2019年09月04日
夏の終わり(九月二日)
4月だったか、5月だったかに、すでに書いたが、今年は例年以上に気温の上下変動の幅が大きい。6月の終わりから7月初めにかけての連日30度を超える日々が終わり、最高気温が20度ちょっとの日が続いたときには、このまま涼しくなって秋が来るのだろうと、期待したのだが、それから何度も暑さのぶり返しに期待を裏切られ、9月に入って昨日までは、30度を超える真夏日だった。
7月の後半だっただろうか、以前ズボンを何本か買ったEショップから、割引のクーポンが届いていて、しかも麻の夏物のズボンがあったから、暑い日が続いた時期には、このままでは洗濯とアイロンで履くものがなくなるから、買ってしまおうと思っていたのだが、涼しい日が続いてこれなら今年は乗り切れるかもと迷っているうちに、クーポンの有効期限が切れてしまった。
切れてしまった後に、またまた暑い日がやってきて、OPプロスチェヨフの夏物のズボンも、10年以上の時を経て、そろそろ寿命が近づいているし、買っておくべきだったと後悔させられた。やっぱ、買い物苦手だし下手なのである。
休暇中はともかく、半ズボンで職場に出るのは避けたいのだが、節を曲げて来客の予定のない日は半ズボンを履くことで、何とかごまかしていたら、今日突然気温が下がって、最高気温が20度ほどになるという。これなら夏物ではない長ズボンでも何とかなりそうである。上をどうするか考えて長袖のワイシャツを着て出たら、大失敗だった。
気温は大きく下がっても、体感温度はそれほど下がっていなかったのだ。これは7月にあちこち出かけたときにも感じたことだが、気温は低くても、直射日光を浴びると暑いし、風が吹かないと地面や建物から放出される熱で空気が暖められて、涼しさが感じられないのである。特に夜の間に窓を閉め切ってあった部屋の中は、熱がこもっていて、換気をして涼しくなっても、窓を閉めるとまた暑く感じられるようになる。それでも昼間強い雨が降り、夕方風が吹き始めたことで、職場を出て帰宅するころには、長袖のシャツで快適な状態になっていた。願わくはこんな日ができるだけ長く続かんことを。
チェコの夏は、本来は日本だと秋だといいたくなるような涼しい日々が続くはずなのだけど、近年は30度を越える日が増えている。それについて、単に暑いだけでなく、蒸し暑い日も増えていることもあって、チェコは亜熱帯性気候になりつつあるなんてことを言う人もいる。個人的には、全く賛成できず、暑いといってもせいぜい日本と同じぐらいなのだから、もともと亜寒帯だったのが、温帯の気候になろうとしているというほうが正しいような気がする。
8月の半ばに、オロモウツで柔道を教えている知人から、同郷の九州の人が来ているからと誘われて、一緒の夕食を食べに言ったのだが、久しぶりに九州のローカルな話題で盛り上がれて楽しかった。印象に残っているのが、その方が、チェコの夏は昼間は暑くなるけど、朝晩は冷え込むから、「秋んごたる」と仰ったことだ。チェコに来たばかりだったら両手を挙げて、賛成できたのだろうし気持ちはよくわかるのだけど、チェコに慣れてしまった身には、完全には賛成できなかった。
それよりも、久しぶりに田舎の方言、アクセントではなく言葉の違う方言を聞いて、懐かしさのあまり啄木の気持ちがよくわかってしまった。
ふるさとの言葉なつかし
ホスポダの喧騒の中に
そを耳にせり
偽たくほく
「ごたる」は、古語の「如し」がからできた「如くある」が約まった形で、九州全域で使われている方言である。オロモウツの知人も九州の人とはいえ、ふるさとを離れて長いので、二人で話すときでも、方言はなかなかでてこないのである。
さて、天気予報を見ると、これからしばらく最高気温が20度ちょっとの日が続きそうである。さすがに9月の半ばを過ぎて暑さがぶり返すということはないだろうから、夏は終わったと考えたい。そうなると、心配は快適な秋が直ぐに終わって冬がやってこないかということである。9月に雪が降った年もあったしなあ。秋分の日から始まるチェコで言う秋が、「冬んごたる」なんてことにならなければいいのだけど。備えはあまりないから愁えばかりだぞ。
2019年9月2日24時45分。
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