本で言えば

”あいうえお”殺人事件

みたいな感じでしょうか

殺人現場に

残されるABCの本が

見付かるので

『ABC殺人事件』と

言われるのですが、



この本は実際ある

”鉄道案内のガイドブック”で

親切に

ABCのアルファベット順で

地域と駅、時間や金額、

近くのホテルや観光場所など

詳しく載っていて

大変便利だったようです



ミステリー好きであれば、

話のネタにも

一回は読んでおきたい

アガサの超有名作品です

あらすじ

『ABC』と名乗る犯人からの

殺害予告が

ポアロの元に届き、

予告通りの日にちと場所、

しかも最初の事件が

Aの付く町でAの頭文字の

人が殺されてしまいます。

その事件が解決しないまま

次の殺人予告がまた届き、

今度はBの付く町で、

Bの頭文字の人が

殺されてしまうのです。



そしてまたCの町の

殺人予告がポアロの元に届く、

という連続殺人事件と

なっています。

殺人現場には

『鉄道案内ABC』の

ガイドブックが必ず

置かれているという状況から

『ABC殺人事件』と

言われるのですが

このセンセーショナルで

残忍な事件をポアロが

ヘイスティングズと解決する作品です


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ネタバレなしの紹介

難事件を解決し

名探偵として

名をあげてきた

ポアロのもとに

殺人予告の手紙が届きます。

差出人はタイプライターで

打たれた『ABC』とだけ。

内容は

”Aのつく町で

21日に殺人が起こるから

警戒せよ、うぬぼれた探偵ポアロよ”

(簡単に言うと)と、

かなりポアロを

煽る感じなのです。

この手紙だけでは、

いたずらなのかもしれないし、

わかりません。

事件はそんな奇妙な始まりです




ポアロはその頃探偵を

引退していて

夢だった

カボチャ作りに

夢中だったはずなのですが、

実のところは、

事件の依頼がチラホラあり

完全に引退までは

していなかったようです。


それどころか難事件を

解決してきた自分の

灰色の脳細胞を

持て余し気味でした。

そこへ南アフリカから

旧友のヘイスティングズが

帰ってきたので

(ヘイスティングズは

南アフリカに

妻を残して来ているので

期間は限られているのですが)

昔のエキサイティングな

事件の事などが

よみがえったのでしょう。



”なにか気の利いた事件”を

また二人で解決しよう!

と持ちかけます

(なんて物騒な話なんでしょう!)

その直後に

『ABC』の殺人予告の

手紙がポアロ宛に届くので、

びっくりです。


しかも、

ご丁寧に

殺人の場所と日にちまで

書いてあるのです。

ポアロも

随分軽く見られて

しまってたようです!

(これは犯人の思惑があったのですが)


私はポアロが

ヘイスティングズに

”また何か2人で事件を解決したい”

的な事を言った直後の

殺人予告の手紙だったので、

てっきりヘイスティングズの

何かの伏線か、

関係があるのかと

思ってしまいましたが、

実際はそういうわけではなく、

たまたまだったようです

(すみません、私の考えすぎでした)



最初のポアロと

旧友のヘイスティングズの

再会は、

ポアロファンなら

ニヤニヤするくらいの

会話の応酬ですし、

直接事件とは関係ない

ところですが

最終回の作品と呼ばれる

『カーテン』への

伏線もうっすら入っています。


『カーテン』を読んでいる方なら、

”あ、この会話は!”と

気付かれるかと思います



いつもは語り部として

ヘイスティングズの

目を通して事件を

追うのですが、

今回の『ABC殺人事件』は

ある理由から

他の視点でも描かれます。


これは

最後まで読み終わって、

ようやくそういうことか!

と思います

(言いたいけど

ネタバレなので言いません)


ポアロ宛に

殺人予告が届くこと、

しかし防げずに

殺人は次々と起こるので

犯人の狙いは

ポアロに恨みがあると

考えるのが話の

流れではないでしょうか?

散々

推理小説を読んできた

私は、

そう考えもしますが、

話はそんな単純では

ありませんでした。


予告があるのにも

かかわらず

ポアロが手も足も出ず

殺人が起こってしまう

失態の連続ですし

難事件と言っても良いと思います。



ミスリードもありますし

素直に読んでいる読者は

犯人が誰かさっぱり

分からないと思います!


犯人捜しは難しかったです



トリックとしては

偶然に頼りすぎているので

私にとって

無人島に持っていくリストには

最優先に入れる本では

ありませんが、

ABC順に

殺人が起こるという

前代未聞のアイデアは

さすがだなと言うしか

ありません。

最後のポアロの

謎解きのシーンは

いつもながら

大どんでん返しで

スカッとします。

事件は悲惨ですが

ハッピーエンドと言っても

良いでしょう(複雑ですが)



そして私の

この作品の

大好きなところを

あげると

ミステリーでありながら


@戦争反対の意思、

戦争の後遺症の悲惨さ、


A弱者への

暖かいまなざしを

感じられるところ、


があります


(それを感じられるシーンは

少ないけど印象に残ります)


もちろん魅力は

それだけではありませんので

是非まだの方は

読んでいただきたいと思います



映像化も沢山されている

『ABC殺人事件』、

BBCドラマも映像化を

されていますが

このABC殺人事件の

ドラマ化に関しては

とても面白い解釈と

表現がされていました



こちらも機会があれば、

原作を読んだ後でですが

鑑賞をおすすめします

(原作を読んでなくても

面白いと思いますが、

原作を読んでいた方が

ドラマの面白さは

増えるかなと私は思いました)




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アガサクリスティーを無人島で読む(アガサクリスティー紹介ブログ) 

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このブログの説明をします


このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所
というのを紹介していきたいと思います

以前は他のブログで書いていました
一旦こちらに移ります
(他でも書いています)
よろしくお願い致します

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無人島に持っていくなら何を持っていく?
よくある質問でしょう
私は『アガサクリスティーのミステリー』と答えます
ほとんどの人は生き抜くための実用的なサバイバルの教科書をもって行くと答えるでしょうが
それは もちろんそれも大事です 

しかし 人は実用書に書いてある事のみで生きるにあらず
ワクワクや不思議な事やミステリーに胸をときめかすそういう心が絶望の淵から自分を這い上がらせることもあると
自分は信じていて、自分にとってその一つが『アガサクリスティーのミステリー』なのです
結末が分かっている推理小説も何度も読み返したくなるほどのストーリー、登場人物の魅力にあふれていて、
自分にとっては、いつ終わるとも分からない無人島生活において退屈することの無い本であろうと思われるのです
それくらい好きだ―っと叫ぶだけのここはそういうブログです

独断と偏見で自分が無人島に持っていくなら、限られた荷物の中でどれを選ぶか?
という基準で★印を付けてます(3つが満点)
★が多いほど、私が無人島に持っていきたいくらい大好きな本だという意味です。
小学生の時からアガサクリスティーを何度となく読んできた私の独断と偏見ですので意見が違う方もいると思いますが
ご容赦願います。

アガサクリスティー作品一覧

アガサクリスティー短編集及び番外編はこちら

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そして誰もいなくなった


写真そして誰.png

一番始めに
アガサと無人島なら、思い出されるのは
「そして誰もいなくなった」でしょう

アガサの代表作度  ★★★
読んで良かった度  ★★★
無人島に持って行く度★★★

アガサクリスティーの代表作の一つと言っていいですね。
謎を解くというよりは、最後のどんでん返しに読者は驚き魅力にハマるのです。
この作品が発表されてから、これと似たような作品が何度も発表され、オマージュされてきたかわかりません。
この小説は映画化もされてますし、結末も有名なのでいまさら隠す必要もないかもしれません。
でもこれから読む人はいくらでもいる(かもしれない)ということを踏まえて、いつも新しい驚きを持って欲しいと思いますのであえてここではネタバレはしません。

ネタバレなしの紹介

この作品は、無人島に招待された10人の男女がインディアンの子守唄になぞらえて死んでいくミステリーです。
可愛らしいはずのインディアンの人形がまた異様に不気味で、人形が消えると誰かが同時に消えていくようになっているのです。誰が?何のために?

無人島という、隔離された世界で他に助けも呼べばない状態で、一人一人死んでいくのです。
生き残っている人も誰も信じられない恐怖で追い詰められていき発狂寸前です。
ラストは、読者を驚かす仕掛けが待っています。

自分はこれを読んだとき、あんまりな話だなと思ったのです。
もちろん文句なしに面白かったですよ!
この仕掛けを考えたアガサクリスティーはさすがだ!と思いましたし天才だと思いました。
最高傑作と言われてる理由も分かります。
でも、内容的になんだかむなしいなあ、、、、って思ったのです。
完全なる自分の趣味です。
無人島に男女10人滞在できるほどの屋敷は(大きな立派な館)あるんですが、バカンス!っいう感じはまったくなく、ちっとも楽しそうじゃないし(あたりまえっちゃ当たり前、仲良し10人組のパーティーじゃないんです、ほぼ他人同士)それぞれが秘密を抱えてることが前提で、どよ〜〜〜んとした灰色な雰囲気が漂うんです。
それがミステリーだといわれたら、全く文句はありません。
でも、なんていうか怖い方が勝つホラー作品というか、
そう、ミステリーというよりこの作品は自分にとってはホラーでした!
怖い話がお好みの方は是非、お勧めします!

最後まで犯人は分からないまま、読者を引っ張っていく力強い文章力が魅力です。
そして題名が『そして誰もいなくなった』なんてちょっとしゃれてる題名というのも、この作品の価値があると思ってます。他の題名だったら、ここまで有名になったかと言われたらどうかなと思います。

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蛇足ですが、作家の赤川次郎さんが、このアガサクリスティーの『そして誰もいなくなった』をリスペクトしていて、
”自分はこういう作品を書きたい”とそう思って小説を書いてきたと知った時、驚いた自分です。
ユーモアミステリーのイメージがある作家の赤川次郎さんですが、『夜』という作品を読んだときとても怖いホラーだったので、そのことを思い出しました。


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著書一覧(発行順)

1  スタイルズ荘の怪事件
2  秘密機関
3  ゴルフ場殺人事件
4  茶色の服の男
5  チムニーズ館の秘密
6  アクロイド殺し
7  ビッグ4
8  青列車の秘密
9  七つの時計
10 牧師館の殺人
11 シタフォードの秘密
12 邪悪の家
13 エッジウェア卿の死
14 オリエント急行の殺人
15 なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか
16 三幕の殺人
17 雲をつかむ死
18 ABC殺人事件
19 メソポタミアの殺人
20 ひらいたトランプ
21 もの言えぬ証人
22 ナイルに死す
23 死との約束
24 ポアロのクリスマス
25 殺人は容易だ
26 そして誰もいなくなった
27 杉の柩
28 愛国殺人
29 白昼の悪魔
30 NかMか
31 書斎の死体
32 五匹の子豚
33 動く指
32 ゼロ時間へ
33 死が最後にやってくる
34 忘れられぬ死
35 ホロー荘の殺人
36 満潮に乗って
37 ねじれた家
38 予告殺人
39 バクダッドの秘密
40 マギンティ夫人は死んだ
41 魔術の殺
42 葬儀を終えて
43 ポケットにライ麦を
44 死への旅
45 ヒッコリーロードの殺人
46 死者のあやまち
47 パディントン発4時50分
48 無実はさいなむ
49 鳩のなかの猫
50 蒼ざめた馬
51 鏡は横にひび割れて
52 複数の時計
53 カリブ海の秘密
54 パートラム・ホテルにて
55 第三の女
56 終わりなき世に生まれつく
57 親指のうずき
58 ハロウィーン・パーティー
59 フランクフルトへの乗客
60 復讐の女神
61 象は忘れない
62 運命の裏木戸
63 カーテン
64 スリーピング・マーダー





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アガサクリスティー 短編集及び番外編

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このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです


このブログの最初はこちら

作品一覧(長編)はこちら

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アガサクリスティー短編集

アガサクリスティーの作品は小説だけでなく短編集も戯曲も有名なのですが短編集にいたっては
15篇ほど(出版社により増減)もあります。その短編集の1つ1つに15本はお話がつまってる状態なので、紹介するのも一苦労なのです。自分にとってはうれしい悲鳴なのですが、一つ一つ大事に紹介していこうと思っています。


ポアロ登場
おしどり探偵
海から来た男(謎のクイン氏登場)
翼の折れた鳥(クイン氏)
火曜クラブ
死の猟犬
パーカー・パイン登場
死人の鏡
クリスマス・プティングの冒険
ヘルクレスの冒険
愛の探偵たち
黄色いアイリス
※この他に表題の無いクリスティー短編集は4編ほどある
 (中には重複する内容あり)

別名メアリ・ウエストマコットの名前で
書かれた作品

1 春にして君を離れ
2 娘は娘


短編集

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うぐいす荘(ナイチンゲール荘)
情婦(検察側の証人)
クリスティ短編集T
リスタデール卿の謎
黄色いアイリス短編集
クリスマスプティングの冒険

代表的な登場人物

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エルキュール ポアロ
ミス マープル
パーカーパイン(サタースウェスト)
ベレスフォード夫妻

短編集のおすすめというと
ポアロを知りたい方は『ポアロ登場』を読むのが早いです
しかしより魅力的なポアロに出会いたいのなら
『ヘルクレスの冒険』『クリスマスプティングの冒険』をおすすめです

あくまでも個人的な好みですが。

ちなみに『クリスマスプティングの冒険』にはポアロだけでなく1本だけミスマープル物が入っています。
どうしてかは分からないけど、ちょっとしたおまけというか、プレゼントみたいなものかもしれません。

『愛の探偵たち』
ポアロ、ミスマープル、クイン氏、そのような有名な探偵が登場しない作品の短編が集まったものです。
『愛』がテーマのものが集まったロマンチックな短編集になっています。有名なのは戯曲『ねずみとり』の原案『三匹の盲ネズミ』が収められているのでおすすめです

ミス・マープルの短編なら『火曜クラブ』がおすすめです

参考になれば良いのですが。



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アガサクリスティー 作品一覧(長編)

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英国ミステリーの女王作品
アガサクリスティー(1890−1976)



著書一覧(発行順)
1  スタイルズ荘の怪事件
2  秘密機関
3  ゴルフ場殺人事件
4  茶色の服の男
5  チムニーズ館の秘密
6  アクロイド殺し
7  ビッグ4
8  青列車の秘密
9  七つの時計
10 牧師館の殺人
11 シタフォードの秘密
12 邪悪の家
13 エッジウェア卿の死
14 オリエント急行の殺人
15 なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか
16 三幕の殺人
17 雲をつかむ死
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42 葬儀を終えて
43 ポケットにライ麦を
44 死への旅
45 ヒッコリーロードの殺人
46 死者のあやまち
47 パディントン発4時50分
48 無実はさいなむ
49 鳩のなかの猫
50 蒼ざめた馬
51 鏡は横にひび割れて
52 複数の時計
53 カリブ海の秘密
54 パートラム・ホテルにて
55 第三の女
56 終わりなき世に生まれつく
57 親指のうずき
58 ハロウィーン・パーティー
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このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していきたいと思います
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います

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そして誰もいなくなった

写真そして誰.png



ネタバレちょっとあり

この作品はアガサクリスティーの中で前代未聞のミステリーになります。
発表されてから何度も同じような作品が他の作家にもオマージュされてきています。

全員シンだと思わせて実は、、、というストーリーは沢山の読者がだまされたと思います
いえ、100%の読者がだまされたのではないでしょうか
今でこそ、世界的に有名になったこの結末を考え、作品として世に出したアガサは素晴らしいアイデアマンです
そしてアイデアを考えたとしても、作品がつまらなければこんなに有名にはなっていません

この作品のポイントのひとつはズバリ!シュチュエーション!
ひとつの島に閉じ込める環境を不自然なく作ること
それぞれ各々がこの島に来ざる得なくなるように仕向けること
しかも誰がシンでもおかしくない背景を作ること
この作品の軸がしっかりしてないと完成しない作品です

二つ目のポイントは恐怖感に溢れた文章です
そこはかとなく文章が背後に黒い恐怖を感じさせ、読んでるだけでゾクゾクします
真夏の怪談かな?と思うくらいに怖い文章が上手いです
この文章力は魅力です
私はミステリーよりホラーを感じました

三つ目のポイントは”題名”です
アガサクリスティーは題名を考えるのが非常に上手いです
このミステリーが「そして誰もいなくなった」なんて洒落た題名でなければここまで有名になっていないと思います

もしこの作品を初めて読む人がいればうらやましいと思います
「このミステリーを新鮮な気持ちで読めるんなんて本当にうらやましい!」




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