2017年08月06日
「怪異宇都宮釣天井」中川信夫丹波哲郎三島雅夫
新東宝の「怪異宇都宮釣天井」は江戸時代の元和8年(1622年)宇都宮城釣天井事件の題材を得て
製作された時代劇である。監督は中川信夫で題名に怪異とついているが怪談映画ではない。
将軍家の隠密利根柳太郎(小笠原竜三郎)は、将軍家光公が東照宮参詣の折、一泊する宇都宮城の監視のた
め宇都宮に現れた。
中古価格 |
宇都宮城主本多上野介の家老河村靱負は、悪徳商人鍵屋甚兵衛と組んだ。また鍵屋の手下、大工の棟梁藤右衛
藤右衛門の一人娘お藤を妾にしようと企んでいた。
本多上野介と靱負はこの機を利して家光を暗殺、駿河大納言を擁し天下を獲ろうと謀議をこらす。暗
殺手段に、釣天井を仕掛けようと準備を始める。
隠密柳太郎は鍵屋の用心棒、黒住典膳に誘拐されようとしたお藤を助けたことからお藤の父親たちが
城中の工事に駆り出されたまま帰ってこないことを聞いて不審な思いを抱く。
柳太郎は居酒屋で網を張っているときに石切り職人たちの会話から何者かの謀略があることを
感じ取るのだった・・・
宇都宮城釣天井事件は宇都宮城主本多正純が将軍秀忠を宇都宮城に釣天井を仕掛けたとして
暗殺を図ったといわれる事件を基にしている。
しかし現実には釣天井は存在しておらず、本多正純を疎ましく思った幕府の一部の人間による
ものと言われている。この事件のあと正純は謀反を起こそうとした嫌疑により改易されている。
映画では将軍家光となっているが実際の事件では秀忠である。
悪役の浪人黒住典膳は丹波哲郎が演じ、家光役は沼田曜一が悪徳商人鍵屋甚兵衛は三島雅夫
が演じている。三島雅夫は悪徳商人役は天下一品だった。
クライマックスの釣天井崩壊のシーンはかなりの迫力で見せ場である。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image