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2021年02月24日

愚者どもの宴(二月十八日)



 二月十八日は、本来であればチェコのサッカー界において、今シーズン最高の一日になるはずだった。ヨーロッパリーグでスラビアがイングランドのレスターと、ホームのエデンのスタジアムで対戦することになっていたのである。それが、チームのボスのトブルディークが主導した愚行によって、試合の内容とは関係なく後味の悪いものになってしまった。
 スラビアとイングランドのチームの対戦というと、二年前のヨーロッパリーグの準々決勝におけるチェルシーとの対戦が思い起こされる。あのときは、ホームのエデンで善戦したものの点が取れずに0−1で負けた後、イングランドでも3−4で負けて敗退したのだった。二試合とも勝てなかったとはいえ、見られてよかったと思えるいい試合だった。今年もイングランドリーグで上位につけるレスター相手に同じような大健闘が期待されていたのである。無観客での試合になるはずだから、あのときほどの盛り上がりにはならないだろうけど。

 しかし、このレスターとの試合、プラハでの開催が危ぶまれていた。現在チェコではイギリスからの入国を禁止しており、試合が開催されるためには厚生省から規制の例外として許可を得る必要があったのである。実際、オーストリアでは例外が認められず、この日オーストリアのチームのイングランドのチームとの試合が、ハンガリーで行われている。チェコでは幸いにして例外が認められ試合は行われたが、この例外許可がまた試合後に物議をかもすことになる。
 テレビをつけて会場からの中継が始まってすぐに、無観客試合とは思えない量の歓声が聞こえてくることに驚いた。ボサーク師匠の話では、チームのスポンサーに対して特例で入場が認められたとかいうことだったのだが、実際はそんなまともなものではなかった。いわゆるVIP席で試合を見て大騒ぎしていたのは、スポンサー関係もいたのだろうけど、トブルディークによって選別され招待されたチェコの政財界の有力者が中心だったのだ。

 政界からは、ゼマン大統領の穢れた右腕ことミナーシュ氏とその夫人、それに市民民主党のEU議会議員のボンドラ氏。チェコテレビの社長がいたのは自局が中継する試合を確認という名目があるのかもしれないが、厚生省の役人でこの試合に例外的に開催許可を与えたとされる人物がいたのはどうなのだろう。本人は自分が開催許可を与えることを決めた試合の運営状況を確認するのは職務の一つであるとか言っていたけど。
 それよりも何よりも最悪で、言い訳のしようもないのは、自ら決めた規制を自ら破ったことが発覚して辞任を余儀なくされたプリムラ元厚生大臣が観戦していたことである。特に、当日の昼間にチェコテレビで現状では国全体を完全にロックダウンするしかないと発言していたのに、自分自身はサッカー観戦に出かけていたことが、強く批判されている。バビシュ首相もこのニュースを受けて、プリムラ氏をスタッフから解任すると発表している。ただし、それが本当かどうかは確認できない。

 試合後流れてきたニュースによれば、スラビアは試合の開催と同時に、観客を入れるための実験プロジェクトとして、観客を600人まで入れる許可を得ていたらしい。ただし、その事実が公表されたのは当日の日中で、試合前のPCR検査で陰性が確認された人だけが入場できることをトブルディークがSNSで発表したものの、その時間から希望者を募集できるわけもなく、選ばれた有力者だけに声をかけたということなのだろう。その呼びかけに応じた人が当日に話を聞いて検査と観戦に出向いたとも思えないから、事前に例外として観客が入れられることがわかっていて招待客には連絡していたのに、時間がなかったことを言い訳にするために、当日になって発表したとしか思えない。
 トブルディークとボンドラEU議員は、政財界の有力者ではなく、現場で働く医師や看護師たちを招待するべきだったとか言って謝罪したけれども、現場の厳しさを知っている人たちが、こんなイベントに嬉々として参加するとも思えない。それなら入場権をオークションにでもかけて収益を病院に寄付したほうがはるかにましだったというものである。

 試合のほうは、特に前半はいい試合で、スラビアが頑張って0−0の引き分けに終わった。スラビアにとっては久しぶりのイングランドのチームからの勝ち点獲得ということで、イングランドでの二試合目に期待が持てそうだといいたいのだけど、そんなのを全てぶち壊しにしたのが、いないはずの観客を巡るスキャンダルだった。本来は、国内のリーグ戦でも少しずつ当日の検査で陰性を確認した少数の観客だけを入れるという計画があったようだが、それもすぐには実行には移されないだろう。
 こんな事件が起こると、これまでの三人の厚生大臣の中で、一番ましだったのは実は最初のボイレフ氏だったのではないかという疑問も出てくる。今の大臣一人で空回りしているし、プリムラ氏は自分の決めた規制を守らないし……。そのボイテフ氏は、フィンランドの大使に就任することが決まったらしい。議員辞職したのかね。大臣在任中のあれこれについて沈黙を守るかわりに与えられた報酬ということか。ANOも既存の政党と変わらなくなってきたなあ。
2021年2月23日12時30分。












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