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2020年01月17日

ハンドボールヨーロッパ選手権2020男子(正月十四日)



 去年の12月には、熊本で女子の世界選手権が行なわれたのだが、1月は、男子の、今年はヨーロッパ選手権が行われる。残念ながらチェコテレビはヨーロッパ選手権の放映権を持っていないので、テレビで見ることはできないのだが、チェコ代表が出ている以上は可能な限り試合の経過を追いかけるのは当然というものである。
 ハンドボールというスポーツは大会のたびに、フォーマットが微妙に変わってみるものを混乱させるのだが、ヨーロッパ選手権は今大会から大きく変わった。一つは出場国が24に拡大されたことで、ヨーロッパの国の数を考えるとほぼ半数の国が出場できるということになりそうだ。もう一つは、3カ国の共同開催で、これまでの共同開催が二カ国でそれも隣接する国で行われてきたのに対して、今回はノルウェーとスウェーデンというスカンジナビアの二国に、オーストリアという組み合わせになっている。

 日本では全く話題になっていないだろうから、出場国をグループごとに紹介しておくと以下の通り。まだ試合の残っているE組以外はグループステージの終了後の順位で並べてある。

 A:クロアチア、ベラルーシ、モンテネグロ、セルビア
 B:オーストリア、チェコ、北マケドニア、ウクライナ
 C:スペイン、ドイツ、オランダ、ラトビア
 D:ノルウェー、ポルトガル、フランス、ボスニア・ヘルツェゴビナ
 E:アイスランド、ハンガリー、デンマーク、ロシア
 F:スロベニア、スウェーデン、スイス、ポーランド

 このうち、グループAとBがオーストリア、CとDがノルウェー、EとFがスウェーデンで試合が行なわれる。ぱっと見て思うのは、開催国に配慮した結果、開催国のいない組の勝ちぬけが大変そうだというもの。グループEなんてどこが勝ち抜けるんだろう。大会前には予想もつかなかった。現時点でアイスランドの勝ち抜けとロシアの敗退が決まっている。
 他のグループで意外な結果になったのは、ポルトガルが勝ち抜けてフランスの敗退が決まったグループDだろうか。旧ユーゴスラビアからの独立国が、コソボ以外の6つ全て出場していて、勝ち抜けたのが、バルカンハンドボールの汚染度の低いスロベニアとクロアチアの2つだけというのも意外な結果である。

 では、我らがチェコ代表の入ったグループBはというと、大会前は英雄ラザロフのいる北マケドニアが一番強いのではないかと予想していた。オーストリアとチェコは、以前から親善試合で対戦すると地元のチームが勝つことが多かったので、今回もオーストリアは開催国だし、チェコは勝てそうもないと考えて、ウクライナと強敵北マケドニアに勝つのが勝ちぬけの条件で実現は難しいのではないかと見ていた。

 それが、フタをあけてみたら、北マケドニアが意外と強くなかった。初戦でグループ最弱と目されていたウクライナに勝ちはしたものの1点差。チェコはオーストリア相手に前半を1点リードで終えたものの、後半に入って逆転され終盤に突き放されて29−32と3点差で負けてしまった。後半の30分で19点も失点しているということは、キーパーも含めたディフェンスに問題があったのだろう。出場したキーパーのムルクバがこんなにシュートを止められなかった試合は始めてだと嘆いていた。
 二試合目の北マケドニアとの試合では、逆に前半2点差で負けていたのを、後半に入って逆転し、27−25と2点差で勝って得失点差を−1にした。後半に入って左利きのカシュパーレクのシュートが決まるようになったのが大きかったようだ。北マケドニアのラザロフは11得点と活躍したけれども、他の選手のシュートが決まらず、もしくはチェコのキーパーのガリアがゴールにフタをしたおかげで勝ちきることができた。

 ウクライナとオーストリアの試合は予想通りオーストリアが圧勝。この時点で全チームに勝ちぬけの可能性が残されていた。チェコがウクライナに勝つことを前提にすると、オーストリアが北マケドニアに勝った場合には、点差にかかわらずチェコの勝ちぬけが決定、負けた場合には、2点差から4点差の場合には得失点差で敗退が決定するという状況だった。オーストリアの試合の方が先に行なわれるため、試合前に敗退が決定する可能性もあったのである。
 幸い、オーストリアは後半の途中までは接戦を演じていたけれども、最後に突き放して4点差で勝ってくれた。これであとはチェコが勝つだけである。負けた場合も点差によっては勝ちぬけの可能性があるらしいが、きっちり勝ってほしいところである。この試合も前半1点差で負けていたのを、後半ひっくり返して23−19で勝った。あっさり勝ち抜け決定である。勝った試合はキーパーも含めたディフェンスが堅かったようだ。

 次のステージがどうなっているのかはまだ確認していないが、とりあえず最悪でも12位以内に入ることが決まった。前回のヨーロッパ選手権はベテランのズドラーハラが得点王になる大活躍で、過去最高の6位に入っている。今回はその再現は難しそうだが、なんとか一桁の順位に入ってくれないものだろうか。久しぶりに登場したヨーロッパレベルで通用するポストのペトロフスキーが怪我で欠場しているのが痛いよなあ。
 次は12チームだし、二次グループかな。その結果がでたときか、チェコ代表がセンザツェを起こしたときにまたハンドボールを取り上げることにしよう。
2020年1月15日14時。










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