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2020年05月08日

自宅監禁日記(五月五日)



 日本にいたら子供の日で祝日だけど、チェコにはそんなものはないので普通の平日である。普通のとはいっても非常事態宣言下なので自宅にいる人の数は多いだろうけど、以前の外出禁止に関する規制が厳しかったころに比べると、街で見かける人の数は増えている。とはいえ、営業を再開したお店に入る客はまだそれほど多くないのか、昨日職場への行き帰りに、例のおっちゃんの店の前を通ったら、入り口のところに暇そうに立っていた。営業再開できたからといって万万歳というわけにはいかないのだろう。

 感染者のほうも、以前ほどではないとはいえ増え続けていて、7900人に近づきつつある。救いは完治した人の数が4000人ほどと、感染者数の半分を超えたことである。オロモウツ地方では、最近は感染者の数はほとんど増えておらず、治療中の人の数が200人を切っているから、全感染者の三分の一以下、四分の一に近づきつつあり、治療中の人の数として一番多かった時期の半分以下になっている。他の地方におけるこの手のデータは知らないけれども、チェコの中でも一番感染症の撲滅に近いのがオロモウツ地方ではないかと考えている。
 逆に対策がうまく行っていないのか、感染者が増え続けているのが、カルロビ・バリ地方を中心とした西ボヘミアで、新たな感染者の大部分がこの地方での増加らしい。ドイツとの国境地帯だというのが原因なんだろうなあ。規律正しい、ドイツ好きの日本人がドイツ人に対して持っているステレオタイプに当てはまるドイツ人がいないとは言わないけれどもね、日本でもステレオタイプ的な日本人が絶滅の危機に瀕しているのと同様である。

 今日のニュースでは、非常事態宣言が切れた後も、一部店舗やホテルなどの営業禁止が継続できるようにするための方法として、厚生大臣の権限を期間限定で強化するという案が政府で検討中というのが報じられた。現在のコロナウイルスの流行と、秋にも来るといわれている第二波に関してのみ、厚生大臣の権限を強めて、店舗の営業禁止などの対策を決定できるようにしようというのが、新たな安のようである。
 これには、最初の期限なしという案に対しては、懐疑を示して賛成しなかった社会民主党も、賛成してもいいようなことを言っている。いずれにしても、野党の言うことが正しく、政府が政府内で意見の統一を図ることなくあれこれ情報をマスコミに垂れ流すのがよくな。直接話し合えばいいことを、マスコミ経由、SNS経由でやり取りするから、まとまる話もまとまらなくなる。相手の失態を期待して、あえてまとまらないようにしている可能性もあるか。

 もう一つの大きなニュースとしては、チェコのコロナウイルス対策を変えたとも言われるプラハのタクシー運転手が、生命の危機を乗り越えて快復し退院したというのがあった。この人チェコで最初の感染者ではなかったが、最初のチェコ国内で感染した人物で、感染の経路がわからなかったことから、国内で感染の輪が広がりつつあることが予想された。それで、学校の閉鎖や、国境の封鎖などの厳しい封じ込め対策がとられるようになったのである。
 その後症状が悪化し、集中治療室に入れられ生命維持装置につながれるまでになっていたのだが、アメリカの未承認薬レンディシビル(違うかも)の投与を受けて快復し、退院に至った。治験の一環として例外的に投与が認められたものの、アメリカから薬が届くのに時間がかかって、投与が認められたというニュースから、実際に投与されたというニュースまでかなり時間がかかったのを覚えている。

 退院とは言っても完全に体力まで快復したわけではないようで、自宅までは救急車で運ばれ隊員の手を借りながら家の中に入っていた。これからもリハビリの日々が続くのだろう。将来については、タクシーの運転手は辞めて、今回お世話になった医療関係者に恩返しできるような仕事がしたいと語っていた。ドライバーとしての経験を生かして血液を運ぶ仕事とかいっていたような気がするけど、具体的にどんな仕事を考えているのかはわからない。
 それはともかく、この緊急事態宣言の象徴ともいえるこの人が、病気から快復して退院したというニュースは歓迎すべきものである。この退院がチェコにおけるコロナウイルス流行の終焉を象徴するものとなってくれることを願ってやまない。
2020年5月5日24時。






https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/









posted by olomoučan at 06:52| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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