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2020年07月20日

サッカーリーグの行方(七月十七日)



 チェコで最大の武漢風邪流行地となっているカルビナーの状況は、一時期に比べると新規の患者の数も減って落ち着きつつある。感染者が確認されてチーム全体が隔離状態、より正確には外出禁止状態に置かれていたカルビナーのサッカーチームの検査も、水曜日に行われ木曜日に関係者全員が陰性であることが確認された。
 これで、リーグ戦追加残留争いの部の残り二試合と、二部のチームとの入れ替え戦が予定通り行われることになるかと思ったら、そんなことはなかった。今日行われた一部と二部の計16チームが参加するプロリーグ協会(仮訳)の総会で最終決定がなされ、入れ替え戦が中止されることが決まった。入れ替え戦を行った場合、一部の14位と15位のチームは、10日の間に4試合というスケジュールを強いられることになり、リーグ戦終了後二週間の準備期間を経て入れ替え戦に望む二部のチームに対して不利になりすぎるという意見に配慮した結果である。

 同時に二部のチームの優勝チームだけしか昇格できないことに対する不満に配慮して、来シーズンは一部は18チームで行い、去年から始まったリーグ戦終了後の優勝などを決めるための追加リーグは中止されることが決まった。二部は2チーム減って14チームで行われることになる。個々まで聞いた時点では、一部からの降格チームはなしで、二部から2チーム昇格するという、以前ヤブロネツのラダ監督が提唱していたモデルになるものと思っていたのだが、ちょっと違った。
 残留争いリーグが残り2節を開催することができて最終的な結果が確定した場合には、一部の最下位のチームが降格し、二部からは上位3チームが昇格し、何らかの事情で最終的な結果が確定しない場合には、一部からのこう降格はなしで、二部からは上位2チームが昇格することになっている。ということは、二部優勝のパルドルビツェと2位に入ったブルノの昇格は決定というわけである。問題は3位のドゥクラで、現時点では、約一ヵ月後に始まる来シーズン、どちらのリーグでプレーするのか未定ということになっている。

 残留争いリーグの公平性についても疑義が呈されている。すでに残留を確定させたオロモウツ、テプリツェ、ズリーンの3チームは、カルビナーの武漢風邪での中断期間は選手たちに休暇を与えていたという。最下位だけは逃れたい3チームのうち、オパバとプシーブラムは、練習を継続していて中断期間を残り2節のための調整と準備に当てることができたのに対して、カルビナーはチーム全体での練習はもちろん、個別の練習もできない状態だったので個々の選手のコンディションも、チーム全体のコンディションも落ちている可能性が高い。
 現在の勝ち点ではカルビナーが、オパバとプシーブラムに2点の差をつけていて有利だが、日程的には最終節でカルビナーとプシーブラムの直接対決があることを考えると、残り二試合とも勝つ必要のないチームと対戦するオパバが有利だとも言える。モラビアの人間としては、ボヘミアのチームよりはシレジアのチームに残ってほしいと思うので、プシーブラムの最下位を希望するのだけど、今年のリーグの状況で降格チームが出るというのが正しいのか疑問である。

 ヤブロネツのラダ監督は、一部からの降格をなしにして、二部の2位と3位で昇格のためのプレーオフをやって、2チーム昇格ということにするのが一番いいと語っていたけれども、その通りである。これが不満に思うチームや選手が一番少なくなる方法だと思うのだけど、リーグ協会としては降格チームを出したいようだ。

 ちなみに来シーズンは、一部から下位3チームが降格して、二部からは優勝チームだけが昇格することになっている。それで来々シーズンはまた通常の16チームに戻して、優勝決定などの追加リーグも開催する予定なのだろう。二部のチームの中には来シーズンの昇格チームが一つになることを嫌って、反対票を投じたチームもあったようだ。オロモウツも反対票を投じたようだが、最終的には、30チーム中、27チームという大多数の賛成で入れ替え戦の中止と、上に書いたような降格、昇格の条件が決定された。

 来年のことを言うと鬼が笑うけれども、来シーズンは今シーズンとは違って、中国に迷惑をかけられることがないように祈っておこう。それにしても最近の中国は世界の迷惑でしかないよなあ。安価な労働力と巨大な市場を目当てに、ちやほやした日本やEUを初めとした世界各国の罪も大きいんだろうけどさ。
2020年7月17日24時。












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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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