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2012年07月03日

霊使い達の宿題《採点編》・A









 火曜日、遊戯王OCG二次創作・「霊使い達の宿題」の日。
 《採点編》に入っております。さて、最初は誰だ?
 という訳でまずはコメントレス。


 このモンスターデザインはなかなかいいですね。

 ありがとうございます♪

 多頭系は結構好き?

 そうですね。好きです。ただし、”爬虫類・ドラゴン系”限定で。だから「邪竜アナンタ」とか「八岐大蛇」なんかは好きですけど、哺乳類系や鳥類系(ケルベロスとかそういうの)なんかはそうでもない。
 ちなみに、実際のペット市場でもたまに出回るんですよ。双頭のヘビとか双頭のカメとか。
 まぁ、大概長生きしない上に魂抜けるくらい高値みたいですけどwww


 

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                          ―2―

 「まずは皆さん、ご苦労様でした。全員、無事に戻ってこれた様で、何よりです。成長しましたね。先生は嬉しいです。」
 学校敷地内の広場に集合した霊使い達を前に、ドリアードは満面の笑みを浮かべる。
 (・・・無事に戻ってって事は、危険性は把握してたのか・・・。)
 (ご苦労様じゃないっつーの!!死にかけたっつーの!!)
 (お腹減ったなー。)
 メンバーの内の何人かが、腹の中でぶつくさ言う。
 ―と、
 「何か言いましたかー?ダルクさん、ヒータさん。」
 笑みを浮かべたまま、ドリアードがそんな事を言ってくる。
 その言葉に、半ば飛び上がりながらブンブンと首を横に振る二人。
 「おかしいですね?気のせいでしたか。」
 小首を傾げるドリアード。
 「あ、そうそう。この発表会が終わったらお昼にしますからね。もうちょっと、我慢してくだい。ウィンさん。」
 「はーい。」
 天然の様で、妙に鋭い。
 『真実の目』を常時展開しているという噂は本当なのかもしれないと、冷や汗など拭いながら思うダルクとヒータだった。

 「さて、それでは誰から発表してもらいましょうか。」
 ドリアードが、品定めでもするかの様に皆を見渡す。
 その視線にも、ワクワクと輝く瞳で応じる者、平然と受け流す者、目を合わせない様にする者。三者三様の反応が返る。
そして、しばしの間の後―
 「じゃあ、はい!」
 ドリアードの指が、メンバーの一人を指した。
 若葉色のポニーテールが、ピョンと跳ねる。
 「ウィンさん、お願いします。」
 「はーい。」
 元気良く手を上げ、ウィンはそう返事を返した。

 皆列から一歩進み出たウィンが、瞳を閉じて杖を構える。
 一つ大きく深呼吸。
 そしてー
 「おいで!!『まじっちー』!!」
 呼び声と共に、杖の先端が地面を打つ。
 途端、
 ゴヴゥアアアッ
 唸りを上げて巻き上がる烈風。
 その場にいる全員が、一瞬視界を奪われる。
 やがてその烈風が収まると同時に、
 『ジュラアアアアアアアアッ!!』
 響き渡る咆吼。
 風渦の中から現れた"それ"の姿に、一同の間からおおー、と感嘆の声が上がる。
 大きな翼を羽ばたかせながら、地面に降りたったその竜は周りをグルリと見渡すと、その頭を甘える様にウィンにすり寄せた。
 「よーしよし、『まじっちー』、いい子いい子。」
 自分の上半身程もある竜の頭を撫でながら、ウィンはドリアードに「先生、こんな感じだよ。」と笑いかけた。
 その笑顔を同じ笑顔でもって受け止めると、ドリアードは「どれどれ」と件の竜に近づいて行く。
 スルスルと進むその足取りには、竜に対する怯えも警戒も見て取れない。
 「『魔頭を持つ邪竜』ですか。なかなか良い個体ですね。」
 邪竜の翼や鱗の並びを確かめながら、そう言う。
 「使役(しつけ)もしっかり出来ている様ですし、頑張りましたね。ウィンさん。」
 誉められたウィンは、「でしょー」などと言いながら、えっへんと胸を張った。その心中を代弁するかの様に、トレードマークのポニーテールもピコピコと跳ねまくる。
 しかし、
 「・・・ですが。」
 「・・・ほぇ?」
 ドリアードの口をついて出てきた否定文に、跳ねていたポニーテールがピタリと止まる。
 「些か、モンスターレベルが低すぎますね。ウィン(貴女)なら、憑依装着すればもう少し上のレベルも狙えたのではありませんか?」
 「え、えと・・・それは・・・」
 ちなみに、『魔頭を持つ邪竜』のレベルは3。それに対し、憑依装着時のウィンの認定レベルは4である。
 「確かに、自身の実力を知り、慎重に期するのは大事な事です。だけど、自分の実力より下のラインをなぞるだけでは、より高みを目指す事は出来ません。度を過ぎた無茶は論外ですが、時にはもう少し、大胆になってみる事も必要ですよ。」
 「はぅう・・・。」
 返す言葉もなく、ションボリするウィン。ポニーテールも、フニャリと下がる。
 けれど、そんなウィンの頭をドリアードはクシャクシャと撫でる。
 「だけど、逆に言えば難点はそれだけです。その他の点では充分。」
 言いながら、手にした採点表にスラスラと点数を書き込む。
 「はい。良く出来ました。」
 そんな言葉とともに渡された表には、「90点」の文字。
 それを見たウィンの顔が、パァッと明るくなる。ポニーテール、復活。
 他の面々からは、パチパチと拍手が贈られる。
 「今度はもっと、レベルの高い相手に挑戦してみましょうね。」
 ドリアードにそう言われ、ウィンはにっぱりと笑いながら、「はーい。」と答えた。


                                                         続く
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