2019年05月27日
蚊にさされやすい体質は「遺伝」ってほんと?
他の人と同じ環境や条件のもと、なぜ自分だけが蚊に刺されやすいのか……疑問に思ったことはありませんか?
過去、汗をよくかく、二酸化炭素排出量が多い、体温が高い、体表面積が広い、アルコールをよく飲む、血液型がO型の人、など蚊に狙われやすい様々な理由が挙げられてきましたが、最近のイギリスの研究で遺伝だということが分かってきています。もともと蚊に好かれやすい体質の人がいるらしいのです。
18組の一卵性双生児と、19組の二卵生双生児を集め、1組ごとにY字の形をした菅の中に手を入れてもらい、菅の中に蚊を放し、兄弟や姉妹の、蚊に刺される頻度を観察する実験が行われました。その結果、100パーセント共通する遺伝子を持つ一卵性双生児は、同様に蚊に好かれやすいことが判明しました。それに対して、二卵性双生児は、同じ遺伝子を50%しか有しないため、同じように蚊にさされるということはありませんでした。
そこから、人の体臭には、それぞれ蚊を惹きつけるものと、そうでないものと、差があり、それは遺伝子によるものだということが分かったのです。
研究の中心人物であるジェームズ・ローガン博士は「個人差を生み出す遺伝の基本を理解すれば、人それぞれに合わせた虫除けを開発できるかもしれない」と述べています。
さらに、蚊を引きつける程度を左右する遺伝的メカニズムを研究していけば、虫刺されや昆虫を媒介とする疫病の流行を防ぐ方法を見つけられるかもしれない、と今後の研究に期待を寄せています。