2017年09月21日
世界で最も深いマリアナ海溝、汚染されてゴミだらけに
世界で最も深く不思議な場所、マリアナ海溝。そこには神秘的な風景や音、深海生物が存在しています。ですが、すでに汚染されていたことが明らかに…。
上海で開催された深海探査カンファレンスで、スコットランドにあるアバディーン大学の研究による、海溝内の汚染物質の測定結果が公開されました。同大学がネイチャー誌に発表した論文によると、マリアナ海溝では、すでに高レベルの汚染が認められ、特に海溝内をただよっているPCBを深海生物が食べているのが問題になっています。しかも、その濃度は多くの河川や沿岸海域で見られるよりも高いものでした。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは主に油状の物質で、水に極めて溶けにくく沸点が高い性質を持ちます。PCB廃棄物は食物連鎖などの過程で生物の体内に濃縮しやすく環境中で分解されにくいため、長距離を移動して地球規模での汚染を引き起こすことが報告されています。
最深測定深度が水面下1万911メートルといわれ、海で一番深いマリアナ海溝は、地球上で最も神秘的な場所のうちのひとつ。数々の珍しい深海生物が発見され、私たちを驚かせてきましたが、一方ですでに汚染されてしまっているという事実も残念な意味で驚きです。
また、米国海洋大気庁が調査を行っていますが、海溝の底で撮影された動画にはたくさんのゴミが落ちていることがわかりました。