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2022年01月03日

復活?


 コロナに明け、コロナに暮れた2021年も終わり、気がつけば2022年が始まっていた。去年は、6月ぐらいから長い中断期間を経て、9月に一時復帰したものの、最後の三ヶ月は完全にサボってしまった。復帰後継続できなかった原因の一つは、毎日ではないとはいえ、ジョギングを始めてしまったことで、ジョギングに気をとられて記事を書くのがおろそかになってしまったのではないかと、今にして思う。
 それなら、寒さが厳しくなってジョギングを止めて、いや中断して以降は、復活できていてもおかしくないはずだが、できなかったのは、やはりコロナ対策による閉塞感によるものだろうか。何を書いても、同じことを書いているような不毛さを感じていたのは事実である。言ってみれば、長く続けていたこともあって、書くことに倦んでしまったのである。
 今年もコロナ騒ぎはすぐには終わりそうもないのだけど、書くのを止めて以来、仕事の効率も落ち、無駄なことをしている時間が増えたような気もするし、こっそり再開することにする。書けたときに登校するというスタイルは、自分には全く合わないことはすでにわかっているので、出来るだけ毎日、更新していくことにする。こんな事を元日ではなく二日に書いている時点で、今後もお察しと言う気もするけど、初年度も案ずるより生むが安しだったし、ネタ切れの埋め草用に準備していたものもたまっているし、気楽に始めるとしよう。
2022年1月2日






タグ:言い訳
posted by olomoučan at 07:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ

2021年09月22日

ジョギング日記(一週目)



 日記というほど事細かくするつもりはないのだけど、一応どんな感じで走り始めたのか、ここに簡単に記録しておこう。
 ある程度準備をしたうえで、久しぶりに走るために外に出たのは、八月下旬の月曜日のことだった。走り始める前に決めたルールは、とにかく無理をしないこと。必要以上にスピードを上げず、つらくなったら歩く。距離も時間もほどほどにしてできるだけ毎日走る。ただ、雨の降りそうな日は走らないで部屋の中で腕立てなどの運動をする。

前日
 とりあえず、昔、医者に高血圧だと言われてジョギングをしようと考えてすぐに挫折したときに購入したランニングシューズを引っ張り出した。あれから全く履いていないというわけではないが、新しいのが必要になるほど使ってもいない。いや、継続できるかどうかも怪しいのに新しい靴を買うなんて無駄なことはしたくない。女物だけど、足の大きさから言って新しいのを買うにしても女物になる可能性は高い。走るのに大きめの靴というのは避けたいところである。
 服の方も同様で新しいものは買わない。下は以前しばしば自転車に乗っていたころに履いていた短パンがまだ履ける。上のTシャツはさすがに汗をかいて冷えると体調不良の原因になるので、速乾性の特殊な素材を使ったもののほうがよかろう。ということで、去年と今年一枚ずつおっちゃんの店で購入してあったポロシャツを使うことにする。本来は汗の止まらない夏のくそ暑い日に外出するときに着ることを想定して購入したのだが、引きこもり生活が続いてほとんど活躍の機会がなかったのである。

初日
 この日は午前中に、軽くスクワットなどの運動をしてから近くのフローラの公園に走りに行ったのだが、気温が低くて走りやすかった。ただ、体の鈍りっぷりはこちらの想定以上で、走っているよりも歩いている時間のほうが長かった。特に走り始めのほうは足が全く動かなくて、歩くのと変わらないぐらいのスピードしか出せず、ちょっと走ると立ち止まるという状態だった。一時間ほど走ったり歩いたりを繰り返して、最後の方で多少快調に走れるようになったかと思ったら、膝に軽い痛みが出た。そこで無理せず撤収である。距離としては、公演のお散歩コースの表示を参考にすると5キロぐらいだっただろうか。一時間で5キロ、うーん、歩くのと変わらん。
 膝の痛みは平地を歩いている分には問題なかったのだが、自宅までの階段を登るのはちょっとつらかった。クールダウンがわりに柔軟体操をしてから、シャワーを浴びて、痛みの出そうなところにマッサージ用のクリームを塗っておく。翌朝は案の定全身筋肉痛で、特に左足のふくらはぎの痛みは強く、増えた体重を支えきれなかったのか腰痛も酷くなっていた。

二日目
 それでも、走ろうと考えて、入念に準備運動をしていたら、雨が降り始めて断念。運動しない日を作るのは避けたかったので、室内でスクワットや腕立て伏せなどのトレーニング。走らない分回数を増やそうと考えて、それぞれの運動を100回を超えるまで繰り返した。下半身はともかく上半身は走るよりもずっと疲れた気がする。

三日目
 朝から職場に出なければいけなかったので、午後日差しの強い中走った。気温もかなり上昇していたのか、初日と比べると息苦しさを感じることが多かった。走りっぷりは、かかった時間も走った距離も、初日と大差なかったけど、走っている時間の割合は多少増えたような気はした。汗まみれで耐えがたくなってきたところで、ひざに痛みが出る前に撤収。

四日目
 朝の気温が上がらない時間帯に走ったので寒かった。これまでよりは走れているような気がした。歩いたのは公園までの行き帰りぐらいで、公園の中では、ある程度走って息切れして足が動かなくなるとストップして、息を整えてから再度走り出すという形で走った。立ち止まらずに一度に走る距離も少しずつ伸ばして、合計するとこれまでで最長の距離を走ったと思うのだけど、距離を測るようなものを持っていなかったので気のせいかもしれない。継続できそうだったら、安いのを買ってみようか。

五〜七日目
 すでに水曜日から準備が始まっていたのだが、フローラの公園の一部を仕切って、イベントが行われ、人出が多くなることが予想されたため、ジョギングはお休み。自宅で体力づくりの運動である。まだ別なところに走りに行く気にはなれない。
 金曜日は、午後からおっちゃんの店に行って、ジョギングに使えそうな服がないか確認。短パンを一つ購入してきた。さすがに一枚だけだと洗濯が間に合わなくなる可能性がある。継続できることがわかったらまた次の物を買いに来よう。二三日走っただけでは自分を信用できない。
 それから薬局にもよって、マッサージ用のクリームと痛み止め成分の入った塗り薬を購入。薬のほうは毎日二回使用するようにと言われた。使用後一時間は日に当たらないようにという注意も受けたから、一回は走った後にシャワーで汗を流してから使うのがいいかな。とらたぬに終わらぬことを期待しておく。
2021年9月17日




2021年09月21日

運動不足解消のために



 運動不足というのは今に始まったことではなく、高校を卒業して以来、定期的な体育の時間がなくなったせいで、多かれ少なかれ常に運動不足の状態にあった気がする。特にひどくなると、思い立ってジョギングを始めようとするのだが、長続きしないのが常であった。日本にいたころは、平日は満員電車にもまれ、休日は古本や巡りで、ある程度解消されてはいたので、そこまで深刻にはならなかったような気もする。

 チェコに来てから、自転車を買って数年はあちこち走り回っていたのだが、仕事を始めてからはその回数も減り、最近ではタイヤの空気が抜けたまま放置してあるという状態である。職場まで歩いて30分ほどのところに住みながらトラムを利用するという体たらくで、その結果が医者に高血圧だと宣告されたのだと理解している。このとき、チェコに来て初めて、ジョギングを始めたのだが、ジョギングシューズは買ったものの、定期的に走るのには失敗した。
 その後も、何度か走ろうとしては挫折してきたのだが、せっかく始めたのにすぐにやめてしまった原因を思い返すと、膝などに強い痛みが出て走ろうにも走れなくなって、痛みが引くのを待っている間に走る気力も失ってしまうというパターンが多かった。これは、恐らく自分では無理なく走っているつもりでも、弱体化した体が耐えられなかったということだろう。日本にいたころも、久しぶりなのに、昔の感覚のままに走って筋肉痛などで大変な目に遭うことがあった。

 今回も運動不足の解消のために、走ろうと決めたのだが、とにかく無理はしないでゆっくり走ることをモットーにすることを考えた。そして実際に走り出す前に、多少体中の筋肉を賦活させておいたほうがよかろうということで、二週間ほどスクワットや腕立て伏せなどのトレーニングをすることにした。ショックだったのは、最初はスクワットも腕立ても、10回以下で根を上げてしまったことで、運動不足云々以前に体力を付けなおさなければ、えらいことになると思わされた。
 シャワーを浴びる前に毎日運動していたら、少しずつ連続でできる回数も増え、腹筋や背筋などのトレーニングも追加するようになった。増えたといっても、それぞれ合計で50〜100回というレベルでしかないが、当初の惨状に比べたらはるかにましである。そろそろ少しずつ走り始めても大きな問題はあるまい。毎日軽い筋肉痛状態で体は悲鳴を上げていたけど、夜の寝つきもよくなったし、腰痛も心なしか軽減されて、健康的になった気はした。

 この時、ふと思い立って体重計に乗ってしまった。運動不足なのは自認しているし、恐らく増えているであろう体重を確認しておくのも悪くないと思ったのである。結果は、腰痛が出るのも、走ったら足が痛くなるのも当然だと思わされるほどに体重が増えていた。最近Sサイズのポロシャツを着ると、お腹がぽっこりしているような気がしていたのだけど、数字で突きつけられると、自分が肥満への路をたどっていることに愕然とせざるを得ない。
 具体的な数字はあれだだけれども、高校時代の一番運動に適した体格だった(少なくとも自分ではそう認識している)頃と比べると、15kgも体重が増えていた。その後のまだ何とか動けていた大学時代から長期にわたって維持されていた体重と比べても10キロ増である。この全てが去年の春以来の引きこもり生活で増えた分ということはないだろうけれども、多少は体重を減らさないと、体力づくりなんて話にはならなそうである。このままでは足の負担が大きすぎる。

 かくて、体力づくり、運動不足解消を目的とした運動に、体重を減らすという副目的が追加されることになった。これもまた年を取った証拠というやつであろうか。
2021年9月15日





タグ:運動

2021年09月15日

ワクチン接種の個人的顛末5



5 副作用(一回目)
 一回目の副作用はほとんどなかった。注射の針を刺された部分は、痛くはないのだが、右腕を上げると痛みを感じそうな予感があって、実際に上げてみるとほとんど痛くないという拍子抜けな感じだったし、腰痛などの関節の痛みは普段よりちょっときつくて、風邪の引き始めのような感覚もあったのだが、一晩、二晩寝ているうちに何事もなかったかのように元に戻った。一回目よりも二回目のほうが副作用はきついというから、こんなものなのだろう。

6 接種(二回目)
 一回目から三週間後、八月の中旬に二回目の接種を迎えた。一回目と同じような時間にうちを出て同じような時間に会場に到着した。違いは、接種希望者の数がさらに減って余裕があるのか、受付の人が隣りの部屋にいたり、接種の部屋に担当の看護師さんが不在だったりでちょっと待されたぐらいだった。それで、お医者さんがあれこれ説明してくれたときに、看護師さんがいなかったので、看護師さんの口からも同じ説明を聞かされることになった。
 二回目も一回目と同様、ほとんど痛みを感じないままに終了し、待合室で様子見をしていたのだが、次に接種を受けた高校生だと思われる女の子が、最初は付き添いの男の子と並んで座って問題ない様子だったのに、眩暈がすると言い出して、ソファーに横にならされていた。水を飲んだりしてしばらくしたら大分よくなったといっていたけれども、副作用というよりは、注射を打つことに神経質になりすぎた結果のように見えた。お医者さんも朝ごはん食べたかなんて質問していたし。その後、15分たって会場を後にしたのだが、受付の人などは暇そうにしていた。

7 副作用(二回目)
 当日は一回目と大差なかった。ただ風邪の引き始めのような関節の痛みは強く熱が出そうな予感はあった。それで、早めに寝たのだが、翌朝ひどい頭痛で目が覚めた。とりあえず検温すると、熱が出ていた。このときは、37度だったのだが、少しずつ上がって、午後には38度にまで達した。ネット上では40度以上の熱が出たなんて人も結構いたから、それに比べればはるかにましなのだろうけど、久しぶりの発熱で結構辛かった。
 特にきつかったのが、冷夏といえる今年の夏でも気温がかなり高くなった日だったことで、ベッドに横になっていたのだが、暑さであまり眠ることはできなかった。頭痛もなかなか引かず、チェコで一番一般的な頭痛薬パラレンのお世話になってしまった。普段はあまり頭痛薬は飲まないのだが、さすがに耐えかねたのである。

 翌々日は、頭痛も軽いものになり、熱もほぼ引いてかなり楽になった。それでも前身のだるさは残っていたので、半分寝て過ごした。接種当日から四日目になると、ほぼ快復して普段どおりの生活に戻ることができた。ちょうど日曜だったので、だらだらして過ごしたという点では前日と変わらないけれども、PCを使っても眩暈がしなくなったのはありがたかった。
 関節の痛みが消えた後も、腰痛はしつこく残っていたが、これはもう、副作用なんかではなく、日頃の運動不足が積み重なった結果としか言いようがない。その運動不足が洒落にならないレベルになっていることは、できれば気づかないままでいたかったのだが、副作用で痛みが強まったおかげで、気づかない振りをするわけにもいかなくなったのである。
2021年9月11日







2021年09月14日

ワクチン接種の個人的顛末4



4 接種(一回目)
 今から考えると、予約の期日が、翌日と翌々日しかなかったのは、余計なことを考える時間がなかったという意味ではよかったのかもしれない。うちのの話では、注射自体はまったくといっていいほど痛くなかったというのだが、痛かろうが痛くなかろうが、注射は嫌なのである。

 当日はメールで届いたワクチン接種に関する情報を印刷し、保険のカードがあるのを確認して、10時過ぎに家を出た。もともとは、歩いても20分もあればつきそうな場所なので、歩いて行って帰りだけトラムを使うつもりだったのだが、会場では熱を測られて、高すぎる場合は接種できないというので、素直に行き帰りともにトラムを使うことにした。ここ数年の中では冷夏だとはいえ、それなりに気温が上がっていて、歩くと会場に着くころには体温が上がって汗まみれになっている可能性が高かった。
 トラムのチケットがなかったので、自動券売機のある隣りの停留所のフローラまではのんびり歩いた。以前はうちのほうからシベニークのほうに行くトラムUは、一時間に一本しかなかったのだが、現在旧市街のなかを走る路線が改修中のおかげで、15分に一本ぐらいの割合に変更されている。しばらく待って、トラムに乗ってシベニークの停留所に到着したのは、10時半ちょっと前だった。予約の時間が15分刻みだったので、念のために30分まで待って会場に向かった。

 会場は停留所から歩いて二、三分のところにある建物で、ワクチンの接種を受ける人は裏口から入るようになっていた。会場になっているという二階に上がると、入口のドアのわきにテーブルが置いてあって、一回目の接種の人は記入するようにという注意書きと共に、二種類の書類が置かれていた。置いてあるだけで説明の人もいないというのが、チェコである。わからなければドアを開けて会場に入って質問すればいいだけということなのだろう。
 どんな項目があったかは覚えていないが、住所やメールアドレスなんか以外は選択式だったと記憶する。よくわからなくても、適当に問題のなさそうなほうにチェックを入れて、記入する事項を、自分でもこれでいいのかと思ってしまうぐらい乱暴に書きなぐっている間に、何人かの人が書類の記入もしないでドアを開けて中に入っていった。恐らく二回目の人たちだったのだろう。

 中に入ると受付の人がいて、書類をチェックされた。利き腕を聞かれて、左だと答えると、一枚目の紙の上のほうに大きく「L」と記入して返してくれた。右利きの人は左腕、左利きの人は右腕に打つということなのだろう。左利きの人間は、どちらの腕も同じぐらい使うから、左に打っても問題ないとも思ったのだが、せっかくの配慮なので、何も言わないことにした。ついでのように熱も測られたが、36度5分ぐらいで、問題なく接種に進むことができた。
 次は、保険などの確認で、PCの前に女性が座っていて手続きをしてくれたのだが、マスクをしていないのにちょっと驚いた。手続きのほうは外国人ということで、普通より時間がかかっていたようだが、幸い何の問題もなかった。質問してみると外国人の場合はチェコの健康保険に入っていても情報に齟齬が出ることがあるらしい。それから、自分が予約の登録をした日を聞かれた。これは、間隔が三週間に短縮される前に予約した人の場合には、二回目の期日の変更の確認が必要だからだと言っていた。なので、三週間になるのを待っていたんだと言っておいた。せっかく準備した保険のカードのチェックはなかった。

 この後、実際に接種を行う部屋に向かうのだが、その前で待っている人はいなかったので、そのまま中に迎え入れられた。書類をPCの前に座っているお医者さんに渡して椅子に座る。副作用で痛みが出た場合は、氷で冷やせとか痛み止めの薬を飲めとか言われている間に、準備ができて、看護師さんが右腕に注射を打ってくれた。お医者さんはマスクをしていなかったが、看護師さんはちゃんとしていた。患者にあまり近づかないから問題ないと言うことなのだろうか。
 注射は、うちのの言っていた通り驚くほど痛みを感じなかった。待合室で15分、様子を見た上で、問題なければ帰っていいよと送り出された。会場の建物に入ってからここまで、10分ほどで終ってしまった。これは新規の接種希望者があまり多くないことを意味しているのだろう。様子見をしている間に、何人かの人が来て、接種の部屋に入るのを待っていることもあったが、ほとんどみんな、「来た、見た、打たれた」という感じで、「待った」は接種の後にしか入らないようだった。
2021年9月10日







2021年09月09日

ワクチン接種の個人的顛末3


承前
3 接種期日予約
 二回のワクチン接種の間隔が三週間に戻すことが決められたのは、確か七月半ばのことで、その週の木曜日から適用されることになった。その時点で接種の申し込みをしようかとも思ったのだが、すでに日時の予約をしている人に関しても二回目の日程を変更するということなので、予約システムだけでなく現場でも混乱している可能性があると考えて、何日か様子を見ることにした。

 翌週の月曜日の深夜のこと、なぜか突然、予約システムに登録しようと思い立った。まず、以前よく見ていたチェコ国内の感染状況を伝える厚生省のHPに行ってみたのだが、ワクチン接種の予約システムへのリンクは見つからなかった。次に覗いたのは、オロモウツ地方が運営している地方の感染状況を知らせるページで、これを見ると、電話での予約もできるようで電話番号が並んでいたが、深夜に電話しても誰も出るわけがない。下のほうには予防接種の予約登録につながるリンクがあって、無事に予約システムに登録するためのページにたどりついた。
 予約の手順は、先ず電話番号をシステムに登録することになる。すると登録した番号の携帯電話にSMSで予約システムに入るための暗証番号が送られてくる。今度はその番号を使ってログインして、保険などの個人情報と、希望する接種会場を選択して登録する。ただし、かかりつけの医者で受ける場合には、お医者さんが登録をするのでこのページは使えないようだ。また、このページには自費で接種を受ける外国人が登録する似たようなページへのリンクもある。

 当然オロモウツで接種を受けたのだが、選択できる会場は二つしかなかった。一つはうちのも受けたシベニークの医療施設のなかに設置された会場で、もう一つは、町外れのクラーシュテルニー・フラディスコという歴史的建物に入った軍の病院だった。クラーシュテルニー・フラディスコの中に入れるというのは魅力的だったのだが、バスを乗り継ぐしか自宅から行く方法がなく、接種後体調が悪化するかもしれないわけだから避けたほうがよかろうと諦めて、トラム一本で行けるシベニークの会場で登録した。
 手順の説明によれば、この次に予約に招待するSMSが届くということだったが、月曜日の深夜にできたのは会場の登録までで、いくら待っても二本目のSMSは届かなかった。30分ほど待っただけで寝てしまったのだけど。

 二本目のSMSが届いたのは火曜日の朝の9時ごろだっただろうか。ちょうどPCを起動したところだったので、早速届いた暗証番号を使って予約システムに入った。すると、一回目の接種の日時を選ぶページが出てきたのだが、事前の予想とは違って、直近の二日、つまりは水曜日と木曜日からしか選べないようになっていた。予約が取れないとか、取れてもかなり先だったという話を聞いていたから、希望者が減りつつあるとはいえ、次の週になるのではないかと思っていたのだ。
 明日すぐに受けようという気にはなれなかったので、水曜日ではなく、木曜日を選択。時間はあれこれ考えて午前中の10時45分という中途半端な時間を選んだ。朝食を済ませてゆっくりコーヒーを飲んでから出かけても間に合いそうな時間で、終わって戻ってきたらちょうど昼食の時間というタイミングを狙ったのである。接種の翌日が土曜日になる金曜日のほうがよかったかとも思ったのだが、夏休みを取っているところだったので、どっちでも問題はなかった。

 登録が済むとSMSとメールで、ワクチン接種を担当するところから直接連絡が来て、会場の住所や接種するワクチンの種類、当然ファイザーだったけど、それから二回目の接種日時などの必要な情報が記されていた。ワクチンの容器のナンバーまで記されていたけれども、これは恐らく予定であろう。全ての人が予約した時間に会場に到着するとは限らないのだしさ。
 実はこの時点で、事前予約不要の接種会場の開設が始まっていて、希望すれば一回の接種で済むジョンソン&ジョンソンを打つことも可能だったのだが、そのためにブルノまで出かけたくはなかったし、予約なしだと行列に並ぶことが予想されたので諦めた。そして、オロモウツでシャントフカに新たに予約なしの会場が設置されたのは翌週の火曜日か水曜日のことだった。
2021年9月6日





2021年09月08日

ワクチン接種の個人的顛末2



承前
2 接種にいたりし事情
 五月から六月にかけては、あれこれ悩みながらも、どちらかと言えば、接種を避ける方向で考えていたのが、七月に入って方針を転換したのは、チェコ政府の楽観論に反して、国内の接種率がなかなか増えず、このままでは夏休みシーズン開けの九月になっても、規制の全面解除にはなりそうもないことがわかってきたからである。しかも、その規制の対象から、未接種者は除外されないという。つまり接種しないと、今までどおり、職場に出るのにも、レストランで食事をするのにも、陰性の検査結果の提示が必要で、その検査の保険負担も中止すると政府が言い出したのである。
 この、スロバキアほどではないけれども、あからさまな接種を済ませた人に対する優遇は、接種を推進するための策なのだろうが、接種は強制ではなく任意であるという前提、もしくは建前に反しているのではないかと批判を受けていた。検査の保険負担の停止は批判を受けて撤回されたけれども、毎週検査を受けに行くのも、在宅勤務をこれ以上継続するのも、断固拒否したいところである。職場への行き帰りを歩くこともなくなり、積み重なった運動不足は洒落にならないところまで来ている。

 ワクチン陰謀論を信じられるほど愚かでもないし、ワクチンには効果がないなどと言う気もないが、同時にワクチンの接種さえ済めばすべては解決すると思えるほど能天気でもない。だから、接種を済ませた人を優遇することで接種を推進しようというのは理解はするけれども、注射嫌いとしては不満を感じてしまうのも否定できない。これが母国日本に住んでいるならともかく、自分の意思で外国であるチェコに住まわせてもらっているのだから、その不満は押し殺して国の方針に従うしかない。外国からの小包に一律課税するなんてのとは違って、外国人いじめではないわけだしさ。
 結局、ワクチン接種の決断は、在宅勤務が継続することを避けるための方便でしかない。感染したときの重症化の可能性と、ワクチンの副作用のきつさをはかりにかけて、どちらがマシか考えなかったとは言わないが、どっちもどっちという結論にしか至らないので、決定的要因とはならなかった。仕事がら、不特定多数の人と接触する機会はほぼなく、レストランやイベントに出かけたりする趣味もないので、普通に生活していても感染の危険度はそれほど高くないし、ワクチンの副作用も若い人ほどきつい傾向があるということなので、年齢を考えるとそこまでひどいことにはならないことが期待できるのである。

 こんな経緯で接種を決めたこともあって、接種を済ませていない人に接種するように勧めるつもりも、避けるように勧めるつもりもない。こんなのは個人的な事情で、どちらがましかを考えた上で決めればいいものである。流石に陰謀論を信じている人に対しては、言いたくなることもあるけれども、そんな人間には近寄らなければいいだけである。幸い、チェコでは接種を拒否する人を非難するような愚かな報道はなく、接種率が上がらないことに対する批判は、政府に向かうことが多い。十分に国民を説得できなかったのが悪いというのである。
 ワクチン陰謀論の流布まで政府のせいにするのはどうかと思うが、医療関係者で医学の専門家でありながら陰謀論に組みするような発言を繰り返している人たちは、批判、処罰の対象になっても仕方がないかとは思う。陰謀論を信じるのは勝手だが、医者と言う立場で広めるのは、信じる人も多いだろうしやめて欲しかった。そのせいで接種しないまま規制の完全解除を迎えるという望みが完全に潰えてしまったのである。恨み言の一つも言いたくなる。

 七月に入ってすぐの時点で接種を受けることに決めたのだが、実際に申し込んだのは半ば過ぎのことだった。一回目と二回目の接種の間隔が、三週間に戻される可能性があるというニュースを見て、それを待っていたのである。もう一つ、運動不足のせいで腰痛が出ていたのもある。副作用のなかに全身の筋肉、関節が痛むというのがあるというので、体調を整えて痛みがひいてからにしようと考えたのである。

2021年9月4日



2021年09月07日

ワクチン接種の個人的顛末



1 先送りした所以
 七月の後半に一回目、八月の半ばに二回目の接種を受けて、ワクチンの接種は完了したのだが、最終的に接種を受けようと決めたのは七月始めのことだった。それまでは、あれこれ悩んでいたのである。
 チェコの一般の健康保険に加入して、毎月保険料を支払って、いや給料から天引きされているから、チェコ人の保険加入者と同じ扱いでワクチンの接種を受けることができる。いたずらに齢を重ねて半世紀を閲するおかげで、確か、すでに五月の初めの時点で、ワクチン接種の申し込み、予約システムに登録して接種の日時を予約することができたのだが、あれやらこれやらの理由があって、接種を受ける気にはならなかった。

 自分に対する公式の言い訳は、チェコ人でもまだ接種が済んでいない人が多いのだから、外国人としては遠慮するべきだろうとというものだったが、正直な話、接種しないで待っている間にチェコでの接種率が集団免疫が成立するとされる70パーセントを超えることを期待していた。それによって流行が完全に押さえ込めれば、夏休み明けからは何の制限もなしに職場に出られるようになるのではないかと思っていたのだけど、はかない望みであった。
 接種に消極的だったからといって、ワクチンを打ったら死ぬとか、5Gがどうとかこうとか、よくわからないチップが入っていて云々なんて、陰謀論に毒されていたわけではない。そもそも陰謀論が成立するとすればウイルスのほうであって、ワクチンではなかろう。ワクチンに関する陰謀論の流布には、ウイルス発生国の中国が関っているんじゃないかなんて、別な陰謀論が成立してしまいそうである。

 ワクチンの接種を受けたくなかったのは、ひとえに注射そのものが嫌いだからである。怖いのではなく嫌なのである。子供のころ体があまり強くなく、しばしば自家中毒と呼ばれる病気にかかっていた。吐き気が止まらなくなってひたすら吐いてしまうのだが、医者に行って治療を受けると、必ず二本の注射を打たれていた。太い血管に刺す注射のほうは、それほど痛くなかったのだが、細い筋肉注射が、弱った体を更に痛めつけるほどに痛く、それで注射自体に忌避感がすりこまれた。注射では治らず入院して手の甲に針を刺されて一昼夜点滴を受けたこともあるけど、そのときは針を刺されたことにも気づけないほど朦朧としていたのかな。外すときはそれほど痛くなかったと思う。
 それで、我々の世代は、毎年秋になると、学校でインフルエンザの予防接種を受けていたのだが、それが嫌で嫌でしょうがなかった。小学校の低学年のころは抵抗もしなかったのだが、高学年になって多少知恵もついてくると、どこぞで見かけた、インフルエンザにはいくつも型があって、ワクチンの型が流行する型と違っていたら意味がないんだから予防接種を受ける意味はないなどと、自分でもよくわかっていない小ざかしいことを喚いて先生を困らせていたけれども、無駄な抵抗以外の何物でもなかった。実際に注射をされて見れば、大騒ぎをするほど痛くもなかったのだが、嫌なものは嫌なのである。

 もちろん、予防接種には副作用というものがあって、毎年全国で何人かの人が亡くなっているなんて話も知っていたが、重篤な副作用の発生する割合が何万人だか、何十万人に一人だとか言われると、他人事にしか思えなかった。言い換えれば、その一人に自分がなりうるなんてことは想像もできなかったのである。たまに予防接種の翌日に熱が出て学校を休むなんてこともあったけど、副作用というよりは、注意事項を無視して接種当日に激しい運動をした上に熱いお風呂に入ったのがいけなかったのだと思う。
 そんな、副作用が比較的小さいとされるインフルエンザのワクチンと比べると、今回のワクチンは高熱などの激しい副作用が出る割合が高いらしいというのも二の足を踏む原因だった。五月で仕事の山は越えていたとはいえ、高熱出して寝込んで穴を開けられるほどの状況ではなかったし、どうしても受けなければならないのなら、休みの取りやすい七月八月にしたいものだと思っていた。だから、一回目と二回目の間隔が六週間というのも都合のいいことではなかったのである。

2021年9月3日



2021年09月04日

ワクチン接種の顛末4



承前
4外国人に対する接種
 外国人は外国人でもEU加盟国の国民の場合には扱いが違う可能性が高いので、ここに記すのは、日本人を含むEU外出身の、長期滞在許可を持つ外国人に対する対応である。

 簡単に言うと、これらの外国人は二つのグループに分けることができる。一つはチェコの企業などで仕事をしていてチェコ国内の健康保険に加入している場合で、この場合は一般のチェコ人と同じ扱いでワクチンの接種を受けることができる。つまり、年齢や職種による優先接種も受けられたし、保険でまかなわれるのでお金の支払いも不要なのである。これは、チェコ政府が外国人からお金を巻き上げるために導入した、留学生がビザを受け取るのに必要とされる半年や一年の期間限定の健康保険でも、適用されるようである。
 それに対して、日系企業で日本からの出向という形で仕事をしているなどで、チェコの健康保険に加入していない人の場合には、当初はチェコ国内での接種の対象外となっていた。それが、五月の後半ごろから、どのような形で接種を行うかの検討が始まり、六月の半ばには、自費で接種が受けられるようになった。厚生省の予約システムのHPにも自費接種者専用のページが設置されが、予約に際しては、どこの会場でも選べるのではなく、一部の会場でしか接種が受けられないようになっていた。これはすべての会場に会計係を置くわけにもいかないという事情があるのだろう。外国人以外は無料なので、一般の接種会場では、お金のやり取りは発生しないのである。

 七月に入って各地に設置されるようになった事前の予約不要の接種会場でも、状況は同様で、自費で接種を受けられるところと受けられないところに分かれている。オロモウツでもシャントフカに予約不要の接種会場が設置されたが、自費の接種は受け付けておらず、一番近くの自費で接種を受けられる会場はブルノの会場のようである。
 また、この事前予約なしの接種会場での自費での接種は、チェコ国内に居住しない外国人でも受けることができるようで、オロモウツのチェコ語のサマースクールに来ていた知り合いが、ブルノの会場で接種を受けていた。だから、自分の国で接種が受けられず、どうしても受けたい人は、チェコに旅行や出張に来たついでに接種を受けることも可能なのである。日本の場合には出国するのが大変そうだし、副作用が出ることも見込んで日程を組むなんて必要もありそうだけど。

 リハビリ中の進まない筆であれこれ書いてきたわけだが、以上のような状況の中で、自分がどうするのか、ワクチンの接種を受けるのか、なんてことを考えなければならなかったのである。ということで、次はいかにしてワクチン接種に至ったかということになる。

2021年8月31日





posted by olomoučan at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2021年08月30日

ワクチン接種の顛末3



承前
3ワクチンの種類
 現在チェコで使用できるワクチンは、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソンの四種類だが、実際に接種されているのはファイザー社のものが圧倒的に多く、80パーセント以上を占めている。これは、副作用の問題もあったけれども、最初にEUの認可を受けて供給されるようになったということが何よりも大きい。一回の接種で済むのならともかく、二回の接種が必要となるワクチンを同一会場で複数使用するのは、理論上は可能でも、実行するのは手間とリスクが大きすぎる。
 最初期のファイザーのワクチンの供給が安定せず、あちこちでワクチン不足を訴える声が上がっていたころに、認可が済んで入ってきたモデルナのワクチンは、一番不足していたモラビアシレジア地方で集中的に使用された。これもまた、一つの会場では出来るだけ同じワクチンだけを接種しようという考えに基づくものだろう。実際は、一回目と二回目で別のワクチンを接種したところで問題はないのかもしれないが、そんな安全性も効果も検証されていない、実験的な接種を受けたがる人はいるまい。

 その結果、特設の接種会場では、一部の例外を除いてファイザーのワクチンが使用されることになり、他のワクチンが使用される機会は限定的になってしまった。確か、開業医での接種に関しては、保存のための温度管理の条件が厳しいファイザーではなく、モデルナかアストラゼネカを使うことが推奨されていたし、最近は高齢者だけを対象にした接種の場合には、アストラゼネカを使用することが求められていたと記憶する。それで、どちらも数パーセントほどの使用率となっている。
 ワクチンの不足が声高に叫ばれていた頃には、チェコ政府も、それこそだぼはぜのように、EU認可済みワクチンなら、どれでも確保に努めていたが、結局確保はしたものの使い切れない分のワクチンを他国に提供する事態になっている。イスラエルやオーストリアには、以前チェコが危機的状況にあったときに譲ってもらった分を返すという形だったが、アフリカなどの国に対しては寄付という形をとっていた。そして、他国に譲ったワクチンは、ファイザー以外のものだったはずである。

 このような事情を考えると、仮にゼマン大統領の推進したロシア製ワクチンが導入されていたとしても、チェコのワクチン接種率を大きく上げることにはならなかっただろうと考えられる。特例的に特設会場での接種に使用されていたとしても、世論調査によるとEUの認可を受けていないロシア製の接種を希望する人はほとんどいなかったのである。強制的にロシア製を摂取するわけにもいくまい。
 その点、一回の接種で済むジョンソン&ジョンソンのワクチンには期待されたのだが、認可が一番遅かったことと、認可の前後にアメリカでの副作用の情報が大きく報道されたことから、接種会場で使用されることにはならなかった。ただし、最近はチェコ各地に設置された事前登録不要の接種会場で、ファイザーのワクチンと共に使用されるようになっている。二度も接種に出向くことはできない、もしくは出向きたくないという人向けに、ジョンソン&ジョンソンが提供されているのである。

 ところで、二回の接種が必要なワクチンの場合、一回目と二回目の間隔は三週間が推奨されているのだが、チェコでは六週間に延長されていた。これは、ワクチンの供給量が安定しない中、一回だけでも接種を済ませた人を増やそうという政策である。政府は間隔が伸びても効果が下がるようなことはないと言っていたが、製薬会社がどのように判断しているのかは不明である。
 そして、七月も半ばになって、新規のワクチン接種希望者が急速に減り始めたことで、一回目と二回目の間隔は、もとの三週間に戻された。間隔が延長されたときもそうだったが、一度確定した二回目の接種の日時が変更されることになり現場では対応に苦慮していたという話も聞く。特に、二度目の変更は夏休みに入ってからのことで、六週間の間隔を利用してバカンスに出かけている人もいたと思われるので、大変だったに違いない。

 接種を受ける人が、自分でワクチンを選べるようにするべきだという意見も聞こえてきていたが、絵に描いた餅で、実現には至っていない。ニュースで紹介された世論調査の結果では、ファイザーを希望する人が圧倒的に多かったから、実現していたとしても接種割合は変わらなかった可能性は高い。そう考えると、大半の人は希望するワクチンの接種ができたと言うこともできるのか。
2021年8月28日






posted by olomoučan at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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