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2019年03月26日

チェコの物を買おう(三月廿四日)



 個人的な買い物の事情を離れて、せっかくチェコにいるんだからチェコの会社の製品を買いたいという人に、そんな人がどれだけいるかは知らないけど、いくつか、実際の生産地はともかく、確実にチェコの会社だということがわかっているところを紹介しておこう。

 チェコのことをある程度知っている人なら、チェコに来たからには「Baťa」の靴を買おうと思うに違いない。ただ、問題は現在の「Baťa」がどこまでチェコの会社なのかという点である。創業がオーストリア=ハンガリー時代のズリーンだというのはいいにしても、共産党政権化で国有化されチェコスロバキアからは姿を消したはずである。その時点で国外にあった「Baťa」が、本体となって「Bata」として活動を継続し、ビロード革命後に再度チェコに戻ってきたということになるはずである。 共産党政権が「Baťa」の名前を消すために、スリーン産の靴に与えたブランドである「Svit」も、ビロード革命後の民営化の波に押し流されて、倒産してすでに存在しない。
 ただ、「Baťa」ではチェコが発祥の地というのを重視しているのか、店舗でもネット上のお店でも、チェコで生産された靴に「český výrobek」という表示をつけている。だから、チェコ発祥の世界的ブランド「Baťa」のチェコで生産された靴を買うことは可能である。チェコ語ができる人はこちらのページを参照してほしい。自分でもやろうと思ったんだけど、まだ買い物の季節には言っていなかったし、そのとき買えた物に食指が動くものもなかったし……。買い物というのはタイミングというものが大きいんだよなあ。

 プリオールの跡地にできたガレリエ・モリツの中に、ポーランドのCCCと並んで、もう一つ小さな靴屋が入っている。最初に見たときには「Svit」に見えたので、最近流行の一度消えたブランドが復活したのかと思ったら、「Stival」というお店だった。これがチェコの会社なのは間違いないのだけど、あつかっているブランドが、その中には「Stival」なんてものもあるけど、この会社の自社ブランドなのか、ひいてはチェコのものなのかどうかはわからない。

 チェコの靴というと、あとはカタカナの「ム」見たいなのがロゴになっている「Botas」ぐらいしか思いつかない。これは共産党政権の時代の製靴工場が生き残ったものらしい。下請けとしてドイツのスポーツブランドの靴を生産したりもしていたようだが、最近は自社ブランドのボタスの名前で、ノヘイバルの世界選手権のメインスポンサーを務めるなど、結構目立つようになっている。ボタスは、もともとボタナというブランドで売っていた靴のスポーツ用品用のブランドとして生まれたようだ。現在でもインラインスケートなんかのスポーツ系の方はよくみかけるけど、普通の街中で履くようなタイプは、売られているのを見たことがない。

 服や靴以外の、チェコで買って帰られるものとして、まっさきに思いつくのが台所用品のテスコマである。なぜかテスコマ・ズリーンと組み合わせた形で頭に残っているので、ズリーンの会社ではないかと思うのだが、詳しいことはわからない。チェコ国内では昔から料理番組のスポンサーを続けるなど知られた会社で、何年か前にはイタリア市場に進出してミラノの一等地にアンテナショップを構えたら、予想外の人気が出て云々というニュースを見た記憶がある。
 うちでもあれこれテスコマの製品を買って使用しているが、悪くない。台所用品で使い勝手が悪いなんて感想が出るのはよほどの場合だけだから、ほめ言葉になるかどうかはともかく、特に理由がなければテスコマのものを買うのが習慣になっている。日本の哲をつかった包丁とか、日本風の包丁とかも扱っていたような気がする。

 もう一つは、これもチェコで生産しているかどうかは知らないのだが、コイノールという半村良の小説『長者伝説』に出てくる飲み屋と同じ名前の文房具がある。コヒノールと読む可能性もあるけど、チェスケー・ブデヨビツェの会社だったかな。特に鉛筆、色鉛筆、消しゴムなんかを見かけることが多い。鉛筆に関しては中国での生産から撤退したというニュースがあったから、チェコの工場で生産されていると思いたいところである。

 服や靴にしても、台所用品や文房具にしても、お土産として日本に買って帰って誰かにあげるのにはあまりそぐわなそうだけど、気に入ったものを自分で使用するために買って、日本に持って帰って、実はこれチェコ製なんだよと自慢するのには向いている。ということは、自分用のお土産、もしくは自慢用のお土産ということになるか。
2019年3月25日23時。





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日本でも手に入る。お土産にならないじゃないか。



タグ:お土産?
posted by olomoučan at 07:55| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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