2018年09月13日
国家試験解説「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(No.27)」
Q27.腸疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)潰瘍性大腸炎では、大腸がんのリスクが高まる。
(2)クローン病では、肛門病変はみられない。
(3)過敏性腸症候群では、粘血便がみられる。
(4)たんぱく漏出性胃腸症では、高アルブミン血症がみられる。
(5)麻痺性イレウスでは、腸管蠕動運動の亢進がみられる。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。潰瘍性大腸炎では、発症後長期経過すると大腸がんのリスクが高まる。
発がんには罹患期間と罹患範囲が関係しており、特に7〜8年以上経過した全大腸炎型でリスクが高い。
(2)誤り。クローン病では、難治性痔瘻などの肛門病変が高頻度でみられる。
(3)誤り。過敏性腸症候群は、精神的、肉体的なストレスにより小腸・大腸由来の
消化器症状を呈するものをいい、
器質的病変を認めないため粘血便はみられない。
なお、潰瘍性大腸炎では慢性の粘血便がみられる。
(4)誤り。たんぱく漏出性胃腸症では、血漿中のアルブミンが消化管の粘膜を介して
管腔内に過剰に漏出するため、低アルブミン血症がみられる。
(5)誤り。麻痺性イレウスでは、蠕動運動の低下による腸管の運動麻痺がみられる。
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