2019年05月13日
ぜいたく病?風が吹いても痛い? コーヒーで「痛風」が予防できる
痛風は「風が吹いただけでも痛い」と表現されるほどの痛みが発作的に起こる関節の病気だ。
激しい痛みの一方で、病院に行って治療をしたかどうかにかかわらず、数日で痛みが落ち着いてくるのが普通だからなのか、民間療法的な「痛風にいい食べ物」といった情報がネット上をにぎわせている。
さて、コーヒーもその“いい食べ物”の候補に挙がっている食品の1つなのだが、これが科学的に検証された。
□痛風ってどんな病気?
「ぜいたく病」、「足の親指の付け根が痛くなる」……痛風のイメージはこんなところだろうか。
確かに、痛風の原因の大半は、ビールの飲み過ぎ、肉の食べ過ぎといった生活習慣の乱れだ。これが「ぜいたく病」と言われるゆえんだ。これによって血液中の尿酸が通常よりも高い高尿酸血症となる。そして、尿酸が結晶化して関節にたまると痛みや腫れを引き起こすというわけだ。
□コーヒーは痛風を予防できるのか?
さて、痛風にいい飲み物とされるコーヒーだが、世界中でよく飲まれている。日本でも半分の人が毎日コーヒーを飲む習慣があるので、本当に痛風予防に効果があるなら、日本人にとってもありがたい話だ。
コーヒーと痛風の関連については、これまでにもたくさんの研究が行われてきた。中国の中南大学の研究チームは、500に上る既存の研究結果を精査して、コーヒーの消費量と痛風のリスクの関係について調べた。その結果、コーヒーの消費量が多いほど、痛風のリスクを下げると結論付けた。
また、カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究ではコーヒーを1日4〜5杯飲む人は4割、6杯以上飲む人は6割、痛風のリスクが減るという(※4)。コーヒーを1日6杯というのはかなり難しく現実的ではない数字かもしれないが、少しでも多くのコーヒー飲むことが予防につながるのは確かだ。
□痛風予防 まずは生活習慣の改善から
コーヒーが痛風を予防してくれるのは確かだが、そもそもは、日頃の食生活を改善することが痛風予防には最も大切なことだ。一時的に痛風の発作が起こり、数日で治った人の中には、結局、発作の原因である高尿酸血症を治療せずに放置している人が少なくないという。
プリン体から尿酸が作られるので、レバーなどプリン体が多く含まれる食品をとり過ぎないこと、水分をよくとることが大切だ。水分は血液の尿酸を薄め、尿酸を体の外へ排出する役割を果たす。
バランスの良い食事は痛風だけでなく多くの病気を予防することができる。そして、もちろん睡眠も忘れずに。