2016年09月06日
新生チェコ代表(九月三日)
八月晦日に行なわれた新しいチェコ代表の最初の試合は、メンバーはほぼ代表経験者だったが、内容はなかなか新鮮で、チェコ代表ファンとしては嬉しい驚きだった。ヤロリームというと、スラビアでチェコリーグを連覇するチームを作り上げたことよりも、その後さらにチームを改造しようとして崩壊させてしまったときの印象が強いのだけど、やはりチームを作り上げる能力はあるのだ。
何よりも、素晴らしかったのは、親善試合で交代人数は両チームの相談で決めることができるのを活用して、前半と後半で11人全員を入れ替えたことだ。ワールドカップの予選前の唯一の親善試合だったので、できるだけ多くの選手を試したかったという事情はあるにしても、ここまで思い切ったことをするとは想像もしていなかった。
以前のU21代表の監督、ドバリルも親善試合では、選手を一気に入れかえることが多かったのだが、それでも、大抵は先発の選手たちに60分ぐらいまでプレーさせて、そこで数人代えるという形だった。どちらかというと、2004年のEUROのグループステージで、二勝して勝ちぬけが決まった後の三戦目で選手をほぼ完全に入れ替えたブリュックネルのやり口に近いのかもしれない。チェコが苦手なワールドカップの予選ではあるけど、期待してもいいような気がしてきた。
フランスでのEUROでは疲れきった印象を与えていた選手たちも、夏の休暇を終えてリフレッシュしたのか、颯爽としたプレーぶりっだった。EUROの代表でも、調子のいい選手を集めた監督の目がよかったということかな。代表復帰組も復帰を喜ぶかのように元気に走り回っていたし。
まだまだパスが後ろにずれたり、お互いの意思がかみ合わずにパスが通らなかったりというシーンはあったが、EUROのときのパスが遅すぎてゆるすぎて届かないというシーンがなかったのは、見ている側にとっては心臓に優しかった。DFは相変わらずカウンターに対する対策に課題を残したけれども、相手のミスにも助けられて、無失点に抑えた。ブルバのときは完封なんてほぼありえなかったからなあ。
相手のアルメニアが、フランスでのEURO2016の予選で、勝ち点2しか取れなかった惨敗から再建中という事情はあるにしても、前半の二点だけでなく、後半にも得点を重ねて3対0で勝ちきったというのは大きい。この調子が明日日曜の北アイルランドとの試合でも継続できればいいのだけど。
今までも、親善試合ではそこそこの内容で快勝して、予選の本戦では内容も結果もぐだぐだなんてのを、ブリュックネル以後には何度も見せられてきたから、ヤロリーム監督に、本当に期待するかどうかは明日の試合を見てから決めることにしよう。
怪我のシボクが復帰したら、またシボク―カドレツのベテランコンビになるのかと思っていたセンターバックだが、ヤロリームが柱として考えているのはスヒーのようだ。スラビアで若き日のスヒーを抜擢して、チャンピオンズリーグでも出場させて国外移籍への道を開いたのがヤロリームだったのだった。ブリュックネルがU21代表から引き上げたロゼフナルを、代表の中心選手に育て上げたように、ヤロリームにはスヒーを、できればカラスも、柱となるセンターバックに育て上げてほしいところだ。
他に気になった選手としては、スパルタに帰ってきたV.カドレツと、プルゼニュで開幕以来唯一好調を保っているといってもいいコピツだろうか。この二人が、アルメニアとの試合のような出来を続けてくれれば、代表の得点力不足も快勝されると思うのだけど。
北アイルランドとの試合の前にあげられるようなタイミングで書けばよかったのだけど、サッカーチェコ代表よりは、チャースラフスカーのほうがはるかに重いのである。
追加で召集されたプルゼニュのホジャバが、軽い怪我で使えないことが判明し、代役の代役でオロモウツ育ちで現ヤブロネツ所属のポスピーシルが招集された。それから、EURO前の韓国との親善試合でレッドカードをもらって退場したゲブレセラシエが、アルメニアとの親善試合に出場停止だったのでスパルタのザフステルが召集されて出場した。親善試合でもらったカードや出場停止が、親善試合に持ち越されていくというのは知らなかった。
9月4日16時。
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