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2020年09月21日

武漢風邪対策またまた大混乱(九月十八日)



 チェコで武漢風邪の流行の拡大がひどいことになっている。経済優先で規制の緩和を進め、プラハの深夜営業をするバーやクラブなどのイベントで大規模な集団感染が発生しても、大したことはないと規制の再強化を行わなかったのだから当然といえば当然である。地方の人間からすると、プラハが特別扱いされているように見えて仕方がない。本気で感染の拡大を阻止したいのであれば、現状ではプラハの封鎖が一番であろう。春とは違って完全に感染を押さえ込もうとはしていないようにも見えるけど。

 さて、チェコでも他の国と同じように、かつての行政単位であるオクレスごとに、感染状況を色分けして表す地図を作成して、対策の役に立てようとしている。問題はその地図の運用が恣意的なことである。一番感染のリスクが少ない地区が白というのはいいとしても、導入当初は感染者が出ている地域も白色のままで、一番危険度が高いとされる赤や、二番目のオレンジはともかく、感染者は出ていてもリスクはゼロに近いと規定されている緑色に表示されているところもほとんどなかった。
 プラハなど、感染者数の増加が止まらず、保険所による感染の追跡も間に合わないという状況に追い込まれて、ドイツなどの外国の地図で赤に指定された後もしばらくは緑だったような気もする。現在ではドイツはプラハと中央ボヘミア地方を赤色の危険地域に指定していて、この地域から入国者に対して、一定期間の隔離か、陰性の検査結果の提出が義務付けられている。それで、チェコ側の地図でも赤になったんじゃないかと邪推してしまう。

 感染状況が悪化した結果、地図の色が変わり、それに対して規制を強化するなどの対策をとるというのが、この地図の使い方だと思っていたのだが、実はそうではなく、新たな規制を導入することが決まった時点で、地図の色を変えるという使い方をしているように見える。どこかで突然規制が強化されたときに、地図の色が変わっていないのに規制強化というのは話が違うという反対の声が上がったのに対して、これから色を変えるという答があったような気もする。

 とまれ、9月の上旬は感染者数が増えても一日当たり3桁で済んでおり、対策もゆとりのあるモノが多かった。つまり即日ではなく、来週の月曜日からとか、ある程度準備期間のある規制が多く、春の突然すぎる規制に対する反省がなされたものと思われた。しかし8日だったかに、一日辺りの新規感染者の数が千人を越えるようなると、その余裕は失われた。
 10日、木曜日の夜に、突然翌11日から、自宅以外の屋内でのマスクの着用と、飲食店の深夜営業(0時から6時まで)が禁止された。それまで政府、厚生省は感染が拡大している地域限定の規制しかしないと主張していたのに、全国的な規制として導入された。深夜営業の禁止なんて、爆発的に感染者が増えていたプラハで先に導入するぐらいのことはしてもよかったろうに。

 この規制が導入されたからといってすぐに効果が出るはずがなく、その後も新規感染者の数は、検査数自体が減る週末の例外を除いて4桁を数え、一番多かった日には3000件を超える事態となった。それで、バビシュ首相が首相同士の直接交渉で国境の閉鎖はしないと約束を取り付けたと主張していたスロバキアが、今日から国境を越えての移動に制限を科すことを決めた。
 ポーランド以上に通勤のために毎日国境を越えている人が多いために、通勤者と、通学者、つまり学生は例外とされたが、それ以外の旅行や出張などでチェコからスロバキアへ入国する場合には、10日間の隔離を受けるか、陰性の検査結果を提示することが求められることになった。国境を挟んで家族が別々に住んでいるなんて例も多いけれども、その場合にも国境を越えて家族に会いに行くのも制限されることになる。

 理解できないのは、ある規制を導入した後、その効果が現れたかどうかわかる以前どころか、毎日のように次々と新しい規制が追加されていることで、これでは仮に効果があったとしてもどの規制が、本当に効果があったのか判然としなくなりそうである。地域限定の規制と全国的な規制が混在しているのに、報道、発表のやり方が混乱を極めているせいで、現時点で、オロモウツではどんな規制が適用されているのかよくわからないのも大問題である。とりあえず政治家どもには、ツイッターなどのSNSで重要な規制についての情報を流すのはやめろといっておきたい。

 とまれかくまれ、毎日自宅と職場を往復して、たまに買い物のためにお店によるぐらいであれば、特に問題にはなるまい。マスクをつけたり外したりするのが面倒だけど、気温が上がった日に屋外でマスクをつけっぱなしというのはできれば避けたいところではある。今後気温が下がってからなら屋外でマスクを付けるのも問題ないか。新しいめがねには曇りにくい処理もしてもらったから、その意味でも楽になりそうである。
 春で多少なれたつもりではいたのだけど、規制のある生活が息苦しいものである点は変わらない。自分が感染するのを恐れる気持ちはあまりないのだが、感染した場合にうちのを含めて他の人に移してしまうのだけは避けたい。ワクチン代わりに感染させて二週間隔離してくれる施設があったら夏休みの間に感染して免疫をつけておきたかったなあと今更ながら思う。そんな施設なんてあるわけも、これからできるわけもないから、ないものねだりではあるのだけどさ。
2020年9月19日23時。






https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/










posted by olomoučan at 06:26| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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