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2016年07月29日

チェコで書かれたチェコ語の教科書(七月廿六日)



 初めて手にしたチェコで出版されたチェコ語の教科書は、『中上級者のためのチェコ語(Čeština pro středně a více pokročilé)』だった。初めて参加したサマースクールで何かの間違いで放り込まれた一番上の師匠のクラスで使うからと配られたのだが、授業と同じでさっぱり理解できなかった。当時の実力では、手も足も出ず、歯も立たなかった。最初のテキストからして、知らない言葉ばかりで、チェコ語でいうところのスペインの村(španělská vesnice)だった。何故だかわからないが、ちんぷんかんぷんでさっぱり理解できないことをこう表現するのだ。
 この教科書は、二度のサマースクールを経た後、外国人のためのチェコ語のコースで師匠の授業でも使ったが、理解できないと言う点では大差はなく、チェコ語の能力が向上しないことに絶望する原因にもなった。日本語に何とか翻訳しても理解できないような文章は、哲学書の翻訳ならともかく、語学のテキストでは読みたくない。チェコ語の勉強を始めて数年の三年ほどの社会人には、1930年代にカレル・チャペクが書いた文章を読むのは無理だと思う。
 師匠もこれでは駄目だと思ったのか、この教科書の使用を諦めてしまった。カレル大学でサマースクールでの使用も想定して出版された教科書なので、使えない教科書というわけではないのだろうが、相性が悪かったのか、使い始めるのが早すぎたのか。その後使い始めた教科書は、古い既に絶版になったもので、師匠の研究室に一冊だけあったものをコピーして使った。こちらは多分中級の教科書だったはずだが、表紙はコピーしなかったし題名までは覚えていない。

 一年目のサマースクールで移動した先のクラスで使用した教科書は、『コミュニケーションのためのチェコ語(Communicative Czech)』だった。これの青い一冊目の途中から、黄色の二冊目の途中まで勉強した。泣きたくなるほど難しいところはなかったので、内容はあまり覚えていないのだが、人の性格を表す形容詞に苦戦させられたのを覚えている。日本語でも「さっぱりした性格」なんてのは、説明しづらいのだから、外国語で苦労させられるのは当然といえば言えるのだろう。

 この教科書だけの特徴ではないのかもしれないが、日本語で書かれた教科書とは大きく違う点が一点あった。それは名詞や形容詞などの格変化の説明である。動詞の人称変化はチェコの教科書でも、日本語の教科書でも、タイプごとに一人称単数から三人称複数までの六つの形を一度に勉強する。その後、過去形も男性単数から中性複数までまとめて勉強する。
 しかし、名詞の場合には、日本で書かれた教科書は、名詞のタイプごとに一格から七格までまとめて勉強する。男性名詞不活動体硬変化なら、hard(城)を例として、hrad、hradu、hradu、hrad、hrade、hradu/hradě、hrademという具合である。最初のほうに出てくるタイプの名詞は単数と複数を別々に勉強するが、後で出てくる名詞の場合には単数と複数をまとめて十四の形を一度に勉強することもある。形容詞や人称代名詞などの場合も同じで、活用表を縦に覚えていくのである。

 それに対して、チェコで書かれた教科書では、活用表を横に覚えていく。まずノミナティフ、つまり一格の形が、数詞の一から、名詞、人称代名詞、所有代名詞、指示代名詞、形容詞まで、単数だけだが一度に提示される。二番目は二格ではなく、一格と同じ形をとることが多い四格が出てくるというように上から順番に勉強するわけではない。
 この違いは、結果的に見るとチェコ語の勉強に非常に役に立った。結果的にと言うのは、著者たちが意図したことではないと思われるからだ。ただ、日本で縦に覚えこんで、縦にしか見てこなかった格変化を、横から見て、それぞれの格変化のタイプの変化形を並べてみる視点を持てたことは、以後のチェコ語の学習に大きく寄与した。
 だから、チェコ語の勉強をしている人で、格変化に苦労している人には、格変化表を縦にだけではなく、横にも並べてみることを勧めておこう。そうすれば、チェコ語の世界が少しだけ違って見えるかもしれない。保証はできないけど。

 チェコに来て手に取ったり購入したりした教科書はほかにもたくさんある。ただ三年目以降のサマースクールで教科書はあったけれどもほとんど使わなかったなんてことがあったように、ちょっとしか使わずまったく印象に残っていないものが多いのである。
7月27日22時。
タグ:勉強 教科書
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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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