2018年09月07日
国家試験解説「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(No.21)」
Q21.糖質・脂質代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腎臓は、糖新生を行わない。
(2)筋肉は、糖新生を行う。
(3)インスリンは、肝細胞のグルコース輸送体(GLUT2)に作用する。
(4)ホルモン感受性リパーゼの活性は、インスリンによって抑制される。
(5)過剰なアルコール摂取により、血清トリグリセリド値は低下する。
【解説】…正答(4)
(1)・(2)誤り。糖新生の最終段階であるグルコース6‐リン酸の脱リン酸化に関与する
グルコース6‐ホスファターゼは、肝臓と腎臓のみ存在する。
したがって、糖新生は肝臓と腎臓においてのみ行われる。
(3)誤り。肝細胞に存在するグルコース輸送体(GLUT2)は、インスリン非依存性である。
インスリン依存性であるのは、筋細胞と脂肪細胞に存在するグルコース輸送体(GLUT4)である。
(4)正しい。ホルモン感受性リパーゼは、脂肪組織に貯蓄されているトリアシルグリセロールを
脂肪酸とグリセロールに加水分解する酵素であり、
Gたんぱく質共役シグナル伝達系を介してリン酸化されることで活性型となる。
インスリンは、セカンドメッセンジャーであるcAMPを不活型の5´‐AMPに変えることで
ホルモン感受性リパーゼのリン酸化のリン酸化を抑制し、その活性を低下する。
(5)誤り。過剰なアルコールの摂取により、肝臓におけるトリグリセリドの合成が亢進して、
その一部が肝臓外へ分泌されるため、血清トリグリセリド値は上昇する。
したがって、過度の飲酒は高トリグリセリド血症の原因となる。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8009068
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック