2019年05月06日
朝の嫌われ者……知られざる「目覚まし時計」のなが〜い歴史
叩かれようと、無視されようと、わたしたちを朝起こしてくれる目覚まし時計。こんなに毎日お世話になっているのに、実は彼らのもつ長い歴史のことはあまり知られていません。今回は知られざる目覚まし時計の誕生秘話をお伝えします。
伝説では目覚まし時計を発明したのは紀元前4世紀のギリシャ哲学者プラトンだったとか。彼は夜ねむるのを防ぐために水の力を利用して毎時間ごとにフルートを鳴らす時計を発明したといいますが、残念ながら文献などは残っていません。
ほかにも、ギリシャ神話の中にニワトリが朝鳴く理由を説明した逸話が残されており、どちらにせよ遥か昔から目を覚ますための道具は存在していたようです。
中世ヨーロッパでは監視兵が街の人を起こしていました。当初は朝のお祈りのためでしたが、市場やお祭り、また火の用心のために4キロごとに設置されている鐘を鳴らしていたのです。
機械式目覚まし時計の誕生は13世紀後半のこと。もちろん最初にあてがわれたのは監視兵。市民への普及はもっと先、産業革命後の19世紀末でした。その間に使われていたのは釘を埋めこんだろうそく。時間がたつと蝋がとけて、地面に音をたてて落ちるというわけです。
19世紀末になると富裕層に「台所用タイマー」が出まわり始めましたが、庶民にはまだ高嶺の花でした。その後、1940年に音楽やアラーム音が収容された時計が開発され、1950年代になってやっと市民の枕元に置かれるようになったのでした。