なつかしの映画

内田吐夢が、片岡千恵蔵を主演に迎え、歌舞伎の「籠釣瓶花街酔醒」を元に作った「妖刀物語　花



の吉原百人斬り」は、現代にも通じるテーマで深く考えさせられる。

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舞台は、江戸時代のある時期、老夫婦が神社の境内で、幼子が捨てられているのを見つける。

幼子の顔には痣があり傍らには、刀が添えられていた。夫婦は織物問屋を経営していて裕福であり子供を哀れ

に思って我が子として育てた。時は過ぎ幼子も立派に成長し問屋を継いで主人となり商売を発展させていた。

男は、次郎左衛門（片岡千恵蔵）と名乗り武州佐野では名の知れた立場になっていた。


しかし、男は顔の痣が仇となり、いくら見合いをしても失敗し未だ独身だった。

あるとき、商売仲間の越後屋が次郎左衛門が見合いのため江戸に出たときに、吉原の遊郭に誘った。

生真面目な次郎左衛門は。固辞するが半ば強引に連れていかれる。しかし醜い痣のため化物扱いされ

遊女たちに敬遠され誰ひとり近づくも女はいなかった。廓の主人も困って食事をしていた岡場所あがりの

遊女玉鶴（水谷良重）に声をかけ相手をさせることにした。玉鶴は岡場所あがりということで同僚の遊女たち

から馬鹿にされていていつか太夫となり見返そうと思っていた。

堅物の次郎左衛門は、玉鶴と同衾したときに生まれて始めて女にやさしくされのめり込んでゆく。

すれからしの女の手練手管にひとたまりもなかったのだ。店の番頭はそんな主人の恒常を大目にみていたのだ

が次々に店の金を女に注ぎ込むのに不安になった。

次郎左衛門が、玉鶴に夢中になるのをみて廓の腹黒い主人は、玉鶴を太夫に仕立てその金を次郎左衛門から

搾り取ることを考える。

だが、そのころ武州では、大量の雹が襲い蚕が全滅し次郎左衛門は窮地に立たされる。

しかし、玉鶴を太夫にするため廓の主人は次郎左衛門より強欲にもお金を搾り取るのだった。

追い詰められた次郎左衛門は、金策のため拾われたときに持っていた刀を売ってお金を作ろうとするが・・・


モテないブ男が、悪い女にだまされて身ぐるみはがれたあげくついに逆ギレして凶行に及ぶという

物語で大量殺人のルーツであり、この手の犯罪は都井睦雄だけではなかったのだ。

実際にあった事件を元にしていていつの世もモテないことで悩む男はいるし、あくどい女もまたいつの時代

も変わらない。DVD化はされていないが、VHSは出ています。

遊女役の水谷良重の意地悪い腐った性格の演技は生々しい。知恵蔵のモテない男ぶりも良かった。

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