2020年05月21日
半自宅監禁日記(五月十八日)
今日から非常事態宣言なしの生活が始まるのだけど、規制の緩和が進んだわけではなく、レストランやホテルの営業再開も、マスクの着用義務の解除も来週の月曜日まで待たなければならない。ということで、ちょっとだけ記事の題名を変更した。二ヶ月近くもこのスタイルで文章を書いていると、規制がすべて解除されて、日常生活が戻ってきた後、かつての毎日テーマを決めて文章を書くというスタイルに戻れるかどうか不安である。
たまに確認のために自分のブログを見て、カテゴリー別に表示をさせるのだけど、中途半端なところで止まっている「企画」が山のようにあるのに頭を抱えてしまう。思いつきで始めて、思い付きがきれたところで中断させてしまい、始めたこと自体を忘れる悪癖はなかなか直らない。三つ子の魂百までという奴で、ブログが続いていることが不思議で仕方がない。
それはともかく、イタリアから驚きのニュースが入ってきた。六月の初めに国境の閉鎖を解いて、出入国を条件付で認めることを決めたというのだ。これは、観光業が国の最大の産業のひとつであるイタリアで夏の観光シーズンを失うことは、国家財政の破綻を意味しており、それを避けるためにも本格的なシーズンの開幕前にホテルやレストランなどの観光資源の営業を再開しておく必要があったのだろう。
状況はいい方向に向かっているとはいえ、完全に流行が終息に向かっているわけでもない現状で、こういう決定を下せるというのは、その決定が本当に正しいかどうかは時間がたたないとわからないわけだけども、政治家の力量を感じさせる。完全に終結するまで規制を解除しないというのであれば政治家など不要である。
ドイツでも流行が完全に終息したわけでもないのに、サッカーリーグが再開されたし、チェコでも今週末から再開の予定である。娯楽としてのプロスポーツが無観客であれ行われているというのは、そのスポーツのファンだけでなく、国民全体の精神の安定に寄与するはずである。だから、ドイツでは選手の中から感染者がでも再開が延期されることはなかったし、チェコでもムラダー・ボレスラフの選手が陽性だと判定されたようだが、現時点で再開を延期する予定はない。
チェコではすでに一部のマイナースポーツの大会は開催されている。11日の規制緩和で100人以下のイベントが解禁された結果、オロモウツの近くで30人ほどの選手を集めて、自転車のロードレースのタイムトライアルが行われた。大会関係者などの存在を考えると、出場選手がこれくらいというのが上限になるのだろうか。国外のチームに所属するような選手たちは参加しなかったが、国内的には大物選手も何人か出場していたようである。
自転車競技界は、人が集まっての大会が禁止されていた時期から、知恵を絞ってネット上でアマチュアも参加できる大会を開催していた。それは流行のシミュレーターを使ったものではなく、チェコ各地に同じ距離で同じような難易度のコースを何箇所か設定して、出場登録した人が自分の都合のいいときに走って、タイムを計測するという方式で行われていたようだ。特別なアプリケーションを使ってタイムを計測しそのまま結果として登録されるんだったかな。コースはロードレースではなく、マウンテンバイクかシクロクロス用だったと思う。
チャリティーも兼ねた企画だったので、誰が優勝したとか、どこのコースのタイムがよかったとか、そんなことはどうでもよく、参加者達は自分のタイムと他の出場者のタイムを比べて満足していたようだ。そんな努力がイベント解禁とほぼ同時に実際のレースを開催できることにつながったのだろう。大会関係者の数も普通のレースよりは減らしていただろうし、準備も大変だったに違いない。
翻って、日本の状況を見ると、政治が決断しないもんだから、ほとんどのイベントが夏や秋のまだまだ時間があるものでさえ中止を決め始めている。夏の甲子園さえ中止の可能性が高いというのだから困ったものである。高校野球だから特別扱いして開催しろというつもりはない。高校野球ですら開催できないとなると、あらゆるイベントが自粛の名の元に中止を強要される事態に陥りかねないのを危惧するだけである。
原子力発電所の放射線もそうだが、この世界に100パーセント安全だなんてことはありえないのである。それならば、100パーセントを求める人たちには、勝手に自粛と自主隔離を継続させることにして、規制を解除する決断をするのが政府の仕事のはずなのだけど……。自粛好きは声が大きいから、衆愚政治の現政権では無視するのは難しいのかなあ。そんなに自粛が好きなら声出すのも自粛しろといいたくなるけどね。
マスコミの好きなヨーロッパ規準で言えば、今の日本の感染者数の動向は、規制を解除する理由にはなっても、継続する理由にはならない。人口が十分の一の以下のチェコでも毎日何十人かの新しい患者が確認されている。それでも規制解除の動きは止まらないし、今後も全国的な規制は導入せずに局地的な規制で対応する方針のようだ。新しい患者の増加が大きくなっているのは、西ボヘミアのヘプ地方や、オストラバの近くの炭鉱などで局地的な集団感染が発生しているせいで、それを理由に全国的な規制を導入してもしょうがないのである。
2020年5月18日9時。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/
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