2018年12月07日
国家試験解説「公衆栄養学(No.153)」
Q153.集団を対象とした食事調査実施時の誤差に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)摂取量の平均値の精度は、調査人数の影響を受ける。
(2)日間変動の程度は、高齢者が若年者より大きい。
(3)季節変動は、偶然誤差に含まれる。
(4)過小申告は、偶然誤差に含まれる。
(5)過小申告の程度は、BMIが大きい者ほど小さい。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。集団における食事摂取量の平均値を得たい場合、1日間など非常に短期間の調査であっても、
調査対象者の人数をある程度増やすことで個人内変動の影響を低減でき、
制度の高い値を得ることが可能となる。
(2)誤り。日によって摂取する食品や量が異なることで生じる日間変動は、
一般的に若年者の方が高齢者よりも大きい。
(3)誤り。季節変動は、系統誤差に含まれる。
系統誤差とは、真の値から一定方向にずれたものを測定することで生じる測定誤差であり、
調査日数や調査人数を増やしても真の値に近づくことはできない。
(4)誤り。食事調査法の多くが対象者による自己申告に基づいて情報を収集するものであり、
申告誤差は避けられない。
最も重要な申告誤差として過小申告と課題申告が知られており、
その程度は肥満度の影響を強く受ける。
また、食習慣を尋ねてエネルギー摂取量を推定する質問紙法であり、系統誤差にも含まれる。
(5)誤り。肥満度は過小申告・過大申告の程度に影響を与え、BMIが小さいものでは過大申告の傾向、
大きいものでは過小申告の傾向が報告されている。
したがって、過小申告の程度は、BMIが大きいもの程大きい。
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