2018年11月23日
国家試験解説「応用栄養学(No.97)」
Q97.高齢者の栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)ロコモティブシンドロームでは、要介護になるリスクが高い。
(2)サルコペニアでは、筋萎縮がみられる。
(3)フレイルティ(虚弱)の予防では、除脂肪体重を維持する。
(4)褥瘡の予防では、たんぱく質を制限する。
(5)誤嚥性肺炎の予防では、口腔ケアを実施する。
【解説】…正答(4)
(1)正しい。ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害のために自立度が低下し、
介護が必要となる危険性の高い状態をいう。
(2)正しい。サルコペニアとは、加齢に伴う筋肉量の減少や筋肉の低下をいう。
また、筋委縮とは、一度正常に発育した骨格筋の容積がなんらかの原因で縮小した状態をいう。
(3)正しい。frailtyの日本語訳で、以前はフレイルティと呼ばれていたが、
現在では「フレイル」と呼ばれている。
身体的フレイルの代表的な指標には、@体重減少、A筋力の低下、B疲労感、C歩行速度の低下、
D身体活動の低下があり、このうち。3項目が該当すればフレイルとし、
1〜2項目が該当する場合はプレフレイルとしている。
除脂肪体重は、全体重のうち体脂肪を除いた筋肉や骨、内臓などの総量をいい、
これを維持することは、フレイルの予防となる。
(4)誤り。『褥瘡予防・管理ガイドライン』において、
通常の食事だけでは十分な栄養摂取がむずかしいたんぱく質・エネルギー低栄養状態患者では、
疾患を考慮したうえで、高エネルギー・高たんぱく質のサプリメントによる補給を行うことは、
褥瘡予防に対して効果があるとされている。
(5)正しい。口腔ケアによって、口腔や咽頭の細菌数が減少するだけでなく、
口腔への刺激により嚥下機能が回復して食事が進むようになり、栄養状態が改善する。
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