このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います
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ホロー荘の殺人
個性的な登場人物がいる度 ★★★
トリックの複雑度 ★☆☆
ポアロの活躍度 ★☆☆
アガサの芸術家に対する
秀逸な表現 ★★★
無人島に持っていきたい度 ★☆☆
価格:1100円 |
ネタばれ無しの紹介
この作品は一見単純に見えます。
明らかに最初に犯人が分かるからです。
(しかしそういう単純な
話ではもちろんありません)
なにせ私がこの作品を
最初に読んだのが
中学生でしたから
『なんて単純な話だろう、
ポアロが出る幕もない!』
などと思ったものです。
今思えば、
人生経験も少ない時の
浅はかな幼さ故なのですが。
それと同時に
物語を引っ張る女性
”ヘンリエッタ”という
芸術家が出てくるのですが
その女性のようになりたいと
あこがれを抱きました。
彼女に自立と
愛する人に媚びない強さ
(当時はそう思いました)
を感じたからです。
この作品には
魅力的で個性的な女性5人が
てきます。
幼い私はどんな
大人の女性になろうかと
思ったときにサンプルが
この本に出てくる、
と感じていました。
あこがれのヘンリエッタと
対照的な女性”ガーダ”には
イライラしましたし、
ホロー荘の女主人の”ルーシー”には
まさかこんな支離滅裂な人
いるかしら?と思ったし
(でも、社会に出たら、
意外といました(^_^;))
親近感を覚えるのが”ミッジ”
絶対に共感できない”ヴェロニカ”
これだけで、充分かき回せそうな
設定です。
さて話が少しずれましたね!
そもそもこの作品は
読んでその名の通り
『ホロー荘』で起こる殺人の話
なのですが、『ホロー荘』
というのは富裕層の持つ
邸宅の名前です。
そこに仲良し親族が
集まるのが年中行事に
なっているわけです。
それだけでは殺人の臭いは
しませんね?
殺人事件が起こるまでに
実に本編の3分の1
読み終わらなければなりません。
全ては殺人が起こるまでの
入念な舞台装置を
設置するためなんですが、
その間に男女のドロドロな
ドラマがありまして
今から思えば中学生には
刺激が強いですね!
パワハラはあるし浮気はするし!
(詳しくは言いませんが)
浮気しまくる男は
一生治らないんでしょうね
(子どもの私はこの作品で
男って簡単に浮気するなあと
学びました←人によるだろうけど)
すっかり整えられた舞台で、
起こる殺人(に見える情景)
をポアロは目撃して
推理が始まるのですが、
それまでに読者は
前の日に何がこのホロー荘で
起こったかは分かっています。
それでも次の日の
あまりにも急展開な殺人の情景を
ポアロの目線で一緒に
知らされるので読者は
これは殺人が
起こったという合図なんだろうか?
どうなんだろうか?
なんて混乱すると思います。
そこが新鮮です。
この作品を推理小説とするには
あまりにも読者に対して
証拠が少なすぎる気がするので、
トリックの複雑度は
私的に★少なめです。
共感出来ない自分がいるので、
無人島に持っていきたい度も
少なめですが、
アガサの”脚本”の上手さには
うなります。
アガサの脚本の
素晴らしさがよく分かる
作品です
それと
アガサの芸術家に対する
リスペクトを感じる作品でもあります。
他の作品『5匹の子豚』でも
芸術家に対しての
リスペクトを感じることが
出来ます。
そちらも読んでみられては
いかがでしょうか
五匹の子豚 (クリスティー文庫 エルキュール・ポアロ 0) [ アガサ・クリスティー ] 価格:1034円 |
【中古】 ホロー荘の殺人 ハヤカワ文庫/アガサ・クリスティ(著者),中村能三(訳者) 価格:605円 |