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2016年03月23日

「チンピラ」柴田恭兵ジョニー大倉

1984製作の「チンピラ」は、大人になりきれない二人の若者の友情と破滅を描いた名作である。

主人公の洋一(柴田恭兵)と道夫(ジョニー大倉)は、競馬のノミ行為で生活しているチンピラである。

二人はその日その日を楽しく生きてきたが、年も30近くになりそろそろ身の振り方を考えないといけない年齢に

なっていた。今日も二人はディスコへ出没して道夫が、下手なステップを踏んでいると他の客からいちゃもんを

付けられた。そこへわって入ったのが、洋一だった。サングラスをかけた洋一は唐突に拳銃を取り出して因縁を

付けた相手に向かって撃った。血だらけになった倒れる男を見て、悲鳴があがった。

しかしこれは、二人のトリックで観客を驚かせて喜ぶ遊びだったのだ。

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また二人でやくざから借りた高級車を流していたところ、暴走族に因縁をつけられているカップルに遭遇し


助けに入るが車をぼこぼこにされてしまい、逆手にとって暴走族のリーダーの親にねじ込んで賠償金を


脅し取ったり自由きままに生きていた。そんな二人にはケツ持ちのやくざがいたのだが、伊東会の幹部大谷(川地民夫)

である。大谷はある日、覚せい剤を二人に預けるのだが、このときから運命が狂い始める。

大谷は特に洋一のやくざとしての資質を買い、組に入れたがっていたのだ。


そんな二人にも恋人がいた。道夫には美也(石田えり)が洋一は助けた若者から横取りした沙耶が、いつまでも


モラトリアムを続けていたい二人だったが、現実は大きく動き始めるのだった。


「竜二」の金子正次の原作をジョニー大倉と柴田恭兵という絶妙のコンビで描いた青春映画、やくざをテーマにしている

がやくざ映画ではなく、どこかそういう組織を嘲笑うような趣がある作品である。


主役の二人の掛け合いやセリフやパフォーマンスが絶妙で息が合っていてテンポよく物語が進んでいく。


最後は悲しく悲惨なエンドと思いきや、どんでん返しも用意されている。このラストはいろいろな解釈があるが・・・携帯


もない80年代なので連絡手段に公衆電話が盛んに出てくることが多く当時の空気が映像に反映されている。

二人のファッションもスカジャンや白のスーツやアロハシャツなどすかしているが、よく似合っている。


主役の一人ジョニーも最近亡くなったが、恭兵はまだまだ健在である。しかしあまり外見は変わらないのは


驚きである。80年代に青春を過ごしたものにとってある種のバイブル的作品である。

テーマ曲のPINKの曲もなかなかいい。テーマ曲「プライベートストーリー」は、オムニバスアルバムepic25に収録。


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posted by ハヤテ at 16:02| 青春映画
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