2017年09月23日
アイデアに困ったら昼寝を!夢の中から生まれた発明・理論は無数に。
仕事中に行き詰まって、ついつい眠ってしまったということはないだろうか?多くの人は不意の居眠りに対して「やってしまった」と思いがちだ。しかし、寝ている間に見た夢は、あなたに素晴らしいアイデアをもたらす可能性があるという。
□研究で明らかになった! 仮眠中の夢がもたらすアイデア
アメリカ心理学会(APA)の総会で発表された研究の中に、睡眠中の夢がもたらす効果について明らかにしたものがある。研究では、被験者に午前と午後、言葉の類語を当てるテストを行った。
その結果、午前のテスト後に仮眠を取らせて、午後のテストに臨んだグループでは、テストの点数が40%も上がったという。また、仮眠を取らせなかったグループでは、テストの点数に変化はみられなかった。
研究チームは、仮眠の間に行われたレム睡眠中に見た夢に、新しい考え、アイデアを生み出す作用があるのではないかとしている。
□仮眠・睡眠中の「レム睡眠」 私たちの頭や体はどうなっているのか?
夢は、一般的には睡眠リズムの中の「レム睡眠」と呼ばれる浅い眠りの中で見るものとされている。
レム睡眠中は、感覚は鈍くなっているものの、大脳が覚醒時に近い状態で働いている。
この状況下で、刺激や過去の記憶の断片を、脳が再構築したものが夢とされている。
特に、再構築される記憶は、本人にとって重要なものであることが多く、夢には新しいアイデアを生み出したり、過去の経験を基に未来へのシミュレーションを行っているという説もある。
□夢はアイデアの宝庫!? 夢が創造力を生み出す!
アイデアを生み出す働きもある夢には、こんな例もある。高校の化学の授業で習った「ベンゼン環」を覚えているだろうか。
実は、このベンゼン環も夢がきっかけで発明されたという。ドイツの化学者であるケクレは、ウロボロスと呼ばれる尻尾を口にくわえた蛇を夢に見て、現在のベンゼン環の構造を思いついたとされている。
この発明により、有機化学分野は大きな発展を遂げた。この他にも、夢がきっかけで発明されたとされる物や理論はいくつもある。
□アイデアに行き詰まったら、根詰めるより昼寝をするのも手
睡眠中に見る夢については明らかになっていないことがまだまだ多い。
仕事などでアイデアを出すのに行き詰まった場合、疲労しきった脳で考えこむよりは、いっそのこと仮眠を取るのも一つの手だ。短時間の睡眠で頭がすっきりするだけでなく、あなたの脳が記憶を再構築して、思いもよらないような斬新なアイデアが生まれるきっかけにもなるかもしれない。