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2020年07月29日
感染者の数が減った(七月廿六日)
最近新規感染者の数が順調に増加する一方、治療済みの人の数がなかなか減らず、感染中の人の数が右肩上がりに増えていたのだが、突如、厚生省がこれまで発表してきたデータの修正を行った。その結果、治療済みの人の数が大幅に増え、現在感染している人が2000人近く減って、3500人ほどになった。このデータの修正について厚生省では、カルビナーの超大規模集団感染の発生以後、データの収集と整理が間に合わなくなったところがあって、とにかく一番重要な新規感染者を優先して処理した結果、快癒した人のデータの処理が遅れたのだと説明していた(と思う。ちゃんとニュースを聞いていなかったのが悪い)。
確かに、軽症の人や無症状の人が治療済みにいたる期間が、平均で二週間と言われている割には、治療済みの人の数が増えないのは不思議だった。期間に多少の長短があることを考えても、連日百人以上が追加されてもおかしくないはずなのに、データ上は50人以下ということが多く、日によっては十数人とか、一桁の日もあったかもしれない。その辺のたまっていたデータの処理が終わったのが今日だという事なのだろう。今後も、治療済みの数については修正が入る可能性は高そうだ。
とはいえ、チェコの感染状況が、以前の全国的に広がっている状況にもどりつつあるのは、確かで、厚生省ではやらないと言っていた、全国的な対策の強化を再度導入することを余儀なくされた。ただし、それほど厳しいものではなく、屋内で行われる100人以上のイベントに参加する場合にはマスクを着用しなければならないというのと、屋内のイベントが500人、屋外が1000人という人数制限が加わったぐらいである。
もちろん、モラビアシレジア地方や、リベレツ地方など地方全体で特別な規制を導入しているところもあるし、イフラバやブルチノフなどより小さな規模で規制を強化しているところもある。ここ二ヶ月ほど、チェコの武漢風邪の中心であり続けているカルビナー地区では、一度減った新規の感染者数がまた少し増え始めている。これは、OKDの炭鉱関係者の集団検査の二回目が行われたことによるという。前回陰性だった人と、休暇中で検査できなかった人を対象にした検査では、前回よりははるかに小さな割合ではあるが、感染者が確認されているようだ。
大きな問題になっているのが、イフラバにあるアルツハイマー病の患者を収容する施設で、患者たちだけではなく職員の間にも感染が広がっていて、施設の運営にも大きな問題を引き起こしている。緊急で看護師などの募集をしていて、宿泊用に施設の前の駐車場にキャンピングカーを準備したと言っていたけど、この状況で人が集まるかどうかは疑問である。おそらく、最終的には以前同様の問題を起こした老人ホームと同様に軍隊が派遣されることになるだろう。
今回厚生省が、全国的な規制の再導入を決定した理由がこれで、ここ以外にも、病院の入院病棟、老人ホームなどでの集団感染が、一つ一つの規模は小さいとはいえ、各地で発生していることが大きな問題とされている。また、外国からつれてこられた季節労働者が住んでいる宿泊施設でも各地で中断感染が発生しているが、今のところ外国からの労働者を禁止するという方向には向かっていないようだ。
あらゆることでチェコの中心であるプラハでも、カルビナーを除けば最大の集団感染が発生した。夜中に若者達が集まって馬鹿騒ぎをするクラブでのイベントで、100人を越える感染者が確認されたのだ。話によると、狭い空間に大量の人間が詰め込まれて、飲み物を飲むのにストローが共用されたりなんてこともあったようだ。ここで起こった集団感染が、屋内での100人以上のイベントでのマスク着用の義務が導入された原因のひとつになっている。
理解できないのは、このクラブが、専門業者による殺菌処理を終えて、多少の制限は受けたもののすでに営業の再開をしていることで、日本だったら営業停止処分になるんじゃないかと考えてしまった。集団感染が発生したイベント自体は当時の規制には違反していなかったとはいえ、客の問題行動を制止しなかった責任はあると思うのだけど。さすがチェコと言うべきところか。
今後流行がさらに拡大したとしても、春の最初のときのような、がちがちの規制の導入はできまい。あれをやると流行が終わる前に経済だけでなく社会が崩壊しかねない。外出禁止の期間に家庭内暴力が大きく増えたという話もあるし、通報されても対処できないケースも多かったなんて話も聞く。子供たちにとっては外出が制限されるというのは苦痛でしかなかっただろうし、繰り返されたら心を病む子供も出かねない。
2020年7月27日18時。
タグ:コロナウイルス