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2020年10月26日

さすがチェコ(十月廿三日)



 昼ごろだっただろうか、衝撃的なニュースが飛び込んできた。衝撃的ではあったけれども、同時にチェコだからなあとか、きわめてチェコ的だという印象を持ったことは否定できない。鳴り物入りで任命され、武漢風邪の流行を押さえ込むことを期待されたプリムラ厚生大臣が、就任からわずか一ヶ月ほどで解任される可能性が高いというのである。
 原因は、「ブレスク」という夕刊紙が公表した写真にある。その写真は水曜日の深夜に撮影されたもので、プラハのビシェフラットにあるレストランから出てくるプリムラ氏と、ANOのナンバー2であるファルティーネク氏の姿を捉えていた。プリムラ氏に至ってはマスクも着用していなかったのである。

 プリムラ厚生大臣の主導する感染症対策で、レストランは通常の営業を禁止され、持ち帰りようの食事の販売しかできなくなって久しい。それも午後8時までしか許されていないのである。それなのに禁止したはずの厚生大臣が、規則を破って営業していたとしか思えないレストランから深夜に出てくるのはどういうことなのか。それに、屋外でのマスク着用も水曜日の朝から義務化されていたはずである。
 プリムラ氏は、繰り返し人々が武漢風邪を軽く考えるようになって、規制を守らないのが感染症の拡大に歯止めをかけられない最大の原因だと言うのだが、図らずも本人がその実例を示すことになってしまった。深刻な表情で対策を発表していながら、実はそんな対策は不要だと考えていたのか、自らを特別視して自分は規制を守らなくてもいいと考えたのか、いずれにしてもきわめてチェコ的な、チェコの政治家にありがちな振る舞いである。

 この写真の発表を受けて、さすがにバビシュ首相も庇うことはできず、プリムラ氏に辞任を求め、辞任しないなら解任すると最後通牒を突きつけた。朝の時点では辞任の可能性をほのめかしたプリムラ氏が辞任を拒否すると、バビシュ氏はゼマン大統領に解任を求める手続きを取った。しかし、プリムラ氏の任命は即日行ったゼマン大統領だが、今回は即刻の解任を認めず来週の火曜日まで時間を求めた。鍼灸などの中国の伝統的な医療のチェコへの導入の推進役だったプリムラ氏は、中華共産帝国に朝貢するゼマン大統領とは相性がよく、大統領が解任を拒否する可能性もありそうだ。
 バビシュ首相は、すでに後任の人選を進め、候補者とされるブルノの病院の小児病棟の長と交渉を済ませており、来週の木曜日には信任の厚生大臣を発表したいと考えているようである。もともとは即刻解任、即刻任命をもくろんでいたのが、ゼマン大統領の反対にあって計画変更を余儀なくされたのである。対策に遅れが出る可能性もあるけど、できる限り規制の強化をしたところで結果が出るのを待つ時期なのは不幸中の幸いである。

 もう一方の当事者であるファルティーネク氏は、自分の非を認めてANO党の役職、副党首だったかなを辞任した。同時にカルビナー地方で行われることが計画されている全住民の検査の計画について事情を聞いていたのだと説明をした。疑問なのは、どうして水曜日の深夜という時間に、プラハの閉鎖されているはずのレストランで会合を行ったのかということだが、納得のいく説明はなされていない。その後オストラバの病院の院長も同席していることが明らかにされたが、それが深夜の会合の理由になるとは思えない。

 ちなみにプリムラ氏が辞任を拒否している理由は、規制違反は一つもしていないというものである。言い訳を聞いてもレストランの営業については、どう考えているのかよくわからないのだが、マスクを着用していなかった理由については、他の人と2メートル以上はなれていたから問題ないのだという。
 確かに屋外でのマスクについては、人間距離が2メートル以上とれない場合という条件が付いているのだった。しかし、写真を見ると2メートル以内に誰かいるようにも見えるし、人とすれ違う機会の多い街中を歩くときには、瞬間的に周りに人がいなくてもマスクを着用することを勧めるという話もあったはずなんだけどなあ。

 バビシュ首相は、自分が選んだ部下達に足を引っ張られていると思っているのかもしれないが、チェコの武漢風邪流行を軽視する風潮を産んだのは、明らかに夏の政府の無対応だった。バビシュ首相自身、バカンスはチェコ国内でなどというキャンペーンを実施しながら、自分は国外に出かけていたのだから自業自得である。
 それにしても、久しぶりに流石チェコ、やってくれるぜと思わせてくれる事件が起こって、ちょっと嬉しい。
2020年10月24日17時30分









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