魔術の殺人の感想
このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
｢アガサクリスティーの本｣と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所！
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います
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魔術の殺人の感想
マープルの青春と共に度 ★★★
見取り図を見ても
よく分からないけど度 ★★★
アガサの名言度 ★★★
無人島に持っていきたい度★★☆
マープルは女学校時代の
友達ルースから
”キャリィ・ルイズの
周辺の様子がおかしい”
嫌な予感がするので
キャリィの家に
行ってみてきてくれない？と
頼まれます
マープルの友人のキャリィは
最初の結婚で
大金持ちと結婚しており
その旦那は既に亡くなっていて
莫大な遺産を手にしています
そんなキャリィは
今は3度目の結婚をしていて
連れ子や実子の関係など
複雑な親子関係も
ありますが
現在の旦那様とも
関係は良好で
何不自由ない暮らしをしている
はずなのです
しかし
そんな幸せなはずの
キャリィのもとを
訪れた友達のルースは
違和感を感じたというのです
学生の時からマープルを
よく知っているルースは
マープルが何か嗅ぎ取ってくれると
思ったのでしょう
キャリィのもとへ
マープルを送り込みます
その方法が
マープルを生活に困った
高齢者として
わざわざ、貧乏なフリまでして
押しかけるという方法
なんです！
（これはルースのアイデア）
びっくりしますね！
そりゃ、
｢あなたのお家の様子が
なんか変だから
マープルに偵察に行かせるわ｣
とは言えないでしょうけどね？
貧乏を装って
何日か生活をみてくれって
押しかける理由も
どうなんだか、、、
（そういうマープルは
実は片田舎の村に住んではいても
人気作家の甥のレイモンドが
マープルの生活をみており
優雅な生活をしているのですが
ソレはおいといて）
そんなわけで
生活に困窮している友達
（と思って）
同情の親切心で
泊めてくれるキャリィのもとへ
訪れたマープルなのです
ここは
ちょっと本当に
理解しがたい感じですが
とにかく
マープルがそんなわけで
潜入に成功し
その館について
様子を見ていると
なんと
友達のキャリーには
誰かから
毒を盛られている
疑いも出てきます！
友人のルースが感じた
違和感はこれだったのでしょうか？
しかし
大金持ちで
ある理想を持ち
善意の塊ような館に住む
キャリィは旦那様を始め
そこに住む人々から好かれています
毒を盛られる理由も
見当たりません
ですが
それにもかかわらず
やはりちぐはぐなものを感じとる
マープルがいました
その違和感が分からないまま
とうとうその館で
大事件が起こります！
キャリィの夫が
ピストルを持った青年に
監禁されるのです
そして
殺人事件も起こってしまいます
毒を盛られる友人
監禁発砲事件
そして殺人
あまりにも
衝撃的な展開に
まるで
マジックショー（魔術）を
見ているかのように
感じるマープルがいるのでした
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ネタバレなしの感想
ミスマープルは、傍から見れば
白髪のおばあさんなのですが
当然、そんなマープルにも
青春の女学生時代があったのです
その当時の友達が出てきて
最初は思い出話から
始まるのですが
女学校の時の友情が
白髪のおばあさんになるまで
続くと言うのはそれなりの
人生のタイミングや
努力があるものでしょう
マープルは独身ですが
お友達のルースは
結婚と離婚を繰り返しているし
立場や生活環境は
全く違う今を生きています
そんな立場の違いはあれど
友情は変わらずに
続いていることも
すごいなあと思います
そんな女学校時代の
友達からの”お願い”をされたことから
この作品が始まりますので
マープルの青春なしでは
この話は始まらないのです
そしてこの作品で
私が感じたのは
｢人生｣
まあ、誤解されると
最近は言い訳も難しいけども
｢女の一生｣
これに関する名言がちらほら
ちりばめられています
それは登場人物の
老婆になった3人の老婆の
余生のあり方
そして
孫娘の今のリアル
残酷までにリアルです
しかし
どう感じるかは
個人差があると思うのですが
私にとっては
ミステリーの謎解きを
楽しむというよりは
作品のあちこちに
ちりばめられたアガサの
人生観を感じることが出来る
本でした
ミステリー自体は
単純なトリックと言っても
良いかもしれません
しかしそのトリックを
思い付いてそれを
上手にストーリーにするのは
やはりさすがアガサだなと思います
マープルものは
マープル自身が
”普通のおばあさん”
であることを最大に生かして
油断した登場人物の
沢山のおしゃべりの中で
トリックを見抜く才能があるところ
そして
長い人生経験から
”こういう人間は
こうするもの”といった
人間性を見抜く事が
出来るという事
そこが面白いと思います
歳を取ったなりの
武器を使って生きているのです
イキイキとさえして
して見える事があります
歳を取るのは
悪いことばかりではなくて
マープルおばさまのような
ありふれた優しい顔をした
”ぼーっとしない”
おばさまになるのも
楽しみかもしれません
しかし
今回はそんな
マープルおばさまの
おしゃべりならではの活躍は
少ない気がするのです
この作品はとても特殊な
状況での事件で
(詳しくは本編を）
人間関係も複雑なので
（何しろ何回も結婚離婚して
複雑なので）
ミステリー謎解きとしての
評価は人によって
ばらつきが出るかもしれません
ミスリードされやすい展開ですから
だから
私は正直そんなに
マープル作品の中で
上位に入る作品ではありません
（個人の感想です）
でも
アガサは
めちゃめちゃ楽しんで
書いていると思います！
（断言）
ストーリー自体は
長く人生を生きてきた
アガサでなければ
書けなかったかもと
思ったりします
ロマンスも
織り交ぜてあって
さすがの完成度かと
思います
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