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2016年09月20日

違法? 合法? ダウンロード(九月十七日)



 青空文庫で興味の持てそうな作家の作品を探すのに疲れたころ、ネット上に大量の書籍やマンガのデータが存在することを知った。それは、ソニーのリーダーや、シャープのガラパゴスが発売されて電子書籍の夜明けなどというトチ狂ったマスコミの命名した時代の、影の部分として報道されたいわゆる自炊と呼ばれる行為が行き着く先の著作権侵害として、報道されることが多かったように記憶する。実際には、それ以前から行なわれていたが、一部を除いて大きな問題としては捉えられていなかったようだ。
 この事実を知ったとき、ものすごく悩んだ。読みたくても読めない本が、ネット上に存在していて無料でダウンロードできるというのは、本が、新しい本が読みたくてたまらない人間にとっては、非常に魅力的で抵抗するのが難しかった。しかし、アルバイトとは言え出版社で仕事をしていたこともある人間としては、著作権の意味は重々わかっているし、無制限に好きなものをダウンロードするというのには抵抗があった。

 それで、最初は日本からチェコに持ってきた本やマンガを、リーダーでも読めるようにするために活用することにした。自分でスキャンする代わりに、スキャン済みのものを入手するという言い訳である。最初に探したのは、同じものを何冊も購入した森雅裕の作品なのだけど、需要がないのか発見できなかった。マンガではコミックス版と文庫版を両方購入した『夢見る惑星』と『ワン・ゼロ』、『動物のお医者さん』、小説では『百億の昼と千億の夜』あたりをどこかで見つけてダウンロードし、フリーソフトを使って、PDF化し、SDディスクに放り込んで、リーダーで読めるようにした。本当は本体に淹れたかったのだけど、画像起源のPDFはファイルのサイズが大きくなるため、2ギガしかない本体のディスクに入れると、他の本が入らなくなるのだった。
 こちらに持ってきた本だけで飽き足らなくなるのは当然のことで、日本にいるときに購入したけれどもこちらには持ってこなかったものに対象が広がり、『マスター・キートン』や『パイナップル・アーミー』、田中芳樹のSF作品なんかに手を出してしまった。そして、絶版になっていて入手不能な作品なら、著作権者の害にはならないだろうと、古い昔借りて読んだ記憶のある作品、読みたいと思いながら入手できなかった作品にも手を出すようになった。

 自分で設けた規制はあるものの、次第に緩和してしまって、有名無実になりそうな状態に、危機感とそこはかとない罪悪感を感じていたころ、大量のテキストファイルを集めたものを発見してしまい、発作的にダウンロードしてしまった。解凍してその数の多さに、唖然とし、このままではいけないとこの手のファイルのダウンロードは、きっぱりやめることにした。テキストファイルをすべて読むだけでも何年もかかりそうだったし。
 もちろん、ダウンロードしたテキストファイルは、まったく興味も持てない読もうとも思わない作品が多かったけれども、昔読んで存在すら忘れていた、おそらく絶版になって久しく古本屋でも入手が難しそうななつかしい作品もあり、そんな作品からPDF化して読み始めた。最初は面白そうなものは全部読もうと考えていたのだが、途中で飽きてしまって、大半はPDF化もせずに放置してしまっている。

 こういうダウンロードが違法だとか、違法なのはダウンロードではなくてアップロードだとか、あれこれ議論が行なわれていたが、こちらで入手可能で、お金を払ってでも読みたかった本については、電子書籍を購入して読んでいたし、ダウンロードしたのは日本にいたら電子書籍は買わなかっただろうから古本屋でしか入手できなかったに違いない古い作品がほとんどなので、出版社にも著作権者にも損害は発生していないと思う。
 出版社が売るのを諦めて絶版にしてしまった作品については、せめて古本屋価格で海外でも電子書籍が手に入るようにしてほしかった。そうすれば出所の怪しい、安全面でも不安のあるファイルを探してダウンロードするなんて必要はなかったのだから。マンガの違法ファイルのネット上での流通を阻止しようと立ち上げられたJコミの理念には、もろ手を挙げて賛成する。当初の公式のPDFフィルを無料で配布するという方針が変更になったのと、ダウンロードできたPDFファイルが高精度でサイズが大き過ぎてリーダでは読みづらいという難点はあるけれども、どこかの会社が同じようなことを小説でもやってくれないかと切実に願ってしまう。

 考えてみると、リーダーストアなどの電子書籍販売サイトは、青空文庫のテキストファイルを無料で配布するなどという姑息な手を使わず、出版社が文庫版でも絶版にしてしまったような作品を、無料、もしくは一冊50円とか、100円などの廉価で提供できるように出版社、著作権者と交渉するべきだったのだ。出版社にしてみれば既に元を取った作品から、在庫の心配もなくある程度の収入が発生するのだから、交渉の仕方次第では、何とかなったのではないかと思う。それがうまくやれていれば、古い世代の読書家を電子書籍にひきつけることもできたはずだし、新しい世代の読書家が存在すれば、古い作品に惹きつけることができたはずである。
9月18日23時。


posted by olomoučan at 06:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 本関係
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