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2016年08月28日

敗北宣言(四)(八月廿五日)



 三の続きである。

 深夜から朝にかけて行われることの多かった陸上競技は、マラソンを除いて見なかった。見なかったなのか、見られなかったなのかが問題なのだけど、どちらかと言えば見られなかっただろうか。やり投げとか見たかったし。

 女子やり投げでは、北京とロンドンで優勝したバルボラ・シュポターコバーの三連覇が期待されていたのだけど、三位に終わった。今シーズンここまで怪我などで調子が上がっていなかったようなので、よくぞここまでオリンピックに調子を合わせてきたというところか。二大会連続優勝の経験は伊達ではないことを証明してくれた。
 シュポターコバーもロンドンの後にコーチを変えたり、コーチなしで自分で練習メニューを組み立てて練習したり、試行錯誤を繰り返していた。子供が生まれてからは、男子選手たちのようにトレーニングキャンプや試合の出場で家をあけっぱなしというわけにもいかないようで、できる限り国内でトレーニングを積もうとしているのかな。この人にはぜひ女性版の鉄人ジェレズニーとなって、もうしばらく世界の女子やり投げ界に君臨してほしいものだ。それよりもダナ・ザートプコバーの後継者のほうが似合うかな。

 一方、鉄人ジェレズニーの弟子たちはというと、三人オリンピックに出場しただけでもすごいというのに、三人とも予選を突破して決勝にコマを進めた。一つの種目でチェコ人が三人決勝に進出するのは初めてのことだという(三人出場はロンドンで達成済み)。予選が終わったときには、そのうちの一人ビーテスラフ・ベセリーが、直訳すると「ジェレズニャークの果物だね」なんて言っていた。ジェレズニーの指導の賜物といったところだろうか。
 しかし、しかしである。決勝では、三人とも本領を発揮することができず、ペトル・フリドリフは三回投げて最下位で、上位八人に残れず、ベセリーとヤクプ・バドレイフは、八人には残ったものの順位を上げることができずに、七位と八位に終わった。ベセリーは世界選手権では優勝した経験があるとはいうもののオリンピックではメダルを取ったことがなかったし、その経験がシュポターコバーとの違いになっていたのかな。

 実はリオ・オリンピックが始まる前に、ロンドンオリンピックのやり投げでメダルを取った選手のドーピングが発覚して、ベセリーはリオでロンドンの銅メダルを授与されたらしい。こういう試合が終わって何年もたってからメダルを授与されるのって、選手としてはどんな気持ちなのだろうか。同じように今回アテネ・オリンピックの銅メダルを十二年ぶりに獲得した円盤投げのビェラ・ツェフロバーは感動で涙を流していたけれども、この人はすでに引退して久しい。現役選手の本音を聞いてみたいところである。
 見ている側としては、正直な話、実はあの時のオリンピックはこの人がメダリストでしたなんてことを言われても、ピンと来ないというか、どうでもいいというか、盛り上がりに欠けてしまう。ツール・ド・フランスのアームストロングの優勝剥奪の後は、どうなったのだったか。あれも当時はアームストロングが優勝だったけど実は優勝者はこの人ですとか言われても、今更過ぎてどうでもいいと思ってしまうよなあ。
 ドーピング問題も、難しい問題ではあるのだろうけど、ここらで抜本的な対策を打っておかないと取り返しのつかないことになるって、すでに取り返しのつかないことになっているのだろうか。その意味で、ドーピングは一度で永久追放というのも、運用の仕方も含めて検討したほうがいい時代に来ているのかもしれない。

 残りの陸上競技では、ヤクプ・ホルシャとパベル・マスラークの1500m走と400m走に期待していたのだけど、二人とも準決勝で敗退し決勝に進むこともできなかった。残念。どちらかが、レースの時間が遅すぎて寒かったと運営に不満を述べていたけれども、ヨーロッパで見ている側としても、向こうの時間の夕方から夜にかけてレースをやってほしかったと思う。
 ズザナ・ヘイノバーとデニサ・ロソロバーの二人が出場して期待された女子の400m障害は、ヘイノバーがメダルまであと一歩の四位。チェコ語で言う「ブランボロバー・メダイレ」つまりジャガイモメダルに終わった。この人も怪我で今シーズンはあまりレースに出られていなかったみたいである。

 ところで、今回のリオ・オリンピックは、ヘルシンキ・オリンピックでエミル・ザートペクが長距離三冠を獲得して60年目の大会だということで、チェコチームのテーマはザートペクで、公式のジャージなんかにもザートペクの絵が描かれていた。この絵は、ファンにサインを求められたときにザートペクが描いたザートペク夫妻のうちザートペク本人の部分をモチーフにしているらしい。天井からザートペクの足が生えていて動いているオブジェはやめてくれだったけれども、Tシャツやジャージなんかにあしらわれているこの絵には、不覚にもちょっとほしいと思ってしまった。
 それなのに、と言うのが正しいかどうかはわからないが、今回のリオ・オリンピックの陸上の長距離種目に出場した選手は、女子マラソンのエバ・ニーブルトバーしかいない。ニーブルトバーも生粋の陸上選手ではなく本職はノルディックスキーのクロスカントリーである。だから、ザートペクを生んだチェコの長距離界には、オリンピックに出られるレベルの選手が一人もいないというのが、ヘルシンキ60年目の現実なのだ。
 かつてチャースラフスカーを擁した体操も、今となっては見る影もないし、現在のところは世界レベルを維持しているやり投げや、十種競技が長距離の後を追わないように祈っておこう。
8月26日15時30分。




桜色の魂 チャスラフスカはなぜ日本人を50年も愛したのか




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