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2016年10月03日

略語、略称2?(九月卅日)



 昨日の続きである。昨日はいくつかの単語の頭文字を並べて略語というか略号と言うかを作るのを取り上げたが、今回は言葉となっているものを見てみよう。昨日出てきた秘密警察StBで働いていた人は、エステーバーク(estébák)と呼ばれていた。最初はStBとestébákの関係がよくわからなかったけれども。

 この手の二語以上で構成される言葉を合わせて一つの言葉にして使うというのに最初に気づいたのは、鉄道の駅でのことだった。恐らくは「早い汽車」という意味のリフリー・ブラク(rychlý vlak)から造られた急行列車を表すリフーク(rychlík)という言葉がそれである。これはすでに正しいチェコ語としても認められているようで、駅の構内アナウンスでも普通に使われている。
 日本で急行に対して普通列車のことを鈍行というから、チェコ語でも遅いという意味のpomalýから、ポマリークなんて言うのではないかと考えたのだが、実際はそうではなくてオソバーク(osobák)だった。チェコでは普通列車のことを、個人的なという意味の形容詞をつけてオソブニー・ブラク(osobní vlak)と言うのだ。オソバークはまだ正しいチェコ語としては認められていないようで、駅のアナウンスは、必ずオソブニー・ブラクを使っている。

 いつだったか、チェコテレビのスポーツ中継で、陸上競技を見ていたら、オソバークという言葉が出てきた。陸上競技で、普通列車の話が出てくるなんてありえないので、いや会場までの移動の話だったら、普通は使わないだろうけど、ありえなくはないのか。とまれ、何のことだろうと考えていたら個人的記録、つまりその選手が出した最高の記録のことだった。オソブニー・レコルト(osobní rekord)がオソバークになったわけだ。
 今度は、ハンドボールを見ていたときに、守備側が相手の攻撃の中心選手にマンツーマンのマークをつけたのを、オソブニー・オブラナ(osobní obrana)と言っているのを聞いて、これももしかして、オソバークかなと思ったのだが、残念ながらそうではなく、オソプカ(osobka)が正しかった。ワードの校正機能で赤の波線が引かれているから、オソバーク以上に認められていない俗語になるのかもしれないが、オソブニー・オブラナは女性形だから、それから作られる略称も女性名詞になるべきなのだと納得したのだった。
 それで、いろいろこの手の略語というか新語というかを集めて、元が男性だったら男性名詞になり、女性だったら女性名詞になるというルールが適用できることを確認してみることにした。

 最初に思い浮かんだのがナークラデャーク(náklaďák)で、これはトラックなどの荷物を運搬するための車を指す言葉である。正しくは、ナークラドニー・アウト(nákladní auto)だから、中性の言葉である。いや、アウトではなく、ナークラドニー・ブース(vůz)という言葉からできたものだと思えば、ブースは男性だからそれでいいのだ。
 スポーツなんかの代表チームも、レプレゼンタツェ(reprezentace)という表現もあるが、ナーロデャーク(nároďák)と言われることも多い。チェコ語でチームを表す名詞には、ムシュストボ(mužstvo)とドルシュストボ(družstvo)の二種類あってどちらも中性名詞なのだが、ムシュストボは男性だけのチームにしか使えないので女子チームにはドルシュストボを使うとか、ややこしい区別がある。だから最近は外来語の男性名詞ティームを使うことが増えている。以前は英語の表記のままteamと書かれていたらしいが、最近はチェコ語化した表記でtýmと書かれることが多い。つまり、ナーロデャークは、ナーロドニー・チーム(národní tým)の略なのだ。
 自動車免許のジディチスキー・プルーカス(řidičský průkaz)がジディチャーク(řidičák)になるのも、デパートのようなお店オプホドニー・ドゥーム(obchodní dům)がオプホデャーク(obchoďák)になるのも、小学校と中学校に当たるザークラドニー・シュコラ(základní škola)が、ザークラトカ(základka)になるのも、略される前と後で名詞の性が一致しているという点では変わらない。
 小学校で女の先生のことをパニー・ウチテルカ(paní učitelka)からパンチェルカ(pančelka)と呼んでいたというのも忘れてはいけなかった。実際には呼びかけの形で「パンチェルコ」と言っていたらしいけど。(この部分10月4日追記)

 しかし、同じプルーカスつながりで、チェコ人なら必ず持っている身分証明書を表すオプチャンスキー・プルーカス(občanský průkaz)は、男性形なのに、略語にするとオプチャンカ(občanka)と女性名詞になることに気づいてしまった。どうして、オプチャークとか、オプチャニャークにならなかったのかとは、覚えやすくなるように、こういうのにルールを求めてしまう外国人のチェコ語学習者の性である。
 他にもあれこれ思い出してみると、略称は中性名詞になりにくいのか、バスターミナルを表すアウトブソベー・ナードラジー(autobusové nádraží)がアウトブサーク(autobusák)、プラハのバーツラフ広場(Václavské náměstí)が、バーツラバーク(Václavák)、旧市街広場(Staroměstské náměstí)がスタロマーク(Staromák)といずれも略称が男性名詞になってしまう。

 この手の略称というものは、普通の授業なんかでは取り上げられることは少ないのだけど、ある程度チェコ語ができるようになって、チェコ語でしゃべっていると、チェコ人たちは、自分たちが普段使っている言葉だから知っているだろうと、普通に使い始めるのだ。もとになる表現に使われている形容詞は想像できるので、何に関係があるかぐらいはわかるのだが、具体的に何をさすかとなると説明してもらわなければわからない。上にも書いたような名詞の性が一致するなんてルールでもあれば、想定もしやすくなるのだけど、言葉の変化に際して、外国人が勉強しやすいようになんてことを考えてくれるわけはないからなあ。くやしいので、何か新しい略語を作って広めてチェコ語にしてやる。
10月2日17時。


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