2018年09月10日
国家試験解説「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(No.24)」
Q24.症候に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ショック状態では、血圧が上昇している。
(2)低血糖になると、交感神経が刺激される。
(3)チアノーゼは、貧血で出現しやすい。
(4)体重は、バイタルサインに含まれる。
(5)浮腫は、血漿膠質浸透圧の上昇により出現する。
【解説】…正答(2)
(1)誤り。ショック状態では、血圧が低下している。
ショックとは、急激に生じた末梢循環不全であり、
末梢の臓器が必要とする血流が得られないため機能不全に陥った状態をいう。
大量出血、急性心筋梗塞、肺結晶、アナフィラキシーショックなどでみられる。
(2)正しい。低血糖になると交感神経が刺激され、
アドレナリンなどの血糖上昇作用をもつホルモンが分泌される。
血糖値がおよそ70r/dL以下になると、交感神経の作用により顔面蒼白、冷汗、頻脈、動悸が生じる。
さらに血糖値が50r/dL以下になると、振戦、けいれん、昏睡などの中枢神経症状が生じる。
(3)誤り。チアノーゼとは皮膚や粘膜が青紫色を呈する症状で、
血中の還元ヘモグロビン濃度が5g/dL以上に増加すると出現する。
血中ヘモグロビン濃度が低下する貧血では、ヘモグロビンの絶対量が少ないために、
チアノーゼは出現しにくい。
(4)誤り。バイタルサインは、意識レベル、体温、脈拍、血圧、呼吸状態の5つであり、
体重は含まれない。
(5)誤り。浮腫は、血漿膠質浸透圧の低下により出現する。
血漿膠質浸透圧とは、血漿タンパク質(主として血漿アルブミン)により生じる浸透圧で、
水を血管内に保とうとする圧力、あるいは血管外の水を血管内に引き込もうとする圧力である。
血漿膠質浸透圧が低下すると、水を血管内に十分保持できなくなって水が血管外へ漏出し、
浮腫をきたす。
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