2020年12月22日
検査を巡る混乱(十二月十九日)
十二月に入って、学校の先生たちが優先的に受けられるようになっていたアンチゲンと呼ばれる簡易型の感染検査だが、本来の昨日の金曜日からの予定を前倒しして、水曜日から一般の人にも解放された。政府の説明では、教育関係者以外の希望が多く、予約システムがいっぱいになっているからだということになっているが、教室に生徒のいない学校の先生たちの多くが、学校を抜け出してまで検査を受ける必要性を認めず、検査数が増えなかったこともその原因ではないかと見ている。もちろん学校全体で検査を受けたなんてところもあるようだけどさ。
その一般に開放された検査は、事前に受付を開始した予約システムからして混乱していた。厚生省の発表では、全国統一の予約システムを構築して、居住地、検査を受ける場所に関らず、同じサイトから予約できるようにするということだったのだが、その発表がでた時点で、いくつかの検査機関では、独自の予約システムが稼動しており、予約の受付を開始していた。恐らくは先生たちを検査するに当たって導入したシステムを継続して使用したのだろうと思うが、この辺にも政府、厚生省側の準備不足が如実に現れていた。
そして、実際に検査が始まった水曜日以降、それ以前の先生たちを対象にした検査のときには、人数が少なかったおかげか、予約システムが見事に機能して行列などできてなかったのだが、検査会場の前には長蛇の列ができることになった。原因としては、予約した時間に来ない人が多いことがあげられていたが、行列の長さを見るとそれだけとは思えない。一回の検査に想定以上に時間がかかっているのか、予定を変えて予約なしの人の検査も受け入れているのか。
検査が終わった人たちは、こんなに時間がかかるとは思わなかったと口を揃えていたが、暖冬とはいえ、寒空の下行列を作って検査を待つのが健康にいいとは思えない。それに外出といえば職場と自宅を往復するだけで、他人とはほぼ会わない生活をしている人間からすると、感染を恐れるわけではないけれども、検査を受けにいって行列するほうが感染の恐れが高そうだ。受ける人たちは安心してクリスマスに家族と会うためなんて言っているけれども、今日の陰性が来週の陰性を担保するものではないのだけどねえ。
逆に陽性の結果が、必ずしも本当に陽性ではないことを示したのが、サッカーのスラビア・プラハを巡る混乱だった。スラビアは、水曜日のズリーンでの試合前に行われた定例の検査で、一度に九人もの選手が陽性だと判定されたことで、プラハの保健所から活動停止を命じられ、ズリーンとの試合は延期されることになった。
ヨーロッパリーグの試合もあって、毎週最低二回は検査を行ってきたスラビアで一度にこれだけの感染者が出るのは納得行かないとオーナーのトブルディーク氏は主張していたが、活動停止自体は受け入れた。その後、陽性と判定された選手のうちの二人が、家族全員で別の検査機関で検査を受けたところ選手本人も含めて全員陰性だという判定が出た。
それで、スラビアでは改めてAチームの選手、スタッフ全員の再検査を行うことを決め、先に陽性だと判定した検査機関とは別の検査機関で、しかも念には念を入れて二つの機関で検査を受けたらしい。その結果は、どちらの機関でも、陽性の判定を受けていた選手も含めて全員が陰性の判定で、プラハの保健所も活動停止の命令を撤回した。明日の日曜日のボヘミアンズとのプラハ小ダービーは予定通り開催されることになった。
それにしても、最初の陽性判定は何だったのだろう。単なる誤判定だったのか、機械が狂っていたのか。とまれ、検査でこれだけの混乱を巻き起こしている現状を考えると、早ければ来年早々にも始まるとされるワクチンの接種も大変なことになりそうだなあ。政府、厚生省の準備不足が医療現場に負担を強いることになるのは間違いない。外国人が受けられるのかどうかは知らんけど、現場に負担をかけるのも申し訳ないから、受けられるとしても遠慮しておこう。
2020年12月20日24時30分。
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