ここ最近になってトップアスリートを始め、著名の方々が「うつ病」を患っていることを公表しています。うつ病を患っている人や過去に患った人などにとっては「うつ病」を理解してもらう上で、ありがたく思っている方もいらっしゃると思います。私も罹患者の一人としてありがたく思います。
うつ病は人それぞれ症状が違います。私は幸いにも軽症だったことや医師との相性、薬とのマッチングがよかったため比較的短期間で回復できました。
私の場合の症状は「やる気がおこらない」「人と会うのがイヤ」「何をやっても楽しくない」「夜の寝つきが悪い」「朝がつらい」、「感情の起伏が強い」、「いっそうの事いなくなりたい」などの症状が続いていました。
その一方では、「こんなんじゃダメだ」、「しっかり仕事にもいかないと」といった思いもあり、心の中での葛藤が続きました。
自分の中でも「これはちょっとおかしい・・」、「もしかしたら、うつかも・・」と思う気持ちがあり、精神科を受診した結果、「軽度のうつ病」と診断されました。
周囲から見たら、「怠けてる」、「誰だってそうだ」、「やる気がないだけだ」、「しっかりしなさい」と思うのは仕方ないですが、でも実際には、脳の機能が不調を起こした脳の病気のため、自分でもわかっているのですが、どうしようもありません。
うつ病の診断はカウンセリングや問診がメインになりますが、最近では光トポグラフィという「うつ病」の罹患状態を確認できる診断法も出てきています。ただ、導入している医療機関も多くはないようです。私は男性更年期障害の診断の際に、この光トポグラフィを使って頂きました。頭から測定用のカバー(帽子のようなイメージ)を被り、いくつかの質問にボタンで回答していく感じです。
光トポグラフィは脳の画像で判断する「見える化」を可能にした診断方法としても注目されています。
▼正常な時の画像
▽うつ症状の画像
「うつ病」になる原因も人それぞれです。私の場合ですと、離婚、子育て、子供の独立、父や親友の死、借金など様々な要素があり、何が直接的な原因なのかは今だに分かりません。おそらく、個々の事柄が積み重なり、発症したと考えると比較的しっくりします。
治療もまた人それぞれですが薬の投薬がメインになるようですね。睡眠誘発剤や抗うつ剤など種類や摂取量も多岐に渡り、組み合わせによって悪化するケースもあります。主治医の先生によって処方も異なりますし、主治医の先生との相性にも治療効果は左右されます。男性医師、女性医師、おっとりした優しいタイプの医師、ちょっと上から目線の医師などこれも様々です。
症状の度合いによりますが軽症だった私は2週間に1回のペースで通院しました。症状によっては週1回だったり、10日に1回(月3回)ペースだったりします。症状を診るのもそうですが、薬の効き具合を確認するのも理由の1つです。薬の効果はすぐに出るものではなく、また副作用も結構キツかったりします。薬の効果が出るのが概ね2週間程度のため、それを確認するために2週間という診察サイクルが基本ベースになっているようですね。薬がそれなりに効いているようなら継続、合わないようなら薬を変えるなどの処方変更をします。例えば同じ薬でも分量が多かったり少なかったりで違いますので、薬の分量の増減や、種類を毎回の診察で確認していきます。私も良かれと思って処方していただいた薬が全く合わず、症状が悪化してしまったことがあり、即服用をやめたこともあります。この自分にあった薬の処方が固まって安定するまでが結構大変でした。
私は軽症の部類だったので、比較的に薬の選択肢も少ないため、処方が固まるまでそれほど時間はかかりませんでした。だいたい3〜4ヶ月程度で処方が安定しましたが、中症、重症と度合いが上がるたびに薬の種類が増えたり、分量の増減もその都度、検証していく必要性が出てくるため、自分自身の薬の処方が安定するまでかなりの時間を要するケースもあります。どの薬を使っても全く効果が出ないこともあるようです。
薬が効いてきて症状が緩和されてきても薬を止めることはできません。一時的に良くなってもすぐに症状が現れることもあります。減薬しながらしばらく様子を見て、そこでまた増やすか、そのままの分量で継続するか、それとも減薬するかなどを検討して行きます。
私は最後が睡眠導入剤で睡眠の質を保ちながら、最終的に薬を止めるに至りました。勝手にやめてはダメで、常に主治医の先生の指示通りにします。
主治医の先生の話では再発することも多いそうです。
今では普通に生活できるようになりましたが、常に「再発の恐怖」があります。幸いにも私はシニア世代に入ってきたため、ガツガツと働く必要性も以前よりかなり少なくなりました。仕事も抑えながら自分のペースでやっていますし、旅行や趣味の一口馬主もそこそこに楽しんでいます。肉体的にも精神的にもまだまだやれるとは思っていますが、主治医の先生から最後に言われた「決して無理はしないでください。できることなら仕事もセーブしてストレスを溜めないようにしてください」と釘を押されています。自分でもなんとなく分かりますが、「これ以上の無理をしたらヤバイな」という感覚があります。それを超えてしまったときの再発への恐怖心はおそらく死ぬまでなくならないと思います。
よく「うつ病はこころの風邪」という表現が散見されますが、決してそんなことはないです。ちょっと表現から軽く見られがちですが、れっきとして脳機能の病気です。私も罹患するまでは軽く考えていましたが、実際に罹患してみると、自分では制御できないほどの心痛に悩まされ、また薬の副作用もとてもツライものでした。そういった状況になりたくないというのが根底にあり、それが再発への恐怖心になっている感じです。
「うつ病」は症状の特徴から周囲の人からも「怠け者扱い」される言動や態度を取られることも多く、私も「うつ病」の診断書を持って会社の上役に相談しましたが、「そんなもん俺の周りにいっぱいいるわ!」「しっかりしないとダメだ!」などと一蹴され、心ない言葉をかけられてかなり落ち込みました。普通に考えればまともな意見です。おそらく多くの人はそう思うと思います。たぶん、私も罹患する前だったら同じ考えだったかもしれませんので責めるつもりも言い訳するつもりもないです。でも、それ以降、ごく信頼する一部の理解ある人にしかうつ病であることを話しませんでした。
そんな中、トップアスリートや著名人の方が「うつ病」を告白してくれました。そういった方々が告白してくれた事で、「うつ病」に対して少しでも理解してもらえることは私にとってとてもありがたいことでした。コロナ禍で精神的にも肉体的にも多くの人が我慢を強いられ、大きなストレスを抱えているとこだと思います。コロナ鬱も懸念されています。「うつ病」は脳機能の不具合による病気で度合いによっては自死などにも至ります。決して「こころの風邪」ではありません。
よろしかったらこちらも合わせてお読みください。
◆うつ病体験記◆
発症
https://fanblogs.jp/tsukasamarunet/archive/1/0
要因
https://fanblogs.jp/tsukasamarunet/archive/3/0
睡眠導入剤
https://fanblogs.jp/tsukasamarunet/archive/5/0
副作用との闘い
https://fanblogs.jp/tsukasamarunet/archive/9/0
減薬・薬からの離脱
https://fanblogs.jp/tsukasamarunet/archive/10/0
うつ病を理解してほしい
https://fanblogs.jp/tsukasamarunet/archive/12/0
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