2015年05月04日
轟く雷鳴「ローリングサンダー」
ベトナム戦争の帰還兵をテーマにした映画は、「ランボー」や「タクシードライバー」など数あるが、
「タクシードライバー」のポールシュレイダー脚本、ジョンフリン監督の「ローリングサンダー」は
いまだカルト的人気を誇る異色作だ。主人公のチャールズレーン少佐(ウィリアム・ディヴェイン)は、ベト
ナムでの苛酷な捕虜生活から
解放され、故郷のテキサスへ帰ってくる。空港には出迎えの群衆がレーン少佐を英雄として称えた。
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少佐は、その報奨としてたくさんの銀貨をもらう。しかし、7年にも及ぶ捕虜生活でさんざんベトコンから
拷問を受けてきた体験は少佐の人格を崩壊させていた。
感情というものをほとんど失っていたのである。しかも、妻は寂しさから浮気までしており最愛の息子も
浮気相手の男になついてしまっていた。
レーンが家庭に居場所もなく空虚な日々を過ごしていたある日、レーンの自宅にメキシコ人の強盗が押し入った。
レーンが銀貨をもらったことを知って押しかけてきたのだ。メキシコ人たちの激しい拷問(トーチェ)にも
レーン少佐は決して銀貨の場所を言わず、強盗たちは、レーンの片手をキッチンシュレッダーに突っ込んで
破砕した。レーンはベトナムでの経験で痛みや恐怖にも無頓着になっていたのだ。
しかし強盗たちはそこへ偶然帰ってきた妻と息子に銀貨の場所を聞き出し、二人を殺害した。ひとり残されたレーンだったが
病院でリハビリを重ね、失った腕に鋼鉄の義手を装着し射撃の練習を重ねる。
回復したレーンは、復讐のため恋人の助けも借りてついにメキシコ人のアジトを突き止める。
戦場での部下だったジョニー(トミーリージョーンズ)に声をかけるとジョニーは二つ返事で少佐と
行動を共にする。
二人は、軍服に着替え、ショットガンやリボルバーで武装しメキシコ人の潜む売春宿に向かった・・・
脚本のシュレイダーは日本のやくざ映画ファンであり最後の殴り込みなどまさに高倉健の任侠ものの
ようである。
この映画の後世に与えた影響は大きく、タランティーノや「マッドマックス」などかなりにのぼる。
缶コーヒーのCMで有名なトミーリージョーンズが主人公の相棒を演じていていい味を出している。
レーン少佐を演じるウィリアム・ディヴェインの感情を抑えた重厚な演技力が作品に深みを与えた。
クライマックスの銃撃戦は70年代バイオレンスアクションとしては最高レベルの迫力である。
ラストに流れる歌がどことなく物悲しい。
映画パンフレット 「ローリング・サンダー」 脚本 P・シュレイダー 主演 T・L・ジョーンズ 中古価格 |
タグ:ベトナム戦争、
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