2016年11月10日
荷物が税関で止まったら(十一月七日)
先日チェコに来たばかりの人に、日本から送ってもらった荷物が届かずに、郵便局からわけのわからない書類が届いたので助けてほしいと言われた。大した書類でもないのだけど、チェコ語がわからない人の中には、困ってしまう人がいるかもしれないので、簡単に対処の仕方をまとめておく。
まず、これから書くのは、税関から請求される税金を素直に払う場合の対処法であるということを、前提に読んでほしい。日本で使っていた私物の場合、家族や友人などからの贈り物などの場合に、税金を払わせられるのは納得が行かないという人もいるだろうけれども、税金を払わずに済ませるためにかかる時間と労力を考えたら、払ってしまったほうがましなのである。チェコ語がある程度できる人間でさえ、こう思うのだからチェコ語ができない人にとっては、苦行以外の何物でもあるまい。素直に税金を払うことをお勧めする。
どうしても払いたくないという人は、以前も書いたように2kg以下の荷物に小分けして、別々に手紙扱い、スモールパケットとかいうので送ってもらうことだ。内容物に事実に反することを書いたらチェックされていちゃもんつけられるかもしれないし、荷物の価値として低い金額を書き込んでも税関で査定しなおされるかもしれないので、我が友人が、もちろんチェコ人ね、使うという内容物はほとんどごみのようなもの、価値はほとんどなしで送るのは、あまりお勧めできない。
さて、郵便局からはあれこれ事情を説明した紙と、申請書のようなものが二枚届くはずだ。それに必要事項を記入して、スキャンして郵便局の指定するメールアドレスに添付ファイルで送らなければならない。追加で内容物の一覧を送れといわれることもあるけれども、とにかく最初の二枚を送らなければ話にならない。
一枚目は、チェコの郵便局に出す通関の依頼をメールでやり取りすることをお願いするための書類である。以前は郵送で処理していたことを考えると大きな進歩である。進歩ではあるのだけど、余計な手間かけさせやがってという気分はぬぐえない。
チェコ語で「ŽÁDOST O ELEKTRONICKÉ ZASÍLÁNÍ/OZNÁMEÍ O PŘICHODU ZÁSILEK ZE ZAHRANIČÍ」とか何とか書いてあるのがその書類で、「2. Uživatel」のところの太枠で囲まれている部分だけ記入すればいい。「Jméno…」と書かれている下の一番上の欄には、ヨーロッパ風に名前、苗字の順番で書き込む。今時筆記体を使う人は少ないと思うが、ローマ字の活字体で読みやすく記入すること。この手の書類の場合には全部大文字で書くことも多い。
以下の三つの欄は、郵便物の送り先に書かれている住所を記入する。一番上が通りの名前と建物の番号である。大切なのは通り名の後に番号を書くことで、アメリカなどのように番号が最初に来るという意味不明なシステムはチェコには存在しないのである。二番目が市町村の名前。最後が郵便番号である。自分が住んでいるところの住所は知っているだろうから、要はその住所を分割して記入すればいいだけである。
その下の細い線で囲まれた枠は、上の住所以外の場所に送ってもらいたいときに記入するので、自宅宛に送ってもらったけど、職場に転送してほしいなんてことでもない限り記入する必要はない。そして、チェコで仕事をしている人であれば、こんな文章を参考にする必要もないだろうから、無視してかまわないということになる。
その下の部分は、特に説明がなくても連絡が取れる自分のメールアドレスを記入する場所であることは理解できるだろう。
その下の枠のない部分に「V」とあるので、その後ろに住んでいる町の名前を六格で記入するのだけど、六格がわからなかったらそのままの形でもいいだろう。「dne」の後ろには日付をこちら流に、日、月、年の順番で記入し、最後に「Podpis」の上に自分の署名をしておしまいである。署名はローマ字でも漢字でも何でもいいけれども、自分がどんな署名を使うのかは決めておいたほうがいい。もう一枚の書類と署名が異なっていたら、問題になるだろうから。
二枚目は簡単に言えば委任状である。郵便局が荷物の受け取り手に代わって通関の手続きをするために必要らしい。チェコでは「PLNÁ MOC」と書かれている。一番上の点線の上には、自分の氏名、生年月日を、こちら流の順番で記入する。二番目は、現住所なので、日本の現住所をこちら流に記入すればいい。順番は、下の説明を見ると、町、郵便番号、通り、番号の順番のようだが、普通の住所のように書いてしまってもかまわないだろう。もちろん「JAPONSKO」と記入するのを忘れてはいけない。
あとは真ん中より少し下にある点線の上に、左側は名前と苗字、それに署名、右側には署名した日付を記入して終わりである。とこれで終わりにしようとして、普通はその下に「Doručovací adresa I」のところに送り送り先の住所を書かなければならないことに気づいた。いやあ、チェコで永住権みたいなのもらっちゃったから、現住所がチェコにあるんで、不要なんだよね。ということで、本当の意味で長期滞在していない人は、ここに送り先の住所を書いておこう。
これをメールで指定のアドレスに送ってやれば、郵便局が通関の手続きをした上であて先に届けてくれる。ただし、受け取る際に税金分を請求されるので、それは計算に入れておくこと。それから、どのようにして税金の額が算出されているかも、時間の無駄だから気にしないほうがいい。気にしたところで郵便局の人には決定権はないので。どうしようもないのだ。
さて、この文章が役に立った人はいるのだろうか。
11月7日23時。
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