火曜日、遊戯王OCG二次創作・「霊使い達の宿題」の日です。
今回から霊使い達の宿題、《採点編》に入ります。
・・・と言っても、今回はあくまでプロローグで”さわり”だけですがwww
さぁ、来週からの彼女達の運命やいかに!!
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霊使い達の宿題《採点編》
プロローグ
チチチ・・・ピリリ・・・
そこここから聞こえる、小鳥達の声。豊かな森の木々の隙間から差し込む優しい朝日が、一棟の質素な建物を照らし出していた。
ここは魔法族の里。その中心にある魔法専門学校。
その教員室の一席で、一人の女性がお茶を飲んでいた。
純白の法衣に、蒼い肩当て。若葉色の被り物。上質の絹の様に、サラリと腰の辺りまで伸びた髪はその主人の人格を表す様に、柔らかい黄金(こがね)色に染まっている。
ジャスミンの香りのするお茶を口に運びながら、女性は時折その端整な顔に楽しげな微笑みを浮かべていた。
「何か、随分と楽しそうですね?ドリアード先生。」
女性に話しかけたのは、白い翼に白衣、ピンク色の巻き髪に眼鏡といった出で立ちの女性。学校医のメンタルカウンセラー・リリーである。
「あら、そうですか?」
ドリアードと呼ばれた女性は、そう言って自分の頬を撫でる。
「ええ、とっても楽しそう。今日は、何かあるんですか?」
そう訊かれたドリアードは、フフ、と笑う。
「今日で、"あの子達"が全員帰って来るんです。」
「あの子達?」
リリーは少し首を傾げた後、ああ、と手を打つ。
「先生のクラスの、霊使い達。」
「はい。」
「そう言えば、ここ一週間程姿が見えませんでしたね。何かあったんですか?」
「宿題を出してたんです。」
「宿題?どんな?」
その問いにドリアードはサラリと答えた。
「一人一頭、自分と同属性のドラゴンをしもべにしてくる様に言ったんです。」
「・・・え゛?」
その口調の軽さと、内容の重さのギャップに、思わず顔を引きつらせるリリー。しかし、当のドリアードはそんなリリーの様子には全く気付く事なく、ただ楽しげにお茶をすする。
「楽しみですねぇ。皆、どんな子を連れてくるんでしょう?」
「そ・・・そうですね・・・は、はは・・・。」
・・・皆、五体無事で帰ってくればいいけど・・・。
そんな思いを抱えながら、ドリアードと笑い合うリリー。
ピピピ・・・チュンチュン
これから起きるであろう騒動の事など知る筈もなく、小鳥達は朝日の中でただ楽しげにさえずっていた。
続く
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