火曜日、「霊使い達の宿題《採点編》」の日です。
さぁ、今回は誰だ!?(↓でもろバレですがwww)
ではコメントレス。
ああ、デュビアってGの方か。思い出せなくて画像検索しちゃったよ。
でも、住んでいる地域柄、Gってリアリティないんですよねー、やっぱ気持ち悪いぐらいデカいんですかね。
ああ、そちら北海道でしたっけ。確かにそっちにはいなかったですね。Gは寒さに弱いですから。
そんなにでかくはないですよ。羽と触角入れて、人の親指くらいかな?どっちかって言うと、大きさよりも見た目でしょうね。黒くてギラギラしてて・・・。動きが速くて飛ぶってところも恐れられている要因みたいです。
一応、衛生害虫って事になってますが、実際には不快害虫でしょうね。Gが原因で疫病が流行ったって話も聞きませんし。過去にはビックリ人間大賞で喰った人もいますし。
常々思ってるんですが、もしGがかぶと虫みたいに立派な飾り角を持ってたり、蛍みたいな綺麗な光を出したりする様な存在だったら、どんな扱いになってたのかな〜と。
やっぱりペットには愛称とか付けますか?そのへんでネタがあったら次のペット回にでもおせーて。
りょーかい。
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―5―
「凄いね。さすがアーちゃん!!」
「うぅ〜む!!ぐぅのねもでないとはこのことなのです。」
「・・・で、評価の基準が上がる訳か・・・。・・・ついてない・・・。」
「けっ・・・。」
「どうってことないよ。それより・・・」
皆にかけられる賞賛の言葉(1名除く)を軽く受け流しながら、アウスは地べたに胡坐をかいて頬杖などついているダルクに言う。
「ダルク氏。今度は君らしいよ。」
そんな言葉ともに、親指で後ろを指す。
見れば、ドリアードがニコニコと微笑みながら、おいでおいでをしている。
「・・・よりにもよって君の後か・・・。ついてない・・・せめてでも、“コイツ”の後なら良かったのに・・・。」
ダルクは大儀そうによっこらせ、と立ち上がると傍らのライナの頭をポンポンと叩いた。
「ですよね〜。ライナのあとならきもらくで・・・ってどういういみですか!!」
「・・・お前が考えた通りの意味だよ・・・。」
「な、なんですとぅ!?」
ギャーギャー喚くライナをうるさそうに残し、ダルクはズルズルとドリアードの元へ向かう。
「・・・ああ、あの表情・・・。アウス(前)で突っこめなかった分、こっちでやる気満々だよ・・・。全く、ついてない・・・。」
ブツブツ言いながら自分の前に立ったダルクを、ドリアードは苦笑いしながら迎える。
「相変わらずネガティブですね・・・。そんな私情の入った評価はしませんから、安心してください。」
「・・・はぁ、そうですか・・・?・・・でも、口では皆そう言うんですよね・・・。分かってますよ・・・。」
どんよりと重くなる空気。
ドリアード、顔に縦線4本。ついでに汗マーク1つ。
「ま、まぁ、とりあえず、見せてもらいましょう。どうぞ。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
し〜〜〜〜〜ん
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・あ、あの・・・ダルクさん?」
辺りに満ちる沈黙に耐えかねて、いささか顔を引きつかせながらドリアードが言う。
「・・・はい・・・?」
「あの、早く召喚を・・・。」
「・・・もう、出してますよ・・・?」
「・・・へ・・・?」
「・・・おいこら、出て来い・・・!!」
そう言って、ダルクは頭の後ろに下がっているフードを叩いた。
途端―
『ピィヤァアアア!!』
そんな声を上げながら、黒いものがフードの中から飛び出し、ダルクの頭にしがみ付いた。
「うわ、何?あれ!?」
「かわいーです!!」
「う・・・か、可愛い・・・(はあと)」
「へぇ。これはまた、珍しいものを・・・。」
自分に集中する視線に怯える様に、“それ”はまたフードの中に戻ろうとする。
「・・・こら、隠れるな。もう少し、我慢しろ・・・。」
半分フードに潜った“それ”を再び引っ張り出すと、ダルクは“それ”を腕の中に抱いた。
「・・・と、言う事です・・・。」
「『黒竜の雛』、ですか・・・?」
むずがる子供の様に、ダルクにしがみつく「雛」。それを見るドリアードの目が、急に厳しさを増した。
「黒竜の雛」は文字通り、「真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)」の幼体。普通に考えれば、黒竜の巣から盗ってきたと思う所である。
「よく成体の「真紅眼(レッドアイズ)」を呼ばれませんでしたね?というか、生物保護法の第8条12項目、覚えていますか?」
ドリアードの言葉に、ダルクの身体がピクリと動く。
「「『―希少たる竜族の繁殖行為、営巣地、利用状態にある巣、及び明確に親子関係にあたる個体群に対する過剰なる干渉、或いはそれに類似する行為の全てを禁止する。これに違反した場合、10年以下の懲役、500万以下の罰金、或いはその両方を課するものとする。尚、絶対たる必要に迫られし場合のみ、該当機関の許可を得た上において、その行為を前記原則の例外とする。―』」
同時に唱和する、二人の声。
「・・・覚えていた様ですね。」
「・・・ええ、一応・・・。」
しがみついてくる雛をあやしながら、気だるげに答えるダルク。
「ならば分かりますね?その子を盗ってくる事は、この条文にある『利用状態にある巣、及び明確に親子関係にあたる個体群に対する過剰なる干渉』に抵触します。次第によっては、法が・・・そこまで行かなくとも、学園があなたを罰しなければならない事になります。」
ザワッ
ドリアードのその言葉に、場にいる皆がざわめく。
「え?ちょ、ちょっと、どういう事だよ!?」
「簡単な話さ。あの雛を巣から盗ってきたって事になれば、ダルク氏は法律を犯した事になる。犯罪者、前科者になるんだよ。」
淡々と語るアウス。
それを聞いた皆が、一様に青ざめる。
「そ、そんな!!だってあたし達は先生に言われて・・・」
「先生は、“ドラゴンをしもべにしてこい”とは言ったけど、“手段を選ぶな”とまでは言っていない。それに、生物保護法についてはボク達はすでに授業で習ってる。この課題は、“それ”を知ってるという前提で出されてたんだよ。だから、ボクだって正式な手続きを講じてこういうものをとってる。」
そう言って、アウスは手にした許可証をペラペラと晒す。
「・・・もっとも、最高に危険な子連れ竜のいる巣を荒らしに行くなんて、先生自身、思っちゃいなかったろうけどね。」
クルクルと許可証を丸めるアウスに、助けを求める様にライナがすがる。
「で、でも、そんなの、ライナだってしらなかったですよ!!そ、そうだ!!きいたことあるです!!しらないでおかしたつみは、つみにならないって・・・」
「言ったろ?“習ってる”んだよ。ボク達は。知らなかったは通じない。」
「そ・・・そんなぁ・・・。」
容赦ないアウスの言葉に、ライナはヘナヘナと崩れ落ちる。
「それじゃあ、ダルクはあしたからけーむしょぐらしですか?けーむしょでくさいメシですか?ライナはひとりぼっちですか?そんなの、そんなのイヤです〜!!」
「ラーちゃん・・・。」
「馬鹿野郎・・・。いくら“お仕置き”が怖いからって、法なんか犯しやがって・・・!!」
「皆、落ち着きなよ。」
今にも泣き出しそうな皆に向かって、アウスはあくまで淡々と言う。
「何もそう決まった訳じゃない。この法律が規定してるのは、あくまで“巣にいる”か、“親の庇護下”にいる幼体。あの雛が巣から盗られたものじゃない、“はぐれ”だという事が証明されればこの法は適応されないで済む。」
「そんなの、どうやって証明すんだよ・・・?」
「それは、ダルク氏の説明如何だね。」
そう言って、アウスはドリアードとダルクへと視線を戻した。
「どうなのですか?ダルクさん・・・。」
いつもの穏やかさはどこへやら、厳しい顔で問うドリアード。
息を飲む皆。
5人の視線が集まる中、ダルクはしばし考え、そして―
「・・・ご想像にお任せします・・・。」
「は・・・?」
「・・・なんて言うか、説明すんの、だるいんで・・・。」
一同、ズッコケ。
「そ、そこですらそう来るか・・・!?」
「さ、さすがダルク・・・。ゆがみねぇです・・・。」
「で、でもさぁ・・・。」
「ああ。あれじゃあ、有罪確定だね。」
一人ズッコケなかったアウスが、腕を組みながらそう言った。
ドリアードは少し悲しげな顔をしながら、もう一度問い直す。
「・・・どうしても、説明出来ませんか?」
「・・・さっき言ったとおりです・・・。」
そう言って、黙り込むダルク。
ドリアードは溜息をつくと、その手をダルクに伸ばす。
細い指が、ダルクの肩に触れようとしたその時―
『チョット待ッタァアアアア――――ッ!!』
そんな叫びとともに、ドリアードとダルクの間に黒い球体が飛び込んできた。
ダルクの使い魔、D・ナポレオンである。
『 先生、聞イテクダサイ!!コレニハ事情ガ・・・』
「あ、こら!!お前!!」
しもべの意図に気づいたダルクが止めようとするがー
『しゃぁああらっぷ!!!』
物凄い剣幕で怒鳴られて、逆に黙らされてしまう。
『確カ二、己ノ手柄ヲぺらぺら喋ラナイノハ漢ノ美徳デハアリマスガ、ソレモ時ト場合二ヨリマス!!コンナ時ニマデダンマリスルノハ、タダノ馬鹿デス!!』
「いや、だけどな、お前・・・」
『しゃぁああらっぷ!!!』
二度目。
その剣幕にビビった雛が、またフードの中に潜り込む。
『ますたーガ言ワナイノナラ、私ガ言イマス!!」
そしてD・ナポレオンは事の一部始終をぶちまけた。
その結果―
「うぅ・・・え、偉いねぇえ・・・ダルクくん・・・!!」
「よくやった!!さすがわがおとうと。よくやったのです!!」
「ちくしょう・・・泣かせるじゃねぇか・・・。」
「うーん。あんまりボク好みの話じゃないなぁ・・・。」
半泣きの皆(1名除く)に、揉みくちゃにされるダルク。
「ウザイ・・・だから言いたくなかったんだよ・・・。」
ライナにワシワシと頭をなでられながら、うんざりした顔で呟くダルク。
その傍らで、これまた半泣きのドリアードがD・ナポレオンに確認を取っていた。
「それで、間違いはないのですね?」
『ハイ。証拠デシタラ、ますたーノ腕ノ傷ヲ見テクダサイ。『闇ヨリ出デシ絶望』ノ爪痕ガアリマス。』
それを聞いたドリアードは、ツカツカとダルクに向かう。
ダルクに群がっていた一同が引く中、ドリアードはダルクの左腕を手に取る。
「・・・確かに、これは『闇より出でし絶望』の爪痕!!」
そう言うと、ドリアードは感極まったかの様に、ギュウッとダルクを抱き締めた。
「良い子ですね!!さすが、私の教え子です!!」
「く、苦しい〜!!ウザイィ〜!!」
ドリアードの胸の中でもがく主を見ながら、D・ナポレオンはほっと息をつくのだった。
「それでは、改めて評価の方を・・・」
皆に揉みくちゃにされてボロボロになったダルクの前で、ドリアードは採点表を手にとった。
ハンカチで目尻の涙を拭きながら、採点表にサラサラと文字を書き込む。
「はい。」
「・・・どうも・・・。」
受け取ったダルクは、二体のしもべと共にそれを覗き込む。
「・・・へ・・・?」
『ハァ?』
『ピィ?』
表に書いてあったのは、点数ではなく、「プライスレス」の文字。
「・・・あの・・・これって・・・?」
訳がわからないといった態のダルクに、ドリアードは涙目で答える。
「残念ですが、貴方だけ採点の基準を変える訳にはいきません。『雛』はレベルも低いですし、点数だけでみれば悪いと言わざるをえないでしょう。けれど、点数が全てではありません。今回の貴方の所業は、非常に素晴らしいものです。点数などで表すことなど出来ないものです。よって、この様な評価としました。」
「・・・はぁ・・・。」
「その子、大事にするのですよ。」
「・・・はい・・・。」
相変わらず、気だるげに答える主の頭の上で、雛とD・ナポレオンは微笑んで(?)うなずき合うのだった。
続く
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