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2024年07月15日

秘密機関  感想

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このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

秘密機関
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冒険活劇度               ★★★

ミステリーかどうか悩む度        ★★★

少なくとも推理物ではないかも度     ★★☆

無人島に持っていきたい度        ☆☆☆

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ネタバレ無しの紹介
あらすじ.png



この作品はアガサの

作品発表順で行くと

『スタイルズ荘の怪事件』の

次の作品です。

ミステリーの第2弾かと

期待してしまいますが、

この『秘密機関』は

ミステリーや推理というよりは

冒険とスパイの物語ですから、

ちょっと雰囲気が違います。


文章の雰囲気が若々しいです。

ポアロは出てきませんし、

若いトミーとタペンスの物語です。


『茶色い服の男』の時にも思いましたがアガサは若い女性がイキイキと冒険に出る話が好きなようです。アガサは本当はスパイ物や冒険物が書きたかったのでしょうか?


しかし、この後に発表される

『ビック4』という作品で

無理やり

ポアロに冒険をさせているような

作品がありますが、

その作品は全くびっくりするほど

読みづらかった作品でした。

(ハッキリ言って私は眠くなります)

しかし、その『ビッグ4』に

比べればこの『秘密機関』は

若い男女のコンビが冒険をする物語で、

読み応えがあります。

戦後のお金はない

仕事もない、

でも若さと知恵と行動力は

誰にも負けない、

そんな前向きな2人が主人公です。

そしてこの2人が

ユニークな相性で

書かれていて、

お互いの足りないところを

補い合ってとても大きな事件を

解決して行くのです。

あり得ないことの連続です。


しかし、それも戦争の後の

混乱期を書いていると思えば

同情も出来ます。

戦後のイギリス、

お金がない職のない若者は

溢れていました。

生きる希望、

まだ若いんだから何でも

挑戦しなさいよと

アガサは元気づけていたのかも

しれません。

ハラハラドキドキの冒険の

物語になっています。

onoimitu.png


ネタバレ無しのあらすじ


いきなり船が沈むシーンから

始まります。

悲劇の”タイタニック”を

思い起こさせる始まりですが、

沈む原因は氷山ではなく

戦争の影響の”魚雷”にやられた

というのがあまりにも

ひどい始まりです。

船の乗客は順番に

救助ボートに乗るのを待っていますが、

ジェントルマンの国では

女性や子どもからボートに乗れるので

女性が助かる可能性が高い。

それを痛いほど分かっている

男のスパイが、


『私が助からなかったら

アメリカ大使館へこれを届けて欲しい』と

機密文書をある

女性に託すのです。



まさに生きるか死ぬかの

瀬戸際の頼み事ですし

頼まれた女性も命がけです。

そんなシリアスなシーンからの

始まりなのです。


そして、場面は変わり、

戦後のイギリスの町中で

失業中の若い男女

トミーとタペンスが出会い、

なにかしらで2人で生きていくすべを

話し合っている時に、

ある男から声を掛けられます。

怪しげな仕事を依頼され、

タペンスが口からでまかせに

女性名”ジェーン・フィン”と

名乗ったところ、

何故か相手は怒り出し、

大金を渡すのです。

仕事の依頼はよく分からず

完全に受けていないと言うのに。

詳しい仕事の話をしようとした

次の日、その怪しげな

事務所と男は消えてしまいます。


そんな状況で

ジェーン・フェンとは誰か?

何者か?

調査を始め、

自ら危険な人捜しの

冒険に飛び込んでいく

トミーとタペンスなのでした。

感想ネタなし.png


簡単に言うと、

2人の男女トミーとタペンスの

探偵物語といったところです。

素人探偵がよくもまあ、

死なずにいられるなあという

危険とハプニングの連続です。


文章も若いです。

きっと楽しい冒険に

ワクワクしながらアガサは

書いているんだと思いました。

トミーとタペンス、

この2人の恋模様も描かれますし

『ABC鉄道案内』も出てきて、

アガサファンで『ABC殺人事件』を

読んだことが在る人は

”あれ?!”と思うでしょう。

期待しないで読むと

楽しめる一冊かもしれません。



私は 冒険作品より

ポアロやマープルのミステリーが

好きですから

無人島には持って行かない

本ではありますが、

結婚についてのアガサの

興味深い考察もありますので

それを読むだけでも

面白い作品だと思います。


尚、

アガサはこの若い2人を

後に『おしどり探偵』という

短編集で活躍を書いています。

かわいい2人の

ユニークな会話や

アガサの遊び心満載の

じゃれ合いを楽しむ方には

こちらもおすすめします!

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蛇足ですが

男女ペアで事件解決の

お話は、他にもあって

『なぜ、エバンスに頼まなかったのか?』

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という作品の

ボビィとフランキーがいますが、

こちらは最初から

ミステリーの要素が強いですし、

貧乏な青年と伯爵令嬢の2人の

コンビの物語にもなっています。

私はこちらの方が

推理要素が多い作品なのですが、

完全に好みの問題ですので

ご了承ください。






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