なつかしの映画

竹越ひろ子のヒット曲でも知られる渡哲也主演の「東京流れ者」は、一部マニアの間でカルト的人気を

誇る映画である。

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監督は、カルトの王鈴木清順である。オープニングが、白黒の映像でやくざをやめてカタギになった不死身

の哲（渡哲也）が対立する暴力団からリンチを受けるシーンで始まり、タイトルバックに、渡が歌う「東京

流れ者」が流れる。

このシーンはすでにカラーである。哲は所属する倉田組の親分とともに稼業から足を洗い不動産屋へと



転身した。このことが対立組織の大塚組は気に入らず哲をいたぶったのだ。しかし哲は挑発にのらず


耐え抜いた。だが、倉田組は資金難という弱みがあり、金融屋に手形を降り出していたのだ。このことを

知った大塚組は、金融屋の吉井を脅しビルの権利書を奪い取って殺害した。

このことを知った哲は、単身大塚組のアジトに乗り込むがまんまと罠にはまり敵の手に落ちた。

哲の危機を知って親分の倉田は哲を取り返しにゆくが・・・

若き日の渡のきびきびとしたアクションと荒削りの演技が見れるアクション映画であるが、やくざ映画とも

コメディとも取れるまた劇中に渡と恋人役の千春（松原智恵子）の歌が盛んに流れるミュージカルとも取れる。

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映画の舞台のクラブアルルの色彩感覚やセットも独特でこの監督ならではものと言える。

渡の兄貴分役に、トップスターの二谷英明、殺し屋役に川地民夫と脇も豪華である。

６０年代の東京の都市風景やネオン、当時の車などがふんだんに映し出されていて貴重な映像記録でもある。

そして、やはり主題歌のメロディー、歌詞とも後世に残る名曲で、日活時代の渡の活躍を知ることのできる

作品である。

ガンアクションは、当時のステージガンは、薬莢が飛び出すようなリアルさはないが、銃声だけは大音響

でかなりの迫力がある。最初、主演は小林旭の予定だったらしいが、やはり渡でよかったと思う。

ラストのセリフで「流れ者には女はいらない」というものがあるが、このセリフはこの映画からきているのだ

ろうか。

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