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2019年08月20日

名前が変わってチェック・トゥール(八月十八日)



 毎年八月の中旬に行なわれるチェコ最大の自転車のステージレース、チェック・サイクリング・トゥールの開催が近づいているのを思い出したのは、今年もテレジア門の近くの駐車場でボラの黒いバスを見たからである。それで、ホームページを開いたら、名前がチェック・トゥールに変わっていた。今年は初日のチームタイムトライアルがオストラバで行われた。何年か前にフリーデク・ミーステクで行われた以外は、ウニチョフで行われてきたのだが、今年は開催領域が例年に比べると大きく広がっている関係もあるのか、モラビア・シレジア地方のオストラバでの開催である。

 出場チームは例年通り20チーム。そのうちワールド・ツアー・チームは、オーストラリアのミッチェルトン・スコットと、三年連続出場のドイツのボラ・ハンスグローエ。チェコ国内チームは、エルコフ・アルトゥルだけだが、日本と関係のあるチームが二つ出場している。一つは日本ナショナルチーム、代表ってよりは選抜チームかな。もう一つはイタリア登録のニッポ。あわせて11人の日本人選手の名前は以下のとおり。漢字が違っているかも知れないけど。
 日本ナショナルチームは、石橋マナブ選手、石上マサヒロ選手、入部ショウタロウ選手、小石ユウマ選手、増田ナリユキ選手、松田ショウイ選手、岡アツシ選手の7人、ニッポからは、伊藤マサカズ選手、吉田ハヤト選手、中根ヒデト選手、草場ケイゴ選手の4人で、合わせて11人。これは国別で言うと、ポーランドの22人、オランダの17人についで三番目に多い数字である。ちなみに開催国のチェコはエルコフチームの7人だけ。
 チェック・サイクリング・トゥールの日本チームというと2016年に出場したアイサン・チーム以来ということになるのかな。毎年でそうな話だったんだけどねえ。あのときはあまり日本選手は活躍できていなかったから、今年は総合は無理でも、どこかのステージで逃げに乗るなり、上位に入るなりして単なる数あわせではないことを証明してもらいたいものである。

 さて、木曜日の第一ステージ、オストラバでのタイムトライアルを制したのは、予想通りワールドツアーのミッチェルトン・スコット、16kmのコースを18分35秒でゴールしている。16秒差でチェコのエルコフが2位、21秒差でボラが3位に入った。エルコフ大健闘である。日本チームは1分39秒遅れの17位、ニッポはさらに2秒遅くて1分41秒差で19位。最下位のハンガリーのチームは4分以上遅れているけどアクシデントでもあったのだろうか。
 問題は、この初日の時点で、日本チーム7人のうち、3人がリタイアした可能性があること。二日目の結果に4人しか登場しない。それとも最初から3人はスタートしないで、4人での出走だったのだろうか。

 二日目はオロモウツからフリーデク・ミーステクに向かうステージ。スタートのオロモウツは平地とはいえ、東に向かい丘陵地帯を抜けた後、南下してノビー・イチーンを経てベスキディの山中に入って、ちょっとだけスロバキアに入って北上してフリーデク・ミーステクにゴールする187km。1000メートルぐらいまで登るようなので、山岳ステージと言っていいのかな。
 結果は、上位3位までをワールドツアーチームの選手が占めた。優勝はボラのARCHBOLD選手、2位はミッチェルトンのIMPEY選手で、3位はボラのBASKA選手。61位までが、同タイムでゴールしている。総合は初日のチームタイムトライアルの結果がほとんどそのまま残った感じで上位を占めるのはミッチェルトンの選手たち。中でもボーナスタイムを稼いだIMPEY選手が2位以下の選手に7秒の差で首位である。
 日本人選手では20位に入ったニッポの中根選手が最上位。日本ナショナルチームでは60位の増田選手が最上位だった。総合では増田選手が53位、ニッポの中根選手と伊藤選手が54位、55位に並んでいる。チーム成績は、ニッポが13位に上がり、日本チームは17位のままだった。

 三日目は、オロモウツからウニチョフ。直線距離ならそれほど離れていないのだが、大きく西に迂回してドラハナ丘陵地帯を抜けてボウゾフ、リトベルを経てウニチョフに向かう175kmで、タイムトライアルを除けば一番平坦なステージ。
 優勝はSEGレーシング・アカデミーのDAINESE選手、2位はアドリア・モビルのRAJOVIC選手で、3位はポーランドのワールドツアーチームCCCのユースチームのANIOLKOWSKI選手。76位までが同タイムでゴールしている。総合はこの日もあまり変化なく、ミッチェルトンの選手が上位に並ぶ中、IMPEY選手が2位の選手との差を13秒に開いている。
 日本人選手の最上位は16位に入った日本チームの岡選手。ニッポの中根選手は43位だった。総合では中根選手と伊藤選手が53位、55位と順位を一つ上げているが、これは増田選手がリタイアしたことによる。日本チームは松田選手もリタイアしたので、残り二人でチーム成績から除外されてしまった。残っているのは62位の石橋選手と、77位の岡選手の二人。ニッポのチーム成績は13位で変わらず。

 最終日はモヘルニツェからシュンペルクを経て、北にデスナー川沿いの渓谷の奥まで入り、イェセニークの山を上り下りしながら南下して、シュテルンベルクに向かう178km。一番高いドロウヘー・ストラニェの1176mをはじめ、三つの1000m以上の山を越え、シュテルンベルクではエツェ・ホモというヒルクライムレースに使われる上り坂を三度登るなかなか過酷なコースである。

 ステージ優勝は、ミッチェルトンのHAMILTON選手、2位もミッチェルトンのIMPEY選手、3位にチェコのエルコフのククルレ選手が入った。同タイムでゴールしたのはこの3人だけ、4位のボラの選手が1秒差で続き、5位以下は44秒差、17位以下は1分以上遅れてゴールした。過酷なステージだったのを反映してか30人近い選手がリタイアしている。
 総合でもこの日の上位3人が順位を変えて表彰台に立った。優勝はIMPEY選手で、9秒差の2位がHAMILTON選手、3位に33秒差でチェコ人最上位のククルレ選手。10位以内にミッチェルトンの選手が3人、エルコフの選手が4人、ボラの選手が1人入っているから、チームタイムトライアルの結果が総合争いに大きな影響を与えている。

 日本選手では、ニッポの中根選手が4分12秒遅れのステージ29位、総合でも6分14秒遅れで34位に入ったのが最高。伊藤選手は6分17秒遅れで総合35位だった。日本チームでは、岡選手が12分29秒遅れの総合51位、石橋選手は20分41秒遅れの総合73位に終わっている。ただし、石橋選手は、この日の序盤に山岳ポイントを3獲得しているから、見せ場は一番作ったのかな。とまれ完走したのはこの4人だけで、日本チームの5人に続いて、ニッポの草場選手と吉田選手もリタイアに終わっている。

 いずれ、このチェック・トゥールのまとめの番組が放送されるだろうから、日本の選手がどのぐらい活躍したのか確認してみよう。毎日のスポーツニュースにでは日本選手のことは全く報道されないし。その前に、シクロワイアードに日本チームの浅田監督のレポートが出るかな。
2019年8月18日23時。











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