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2016年08月27日

「新選組1969年三船敏郎、北大路欣也、三国連太郎、

数ある新選組映画の中でも1969年の三船敏郎の「新選組」はとりわけ印象深い。

幕末の世情騒然とする文久年間、武州多摩の剣術道場の師範である近藤勇(三船敏郎)は京都の治安維持のため

幕府の浪士隊の結成に、仲間の土方歳三(小林桂樹)や弟子の沖田総司(北大路欣也)らとともに応募する。

近藤はさっそく仲間と上洛するが京都へ着くとリーダーの清河八郎は江戸へ帰り勤王のための部隊を作ることを宣言する。

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話が違うので近藤一派は清河とは袂を分かち、同じく水戸天狗党の残党の芹沢鴨らも清河と分かれる。

しかし残ったものたちは最初の志通りに京都に残り京都防衛のため浪士隊を結成することにした。

そして近藤は京都守護の会津藩と話しをつけて後ろ盾になってもらったのである。

本格的に新選組を旗揚げすることで人数が必要なので、近藤は市中から新しい隊員を募集したのだ。

その中には商人出身で剣はダメだが算盤が得意の河合耆三郎(中村嘉葎雄)がいた。河合はあっさり入隊を

断られるが食い下がり入隊を許可されたのである。

新選組はめでたく結成されたがしかし無宿人の集まりのようなもので、近藤とともに局長をやっていた芹沢(三国

連太郎)の乱暴狼藉はひどく酒に酔っては町人を無礼うちにする無法ぶりに京都人たちは眉をひそめた。

このままで隊の存続が危ういと見た近藤は、芹沢を血の粛清をして取り除く。ここに多摩以来同志の近藤一派の

新選組支配が確立する。

だがまだまだ新選組は世間に認められたとはいいがたい日が続いたある日、監察の探索で長州藩が京都に

火を放ちどさくさにまぎれて天子様を奪い長州へ拉致しようとする陰謀を突き止めた。

長州浪士の会合は祇園祭の夜、京都の旅籠池田屋で行われることがわかったが当日頼りの会津は、近藤の

依願にかかわらず出兵しようとはしなかった。業を煮やした近藤はわずかの手勢を引き連れて池田屋へ

向かう。その中には沖田と河合もいたのだである・・・

物語は伊東甲子太郎一派の分派行動と暗殺、近藤への御陵衛士の襲撃、禁門の変、鳥羽伏見、

甲陽鎮部隊の活躍、流山での近藤の遭難と板橋の処刑までが描かれる。わずか2時間ほどの作品の中に

これだけのエピソードを盛り込むのでかなり大急ぎで進んでいくがなかなか見どころのある映画である。

しかしやはり三船が出てくると映画も重厚なものになる。近藤夫人の役は「大忠臣蔵」で共演した司葉子である。

それにしても河合の最後は哀れでむごたらしい。新選組の存在は簡単に善悪を決めつけることはできないが

内ゲバが多すぎる。内部粛清がこれほど多い組織もなかなかない。私なら絶対入りたくないと思う。


音楽は佐藤勝、監督は沢島忠。製作は三船プロと東宝である。このころはスターがプロダクションを持って映画

製作することが多かったが今そんな俳優はほとんどいない。石原プロの渡哲也ぐらいだろうか。

また沖田が薩摩の鉄砲隊の集中射撃で撃ち殺されたり、伊東が近藤に斬殺されたり史実とかなり異なる

箇所がある。
posted by ハヤテ at 16:13| 時代劇
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