2019年07月17日
牛乳で下痢になりやすいのはなぜ? チーズやヨーグルトとの違いとは
牛乳を飲むとお腹がごろごろしたり、下痢をしてしまうといった方もいらっしゃるかと思われます。
なぜヨーグルトやチーズなどの乳製品は下痢になりにくいのに、牛乳を飲むとお腹を下しやすくなるのでしょうか?
今回は牛乳を飲むと下痢になる原因、乳糖不耐症や牛乳アレルギーとの関係、予防する方法などを医師に解説していただきました。
牛乳を飲むと下痢になる原因
牛乳を飲むと、あるいは飲みすぎると下痢になるという方がいらっしゃいますね。その一方で、いくら牛乳をのんでも全く平気、という方もいらっしゃいます。
下痢になる原因として以下の3つが挙げられます。
乳糖不耐症
牛乳を飲んで、下痢をしてしまう原因の一つ、よくあるものとして乳糖不耐症が挙げられます。乳糖不耐症は、牛乳に含まれる乳糖と呼ばれる成分を分解する酵素が足りない体質の方に起こり、乳糖を効率よく消化吸収できないために下痢を引き起こすものです。
牛乳アレルギー
牛乳を飲むと下痢になる方すべてが乳糖不耐症というわけではなく、牛乳アレルギー下痢などのほかに、発疹や息苦しさ、アナフィラキシーショックなど多様な症状が現れることがあります。
牛乳の冷たさや脂肪分などの刺激
牛乳の冷たさや脂肪分などの刺激によって下痢が引き起こされる場合もあるので注意が必要です。
他の乳製品で下痢になりにくいのはなぜ?
ヨーグルトやチーズなどは確かに原料は牛乳ではありますが、いずれも乳酸菌を用いて発酵させて作る食品のため、発酵の段階で乳酸菌が乳糖を栄養として使ってしまうため、食品に含まれる乳糖の量が少なくなります。
それから、製造工程で上澄み、つまり乳清を除いて作るチーズの場合は、さらに乳糖の含有量が少なくなります。
牛乳による下痢と牛乳アレルギーの関係
牛乳アレルギーは、下痢などの症状が出ることもあってか時々乳糖不耐症と混同している方を見かけますが、 まったく異なる非常に深刻なアレルギーです。
原因は、牛乳をのタンパク質を異物ととらえることで身体に備わった免疫系が異常に反応して起こるもので、ケースによって命にかかわる場合もあります。
牛乳による下痢に対する治療
乳糖不耐症の方に対しては、乳糖を含む食品を口にしないという生活上の注意に加え、根本的な治療とは言えませんが、乳糖を分解する酵素を外から補うような乳糖分解酵素薬が処方されることがあります。
下痢になりにくい牛乳の飲み方
乳糖不耐症のために、牛乳を飲むと下痢をしてしまうという方に対しては、乳糖不耐症の方用の乳糖を分解済みの牛乳が発売されています。
主治医の先生とよく相談の上、乳糖を分解済みの牛乳を飲用することを考慮するとよいでしょう。
牛乳によって下痢を引き起こした場合の対処方法
下痢が起こってしまった場合は、身体を冷やさず安静にすること、また、水分や電解質を十分に補給し、脱水を防ぐことが大切です。
ただ、牛乳アレルギーの疑いが少しでもある場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
牛乳を飲むとどうも下痢をしてしまう、という方は、早めに原因を知るためにも病院を受診するようにしましょうね。