杉の柩
このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います
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杉の柩(すぎのひつぎ)
愛憎の表現のロマンチック度 ★★★
最後のどんでん返し驚き度 ★★★
ポアロの冴えわたり度 ★★★
無人島に持っていきたい度 ★★★
杉の柩 ハヤカワ文庫 / Agatha Christie アガサクリスティー 【文庫】 価格:1034円 |
個人的に大好きな作品です!
どう見ても有罪としか見えない不利な状況下で
依頼を引き受けるポアロがカッコいい作品です。
依頼人にとって最初から不利な条件が揃っていて被告人の死刑確実の案件です。
ポアロの依頼人の希望は
殺人の罪で裁かれている途中の被告人エノリアを無罪にすること
なかなかな問題を抱える難しい依頼です。
被告人エノリアは、お金持ちで洗練されている聡明な美女です。
彼女は生まれたときから苦労をしたことがないお嬢様なのです。
彼女には幼い時から決められたロディーという婚約者がいるのですがエノリアはこのロディーをめちゃくちゃに愛しているのです。ロディーもエノリアと結婚することになんの不満もありません。
そのまま行けば、この二人は結婚したでしょう。
エノリアにとって何も心配は要らない未来が待っていたはずです。
しかし、いよいよそのロディーと結婚間際という時に
メアリーという若い女が現れ、ロディーを奪われてしまうのです。
そのにっくきメアリー・ゲラードは使用人の娘なのですが、特別に雇い主によって教育もバッチリ受けてきており、性格も可愛く、容姿もカワイイのです。
ロディが恋に墜ちても仕方がない可愛さなのです。
新しく登場したメアリーに愛しい婚約者のロディーが心奪われてしまう
しかも、ロディーとメアリーが結婚してしまったら、失恋どころかエノリアの財産も奪われかねないピンチな状態になります。
エノリアは表面的に冷静さを装いますが心の中は激しい嫉妬や憎悪が湧き上がっていきます。
まさにそんな時にメアリーがエノリアと一緒の時に毒によって死んでしまうのです。
エノリアには動機もある、機会もある、そして、なにより被害者を殺したいと思う感情が渦巻いたことを読者にも明確に匂わせているので、エノリアは犯人としてみられても仕方がないのです。
状況的に真っ黒黒なのです!
しかし、そこに、エノリアに恋する男、ピーター・ロード医師が登場します!(ちなみにエノリアは何とも思ってません、何ということでしょう!)
ピーター・ロード医師が片思いのエノリアのために有名なポアロに無罪を証明してほしいと依頼することで、推理小説となっていくのです。なんと健気なピーターでしょうか。
まさに、愛の泥沼三角関係物語!
ポアロが登場して、すばらしいミステリーの幕が開きます。
最後の謎解きが裁判形式で進んでいくのも珍しいです。
トリックのヒントとしてはアガサの看護師時代の知識も出てきます。
ちょっと最後にバタバタとご都合主義の医療の知識を持ってくるところもありますが、それを吹き飛ばすぐらいのトリックに説得力はあります
そんな専門的なトリックはともかく
自分が感銘を受けたのは、この作品にちりばめられたアガサの愛に関するうんちくの言葉やセリフの数々です。
いろいろあったアガサですから(結婚、浮気、不倫、離婚、再婚など経験)説得力があるんです!
ポアロは一生独身ですが、アガサが書く主人公だからでしょうか?愛に関して決して、無頓着ではありません。自己愛が強い変人には書かれていますが、その根底には優しいポアロおじさんの顔があることを感じ取れるようなキャラクターなのは、さすがだなあと思います
この作品の最後のポアロの台詞は、憎いくらいカッコいいです
これから読まれる方はそこも楽しみにしてください
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