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2020年04月05日

とある科学の超電磁砲T 9話感想 美琴・食蜂タッグの無双から転じて佳境に向かう物語

9話 警策看取(こうざくみとり)


※原作未読の方はコメントオフでの視聴をオススメします。
あらすじ
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黒子らが警策の情報を収集中、佐天は借り物競争中の当麻と遭遇し、お守りを貸し渡す。
その後廃工場を探索中に警策らの組織に遭遇、殺されかけたところをショチトルに救われる。
一方、美琴と食蜂は幻生のいる会議場を襲撃し幻生を捕縛するも、影武者だとわかる。
食蜂は影武者の記憶内の幻生の言葉を聞き、美琴とともに自身の隠れ家へと急行する。
感想
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グラサン&スーツ姿の美琴がカッコいい。しかし外見を変えても超電磁砲でぶち抜いたら足がついてしまうのでは……。これくらいのことが出来る能力者が特定不能なほど多数いるということだろうか。恐ろしい街である。久しぶりの必殺技・超電磁砲は今回も専用作画スタッフ(澁川大佑さん)がいる凝りよう。撃つまでの作画もぐりぐり動いて見応えがある。

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警備に見つかってごまかす美琴だが、顔を隠しているとはいえ運動靴の子供なのであからさまに怪しい。まあ怪しんでいるのをお互い承知の上での駆け引きなのだろうが、こういう若い能力者の傭兵が珍しくない可能性もある。それはさておきこの警備のおじさんが大変いいお声をされている。CVはおそらく中野泰佑さん。こういう評価の仕方が正しいのかはわからないが大塚芳忠さんっぽくて良い。ハイバリトンという声質らしい。

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「蟻一匹逃しちゃダメだゾ☆」「「ハッ!!」」
洗脳して意志を奪っている連中をかしずかせることになんの意味があるのか。実質的に一人遊びであり、食蜂の性格が現れている。ちなみに「はい、みんなおすわり☆」はアニオリのセリフで彼女の「女王」気質を強調する演出となっている。運痴少女一人で傭兵組織が機能不全に陥る様はなかなかの恐怖だが、4話と違って味方なところが心強い。性格も能力も真逆なレベル5がタッグを組んでの無双はカタルシスが強い展開である。

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「この目の奥に蟠(わだかま)る闇は同一人物に思えますの」
そうかな……そうかも……。アニメの作画があっさりめで可愛いので闇を感じるかと言われると同意しがたい。

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佐天さんと上やん邂逅。CV阿部敦さんの12年前から変わらぬ「不↑幸ぉーだぁー!」が実家のような安心感を与えてくれる。わずかな得点のために駆けずり回る当麻と、それを見捨てられずに見ず知らずの男にお守りを託す佐天さん、どちらもレベル0のお人好しという点で共通点を感じる二人である。

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書庫(バンク)で噂話を教えてくれる受付のお姉さん。原作では重要なことを喋るわりに登場がやや唐突なので、これはこの場にいない佐天さんの役割を負ってる人だな……ということを感想で書こうと思っていたらアニメでも「佐天さんと気が合いそう」という言及がされて笑ってしまった。ですよね。アニオリシーンは黒子が美琴を意識するところも追加されているが、これは6話と違って美琴と共闘した後なので問題ないように思える。

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で、その佐天さんだが単身、廃工場に潜入中……おいやめろ。無敵のレベル5タッグと対比して不安しかない。命が助かったのは偶然の度合いが大きいので性格の粗忽さを否定できないが、ショチトルに助けられたのは彼女の人望(?)のおかげとも言える。なぜ助けてもらえたのかなどショチトル周辺の謎は2話感想で書いたように禁書1期円盤特典の小説、もしくは禁書本編を読まなければわからないので、超電磁砲のみ・アニメのみ視聴の人は深く考えないようにしよう。超電磁砲はこういう禁書ありきの描写・禁書読者へのファンサービスが多い作品なのである。

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警策看取のCVは富田美憂さんで「異世界レビュアーズ」のクリム役、「ぼくたちは勉強ができない」の緒方理珠役でおなじみ。ぼく勉は一期も二期も全話見たのに、理珠と違って飄然としたトーンであるせいか全く気づかなかった……。それが「こんなところでつまづくわけにはいかないし……」のところでぐっとシリアスなトーンになるのがいい。その部分や「学園都市を離れたほうがいい」など喋るたびに絶妙な伏線を張っていくキャラである。

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ショチトルと警策が仲間割れしたことでまた話が複雑になったように見えるが【幻生&警策】が思想をもった敵対勢力であり【ショチトル・馬場・博士(ショチトルの電話相手)】はただの兵隊なので後者は美琴や佐天さん、食蜂らと敵対する意味がなくなった状況である。

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「やれやれ、久しぶりにまともな仕事が回ってきたと思ったのですガ」
カイツのセリフはさほど多くないが、このちょっとしたセリフから性格が読み取れる。彼にとってSで従事していたレベル6シフト計画の警備はまともな仕事ではなく、善悪を問わないプロフェッショナル気質と推察できるが個人的には善性を好むこと、食蜂は人使いが荒くひねくれた雇い主だが目的に正義があること、そしてここで死ぬ可能性を覚悟していることなど、一言から多数のことが読み取れるいいセリフである。ちなみに原作ではミサカ妹との会話で「あなたとの関係は感謝されるものでは…」と言っているのでちょっとだけ改変されている。

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「君抜きで『エクステリア』を守り通せるかな?」
食蜂の能力の凄まじさと計画の周到さを描写した上で、それを完全に読み切って出し抜く幻生の底知れぬ知謀が表現されている。食蜂からすると自身が関与していることすら隠していたつもりなので驚愕だろう。レベル5タッグ無双のカタルシスから一気に不穏に転じて物語がクライマックスへと向かう。





posted by ぺーた at 20:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2020年03月28日

とある科学の超電磁砲T 8話感想 能力に由来する食蜂の性格・関係性描写が見どころ

8話 超電磁砲(レールガン)×心理掌握(メンタルアウト)


※原作未読の方はコメントオフでの視聴をオススメします。
あらすじ
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美琴は都市伝説サイトから食蜂の隠れ家を推察しそこへ向かうが、待ち構えていた食蜂と遭遇する。
食蜂に同行し、食蜂の行動はミサカ妹の保護、黒子らへの精神操作は危険から遠ざけるためと知る。
さらに警策らがミサカネットワークを狙う木原幻生の命令下で動いていることを伝えられる。
美琴は幻生を打倒するため食蜂と共闘、同時刻にそれぞれ別に幻生のいる会議場へと突入する。
感想
食蜂が敵のように描かれていたのがミスリードだったことが明らかになるエピソード。会話劇ながら食蜂の性格描写と美琴との関係性描写に見ごたえがあり、6話の湾内泡浮ペアVS馬場が動のベストエピソードだとしたら今回は静のベストエピソードだと個人的に思っている。

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「心配しないで。全部終わったら食蜂の首根っこ捕まえて戻ってくるから」
記憶を操られてるんですか?に対してこの返事はYesと言っているようなものである。黒子の反応がいちいち初々しくて可愛い。記憶、戻さないほうがいいのでは?でもあの変態ぶりも捨てがたいので悩ましいところである。

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美琴を待ち構える食蜂。このへんのやりとりはかなり原作からセリフが追加・変更されている。今回はここ以外も微妙に変更されているセリフが多い。全編会話劇であるためか、文字で理解させる漫画と声で理解させるアニメの違いを意識した再構成になっているように思う。

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リモコンでグリグリされるカイツさん。前作Sでは妹達を殺害する実験(レベル6シフト計画)を中間指揮する立場に見えたが単なる警備担当者(原作では「知的傭兵(アドバイザー)」)だったことがここで明かされる。アニメではカットされたがカイツは食蜂に信頼されるために「心を読んでもらったほうが手間が省ける」と自分への精神操作を容認・推奨する描写があり、そのうえで重用されているので少なくともイメージほどの悪党ではなさそう。食蜂の印象ミスリードのための要員と思われるが結果的になかなか絵になるコンビになっている。調査能力は非常に高く、逆探知を初春に気づかれなかったところからハッキング系能力も初春に近いレベルを備えている可能性がある。

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食蜂の口から彼女の目的と、警策・幻生勢力の狙いが明らかになり、食蜂が敵対関係にないことがはっきりする。幻生の目的の詳細や食蜂の動機は不明だが、敵対相手が一つになったので物語としては収束に向かって分かりやすくなっている。

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「協力?信頼?なんでそんな不確かなものを信じられるのかしら?」
それまでの甘ったるい声のトーンがこのあたりからぐっと低くなるところがいい。CV浅倉杏美さんの名演が光る。黒子たちやミサカ妹を幻生から守り、強力な派閥メンバーを擁しながら危険な計画には誰一人関わらせていない食蜂の性格を考慮すると、怪我をした婚后さんに対して「ガラクタと潰し合ってくれて助かった」と言い放つことが不自然なので、美琴の言葉が食蜂の逆鱗に触れていることが推察できる。美琴も怒っているので無理もない行動だが、婚后さんのことに対して責任を感じているところを美琴に正確に責められて強く反発したように見える。

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「だからソイツを私にぶつけろっつってんのよ!!なんで…ッ」
佐藤利奈さんも劣らぬ熱演。「潰し合ってくれて〜」も相当な煽りだがレディオノイズ計画(美琴のクローンを作る計画)とレベル6シフト計画は美琴の心の傷と言えるので食蜂も容赦なく美琴の逆鱗に触れている。仮に美琴が逆上したら半殺しにされかねない状況なのだが、美琴がそういうタイプでないことを「信用」しているのか、そういう打算が頭から消えるほど美琴に腹が立ったのか……後者であれば美琴に劣らぬ激情が垣間見える。

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そもそも婚后さんの怪我の「責任」はこの二人にはないと思うのだが、美琴が妹達の生まれに対して責任を感じているように、美琴も食蜂も「原因の一端」を責任ととらえてしまうタイプの性格に見える。直情的に胸ぐらを掴む美琴と静かに言葉で刺す食蜂、怒り方は真逆に描かれているが根底の性格は似ているようにも思える。

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「何考えてんだかわからないアンタと組む気なんて、はなからないの」
普通の人間なら誰しも行う「言行から他人を信用するorしない」というプロセスを経れば、美琴は粗野なところもあるが好まれ信頼されやすい性格をしているだろう。しかし食蜂は信用判定を全て読心能力に頼ってきたので、それが効かないと美琴すら信用できないという、能力に由来する性格描写と関係性描写が大変興味深い。読心能力者がひねくれるのはよくある話だが、それでも食蜂は彼女なりの規範で総合的には善良な人物として成立しており、そして性格が物語にも影響を及ぼしている点が面白い。特殊な世界の特殊な法則で特殊な規範や物語が生成されるところが能力者ものやファンタジーものの妙味であり、それを堪能できるエピソードである。

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「初春はこれくらいで折れるほどヤワではありませんわよ」
佐天さんと黒子がどちらも初春を尊重しながら違うスタンスで接していることがわかる、多様な友情の形が見られるよいシーン。まあ佐天さんの言うように精神操作されているのは全員だし、食蜂の目的からすると美琴が動き出した時点でどのみちルームメイトの黒子は精神操作対象→結局3人とも操作されるので視聴者目線では初春のミスには見えないのだが。それはそうと花なし初春の別人感がすごい。
ちなみにこのシーンは原作では美琴&食蜂が会場突入した後の描写なのでアニメは微妙に再構成してある。今回は本編が少しEDに食い込んでいて全体的にちょっと早口に感じたので尺の都合があったのかもしれない。

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「あぁ〜そんなだから体型もお子様なんだぁー?」
「たっ体型は関係ないでしょおがッ!!」
一触即発のシリアスな口論をやった直後にこのしょーもないコミカルな口喧嘩である。原作では2話に分かれているがアニメで同じ話にまとめられたことで温度差がより激しくなって笑ってしまう。(ちなみに原作では運動音痴が運痴と略されていた。)食蜂の印象も前回までの「底知れない洗脳能力者」から「小学生並の運痴女子」へとギャップが激しい。このコントラストの強さが食蜂の魅力であり超電磁砲の演出力の妙と言える。

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【木原幻生】登場。超電磁砲無印の幻想御手(レベルアッパー)事件の主犯ではないが黒幕的な存在である。Sにもちょろっと登場している。食蜂が敵でないなら別の敵を用意しなければいけないが、シリーズ最初期から登場していた巨悪であれば敵役として十分な説得力がある。食蜂の関与を把握しておりラスボスに相応しい強キャラ感を漂わせている。

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さて、これまで各話感想で折りたたんで書いてきたネタバレ防止部分のほとんどは今回までの「食蜂を敵のように見せるミスリード」を保護するためのものなので、6話までの各話感想はネタバレ部分を展開していただいても大丈夫です。(7話の部分は大覇星祭編ラストまでお待ちください。)まだストーリー上のどんでん返しがないわけではないけど、ニコ動をコメントありで見てもまあまあ問題ないかもしれません。食蜂サイドが敵でないと判明したあとに見返すとなかなか面白いものがあると思います。カイツさんの「御坂美琴との思い出…とカ」とかね。




posted by ぺーた at 01:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2020年03月27日

デレマスコラボで始める方向け - シャドウバース初心者のススメ


「ま!まだやれ…ア゛ァ゛〜〜っ!!」
アとガの中間のようなうめき声に笑うしかない。最高。キャラをまったく知らないシャドバ勢が「なんとなく17歳っぽくない」という素朴な感想をつぶやいていたのでこれはCV三宅麻理恵さんの演技力の大勝利といって差し支えないでしょう。

というわけで、シャドウバースでは3/30リリースの新パック「ナテラ崩壊」より、アイドルマスターシンデレラガールズとのコラボが開始されます。やったぜ。これを機会にシャドバを始められるご同僚の方も多いことかと思いますので、どういうゲームなのかわからない…という方のためにいくつか書いてみたいと思います。
目次

ゲーム概要〜プレイするまで
ゲーム内容〜事前準備(デッキ構築)
ゲーム内容〜プレイング
おすすめ動画チャンネル・サイト


ゲーム概要〜プレイするまで
シャドバとは
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TCG(トレーディング・カードゲーム)と呼ばれるジャンルのゲームです。同じタイプの先達としては「マジック・ザ・ギャザリング」や「遊戯王」「ハースストーン」などがあります。1:1の対人戦でキャラクターを召喚するなどして相手を攻撃し、体力を削りきれば勝ちというタイプのゲームです。
プラットフォームについて
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スマホの他にPCでもできます。DMMSteamの好きな方を選んでください。自分はDMMでプレイしていますが特に不便は感じていません。既にスマホでプレイしている人もデータ連携が可能です。
課金の必要性について
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ソシャゲ勢には気になるところかと思いますが、無課金でも十二分にやっていけます。シャドバはeスポーツとしての競技性確立に注力している印象なので、この路線が変わらない以上は課金が勝敗に関わるようなシステムにはならないと思われます。課金要素は現状でリーダーやカードの見た目を変えるなど競技性以外の部分にとどまっています。ただ、始めたばかりの人が高レアリティのカードを収集するスピードを上げたいなら課金が必要になってきます。
一日のプレイ時間目安
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3回勝利のミッションをこなすことでテンポラリージェム(最高レアリティカードを各1枚ずつ獲得できるアイテム)が手に入るので日に30〜40分程度遊ぶことが第一の目安になります。他に一日のデイリーミッションが3つ発生するので、それらもやるならば1時間〜1時間半ほど必要になってきます。いわゆるスタミナ制ではないので遊びたい人は無限に遊べるシステムなので、ハマりすぎには気をつけましょう。


ゲーム内容〜事前準備(デッキ構築)
デッキとは
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対戦前に「デッキ」というカードの集まりを組む必要があります。使用する手札はデッキからランダムで補充しますので、使ってみたいキャラクター(以後フォロワーと書きます)やスペルを組み入れましょう。この時点で実力が出ると言っても過言ではありません。しかし……
上級者のデッキをコピーするのが一番強い
身も蓋もないですが強さを求めるならこれが一番です。「ウィッチ 連勝」等でTwitter検索するかプロの配信動画を見てください。というのも、その時々の環境においてどのカードが有効で何枚が適切かを判断するにはプレイ数を重ねた調整が不可欠なので、調整時間と判断力においてシャドバで飯を食っているプロ等上級者に素人がかなうはずがありません。さらに言えば、ローテーションフォーマットでは使えるカードが他のカードゲームと比較して少ないので、上級者も思い浮かばなかった「大穴デッキ」が存在する余地が小さいと言えます。つまり思考停止ではなく、理論上「完全コピーしたほうがだいたい強い」のです。ただ、プレイスタイルが合う合わないは確実にある(上級者の思考力でないと真価を発揮しないデッキが存在する)ので、合うデッキを選択しましょう。
デッキの組み方

とはいえデッキを組むこと自体が楽しみの一つですし、強いコピーデッキはレジェンドカードが多く最初は組めないことも多いと思いますので、基本的な組み方を紹介します。
コストカーブを意識(低コストを多めに)
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画像のようなコスト分布図が描く曲線をコストカーブと言います。序盤に高コストカードばかりを引きすぎないように低コストカードを多めに入れ、コストが上がるほど少なくするのが定石です。リーダーによってデッキの特性が違うので一概に言えませんが、ゲームの特性上2ターン目に2コストフォロワーを置けないと負けに直結することが多いので、ほとんどのデッキで共通して2コスト層を12枚〜15枚は確保したほうがよいでしょう。
フォロワーを多めに
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リソース観点で考えると、スペルは使うとなくなりますがフォロワーは場に残るので価値が高いと言えます。アミュレットも残るものが多いですが相手フォロワーに干渉できないことが多いので、フォロワーカードを多めに入れるのが定石と言えます。例外的なデッキも多いですが、基本的にフォロワー30〜34枚、その他6〜10枚くらいが適正です。
カードの種類は少ないほうが概ね良い
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初心者は「あれもこれも強そう」とデッキ内のカードの種類が増えてしまう傾向にありますが、選択肢が増えるとプレイングが安定しなくなるのでおすすめしません。カードの種類はデッキ確認画面で1画面に収まる程度、すなわち16種までに絞るのがおすすめです。
「切り札」とそれを引く手段を投入しよう
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フィニッシャーと呼ばれる「これを出して勝つ」パワーをもったカードを投入しましょう。明確な勝ち手段を設定することによってプレイングもわかりやすくなります。ただしフィニッシャー依存度が上がった場合はそれを引けないと話にならないので、カードを追加で引けるカードを投入しましょう。ドローソースと呼ばれます。ドロソは6〜9枚ほど欲しいところですが、コストの割に攻撃力等が低めに設定されている事が多いので注意しましょう。
例外として、相手の態勢が整う前に削り切る「アグロデッキ」や中盤に場を支配し続けて勝つ「ミッドレンジデッキ」というフィニッシャー不在デッキも存在します。カード資産が少ないうちはこういうタイプのデッキを使うのもいいでしょう。


ゲーム内容〜プレイング

シャドバは8リーダーそれぞれで戦い方が違う上に、同リーダー内でも複数のコンセプトがあったりします。(ウィッチの「スペルブースト」と「土の印」など)詳細なプレイングについてはデッキコンセプトごとに変わってくるので、ここでは多様なデッキに共通する基本的な戦術について記述します。
盤面(場)を強くしよう
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基本的なセオリーは盤面に強いフォロワーを並べて相手に処理を迫ることです。複数の選択肢があるときは、最も強い盤面を作れるほうを選びましょう。フォロワーは基本的に出したターンに攻撃できない性質上、先にフォロワーを並べたほうが有利になります。
カードの進化が勝負の鍵
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先にフォロワーを出したほうが有利なので、理論上先攻側が優勢を取り続けることになります。後攻側がこの状態を打破するのが「進化」です。ステータスを上げて即攻撃できるので、攻守が逆転できます。この時、進化攻撃で相打ちになってしまうとまた相手に先手を取られるので、なるべく生存する選択肢を選びましょう。
4T〜6T目の進化の応酬を経て、進化権が切れると先手を取るのが難しくなります。その場合スペルや「突進」、ダメージ効果持ちフォロワーを駆使して盤面を取り返しましょう。相手のフォロワーをあえて残し進化権を温存するテクニックもありますが、初心者の方はそれで負けるケースがありがちなので個人的にはおすすめしません。
マリガンの重要性
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初期手札をプレイ前に任意で交換することをマリガンと言います。このとき、デッキに戻したカードを引くことはありません。(複数枚入れている場合は同名の別カードを引くことはあります。)基本的に序盤動くために低コストをキープすることが多いですが、どうしても必要なキーカードがあるデッキでは低コストを戻してでも引きに行ったほうが勝率が上がることもあります。デッキの特性を把握したらマリガンも工夫してみましょう。ゲーム最初の行動ですが、ノーコストで最大3枚ドローできて考えることも多いので、プレイ中の一手一手よりも戦術的価値が高いと言えます。
相手の次の行動を予測しよう
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将棋などと比較して、相手手札の「非公開性」と「ランダム性」が相手行動が読みづらい要因と言えますが、逆に選択肢は少なめなので、数手先までは難しくても、直後の1手だけ読むことはさほど難しくありません。各リーダーの強力な行動を覚えて対応できれば中級者以上と言えます。例えば相手がネクロの5T目なら【永遠の花嫁・セレス】の交戦時3点ダメージに耐える体力4以上のフォロワーを残す、ビショップの進化ターンなら【聖弓の使い手・クルト】と相打ちになる攻撃力5/体力3以上を残す、などです。これができれば勝率がかなり変わってきます。


おすすめ動画チャンネル・サイト
むじょっくすTV


ゲーム攻略サイトGamewith所属のくすきさん(@bido_sv)と元Gamewith現無職のむじょるさん(@mujol_sv)によるチャンネルです。お二人のやりとりがコミカルで面白いのですがプレイングや解説に関してはプロ級の手練で大変参考になります。リーダー問わずに話題になる強力デッキやおもしろネタデッキなどいろいろなデッキを紹介してくれます。更新頻度も高いのでチェックしておいて損はないでしょう。
ファミ通App


カリスマゲーマータイガー桜井さん(@tiger_sakurai)、横浜・F・マリノス所属のプロ選手あぐのむさん(@agunomomoclo)、デッキビルダーウルフ北河さん(@urufu_kitagawa)、釣りYouTuber岩田ジュビ漏さん(@iwatajubilou)によるファミ通Appのチャンネルです。こちらもリーダー問わず強力なデッキを紹介、解説してくれるので参考になります。環境後期には「俺たちのRAGE」という対戦企画も毎回行っており、特に桜井さんVSあぐのむさんは毎回思考レベルの深い名勝負になるのでおすすめです。
プロ選手のチーム・個人チャンネル

プロチームのサイトを紹介します。個人チャンネルを持っている選手もいますのでチェックしてみてください。ちなみに僕の推しチームはレバンガさんです。
プロリーグ公式ページ https://rage-esports.jp/league/sv/
AXIZ https://axiz.gg/
auデトネーション http://team-detonation.net/
G×G https://gxg.tokyo/
名古屋OJAベビースター http://www.nagoyaoja.com/
福岡ソフトバンクホークスゲーミング https://gaming.softbankhawks.co.jp/
横浜・F・マリノス https://twitter.com/@prompt_fmarinos
よしもとLibalent https://www.teamlibalent.com/
レバンガ☆SAPPORO https://www.levanga.com/esports/

シャドバグランドマスター昇格記念2003.JPG
以上です。理解難度の高いゲームではありますがこの手のゲームとしてはカジュアルに楽しめる工夫がされているとも思います。対戦ゲームはどうしても片方が負けるので常に誰しもが満足というわけにはいきませんが、その分勝利時のカタルシスは代えがたいものがありますので、長く続けていただけると幸いです。
何かご質問がありましたら、コメントか僕のTwitter(@peta_)までお気軽にリプライください。



posted by ぺーた at 09:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム

2020年03月06日

とある科学の超電磁砲T 7話感想 記憶のない状況で描かれる美琴・黒子バディの信頼

7話 Auribus oculi fideliores sunt.(見ることは聞くことより信じるに値する)


※原作未読の方はコメントオフでの視聴を強くオススメします。
あらすじ
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ミサカ妹の子猫の記憶を読んだところ、佐天の知る都市伝説サイトの名前が浮上する。
佐天は電話で内容を美琴に伝えるが、美琴は通話中に初春と美琴母を人質にした警策に脅迫される。
美琴は警策の発言から食蜂とは別勢力であることを推測、駆けつけた黒子の助力で警策を撃退する。
美琴は佐天の推理を元に初春のPCデータを復元し、都市伝説サイトに食蜂の姿を確認する。
感想
前半の伏線や布石が回収へと向かう一方で、当面の敵と目される警策が本格的に登場し新たな伏線を張っていく、物語の加速を感じられるエピソード。

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美琴の捜索について思案する食蜂派閥メンバー。No.2である帆風さんがいないが競技中だろうか。ちなみに指示を出す生徒が原作から別の子に変わっている。「女王」呼びについては泡浮さんもちょっと引き気味で面白い。佐天さんが食蜂の存在を意識して推論材料にする布石が置かれている。

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子猫の記憶から出てきたラテン語、おうりぶす・おくり・ふぃでりおれす・すんと。日本語の「百聞は一見にしかず」と同様の格言のようだ。湾内さんもだがこの猫フードの子もラテン語であることを理解しているように思える。ラテン語を読める中1とは……常盤台中学のレベルの高さが伺える。しかし一介の庶民である佐天さんも理解したものとして伝言を頼むところに天然ぶりを感じる。特に言及されないがこの情報で湾内さんにもバルーンハンターで体操服を貸したのがミサカ妹であることが推測できるのではないだろうか。

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美琴は覚えていないのにその母の美鈴は覚えている初春。食蜂による記憶操作が美琴のことに限定されているのがわかる。佐天さんにおけるゲコ太の認識が「友人が好きなマスコット」なのと同様に「友人の母親」という認識になりそうだが、名前を知っていたので違和感が表面化しなかったということだろうか。

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美琴と絡むことに対して気乗りしない黒子。これこそ原作通りで安心したのだが、それはそれで前回意識した感情はどこへ行ってしまったのか……。佐天さんが記憶操作を疑い出すのだが、前述したように食蜂を意識したことや電話番号が登録済みであることなど複数の布石がそつなく配置されている。それでもかなり突拍子もない思考なので常識的な黒子は全く納得してない点が面白い。そして原作通り佐天さんが黒子に対してタメ口になっているのだがそれなら2話4話で敬語に変えていたのはなんだったのか……。別に改変しなくていいところで改変したりしなかったりとブレが激しいのが気になる。

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【警策看取(こうざく みとり)】登場。この時点でわかるのは液体金属を操る能力者であることと、妹達を探していることくらい。「暗部の情報をフル回転して探しても見つからない」とのことだが、あの子ら普通に街をうろうろしているような……。ここでようやく美琴視点でも食蜂と警策・馬場が別勢力であることがわかるのだが、美琴がそれに気づいたモノローグをアニオリで入れていてわかりやすい。


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「何者か知らないけど私の友達を襲ってまで何がしたいわけ?」
「私に言わせれば美琴ちゃんのほうがよっぽど異常だけど」
細かいことだが会話がイマイチつながってないように思える。あんたたち異常よ、という旨のセリフを省略したような違和感がある。ちなみに原作通りである。後の展開に必要な会話なので、不備でないなら警策が無理やりこういう会話に持っていったのかも知れない。

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交渉決裂で静から動へ移行するシーンなのにBGMが静なままなのがちょっと気になる。黒子登場の瞬間が無音になるのはいいのだが。警策の能力だが、液体金属の遠隔操作となると通用しない攻撃がかなり多いので相当な難敵に思える。馬場くんの能力分析に倣うなら操作できる塊の数に上限があるはずなので超電磁砲で吹っ飛ばし続ける戦術なら通用するかもしれない。短めのバトルだが主人公美琴の能力の有用さ、頭の回転の早さ、そしてたとえ他人であっても正義を全うする黒子への強い信頼が示されるいいシーンである。

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「こっちとしても美琴ちゃんに死なれちゃうと困るしね」
「脈はありそうじゃない?」
警策勢力が妹達だけでなく美琴にも用があることを匂わせている。いろいろと想像はできるが真相が分かってしまうほどではないレベルの絶妙な伏線。

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美琴のこの笑顔は原作に勝るとも劣らない破壊力。漫画においてはコマの大きさで強調されている印象的なシーンだが、アニメは画面の大きさが固定で変にエフェクトを入れたりするとギャグっぽくなるので、単純な作画の良さだけで表現されていて素晴らしい。黒子を呼び捨てにするのは変わらないが接する距離感は若干よそよそしくなっており、こういう説明自体普段の二人ならしないやり取りなので、記憶がないシチュエーションを最大限に活用したシーンと言える。それはそうと説明シーンのBGMがちょっとほのぼのしすぎなような……前述した交渉決裂シーンといい、今回はBGMの使い方がちょっと気になった。

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「わたくしにはそのような趣味はありませんのぉ〜」
なんとも初々しい。ここからどうやってあんな変態に……。大切な人を忘れないという安直なセンチメンタリズムではなく、記憶は失っても性格・嗜好までは変わらないために歴史を繰り返す形で記憶操作能力への超克を描いているところがいい。過去の黒子が美琴に惹かれていった過程はあまり明らかになっていないが、今後重要なエピソードで回想されることもありえるので期待したい。

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「点と点をつなげた乱暴な推測ですけど…」
このエピソードで急に賢くなったように見える佐天さん。まあ前回書いたようにもともと頭の回転が早く機転が効くタイプなのは確かで、さらに都市伝説ネタを好むので飛躍した想像力が身についているのかも知れない。婚后さんがまず自身を疑う視点を持っていたように、佐天さんには都市伝説ハンターとしての視点があり、それが有効な場面だったのだろう。

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ストーリーがやや複雑になってきたので整理すると、美琴視点でも警策・馬場は食蜂と別勢力であることが濃厚になったが、ミサカ妹を確保し、捜索を妨害しているのが食蜂と見られるのは変わらないので美琴が追う対象はやはり食蜂、という状況である。

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さて次回は大覇星祭編において婚后さんトリオの戦いに匹敵するほど好きな、かつ重要なエピソード……なのだがなんと総集編が二週挟まれるようだ。今回のように新型コロナウイルスの影響とは言われていないが、騒動が収束したわけではないので少なからず影響はあるだろう。まあ待つ分にはいくらでも待つのだが、総エピソード数が当初の予定から減ったりしないかだけが心配である。




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2020年02月26日

とある科学の超電磁砲T 6話感想 湾内さんらサブキャラの躍動で描くベストバトル

6話 開戦


※原作未読の方はコメントオフでの視聴を強くオススメします。
あらすじ
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佐天は婚后と子猫を抱えて離脱し、湾内と泡浮は馬場と対決する。
二人はナノデバイスを囮に分断されるが、二人の能力と戦術が馬場の洞察を上回り勝利する。
佐天は婚后が運ばれた病院で美琴と遭遇、美琴は婚后に付いたデバイスから馬場の位置を割り出す。
アジトへ逃げた馬場は巨大ロボットで湾内らに復讐を目論むが、現れた美琴がそれを撃砕する。
感想
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T:GD(タイプ・グレートデーン)の攻撃を泡浮さんが反らして湾内さんが撃破する連携など、漫画媒体では表現しきれない具体的な動きが描かれていて大変見応えがあるエピソード。湾内さんの水が流麗で美しい。ジャンプした相手をさらに浮かせて着地点をずらす戦術などは普段から能力を活用していないととっさには出てこない発想だろう。今回は能力者バトルの魅力が詰まった前半の山場で、サブキャラである湾内泡浮ペアの戦いだが個人的には超電磁砲のベストバトルの一つだと思っている。

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泡浮さんの能力について馬場に聞こえないように小声で確認する佐天さん。性格の粗忽さは否定できないが頭の回転は早く、いざという時に機転が利く印象。ちなみに子猫を手招くシーンはアニオリ追加描写。細かい。どうでもいいがこういうフィクションの動物を見るたび我が家の犬猫は人の言うことを聞かないので羨ましくなる。

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上司らしき謎の人物(警策看取)からの電話を嫌そうに受ける馬場。「はい」が本当に鬱陶しそうで笑ってしまう。後述するが主人公側チームの行動と対照的なものとして描かれている。ここではT:GDへの指示を声に出しているが後半では馬場の思考を読み取っているようにも見える。「博士」産のロボットなのだろうがすごいテクノロジーである。

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美琴を意識する黒子。実はアニオリシーンなのだがこれは正直まずい印象。一部、先の展開について言及するので以下に折りたたむ。

記憶を失っても大切な人のことはかすかに覚えている――というのは創作物によくある展開だが、少なくとも超電磁砲はそういうセンチメンタリズムよりも異能の効果のほうが容赦なく優越する傾向にあるので作風とも合致していない。これまでのアニオリは花火のシーンなど良いものも多数あったが今回のこれは評価しがたい。とはいえアニメと原作はそれなりに雰囲気が違うので、アニメのみの視聴者に向けた描写としてはさほど違和感はないかもしれない。

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「私を殺してでも止める覚悟がないなら――どいて」
目付役の二人の実力を描いたことで、言葉と気迫だけでその二人を退ける美琴の凄みが強く伝わるシーンになっている。美琴の顔を映さないところが想像力を掻き立てられる。馬場が食蜂の手先でないことは婚后さん視点では濃厚なのだが、美琴視点ではわからないので食蜂にヘイトが向かっている。各キャラクターがそれぞれの個別視点で動くストーリーは複雑だが面白い。


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「常盤台生の嗜みとして多少の護身術は心得ています」
湾内さんは入学したてのときにチンピラ(湾内さん曰く「粗暴な殿方」)に絡まれていたところを美琴に助けられた経験があるのでそれ以降に護身術を身に着けたと思われる。お嬢様学校ながら常盤台のカリキュラムが剛健そうなところが想像できる。争いを好まない湾内さんが暗部の馬場の裏をかけるのだから、戦術・戦略的なものを教える授業もありそうである。

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「えっと……実はわたくし、意外と力持ちなんですよ?……なんちゃって。」
大きく跳躍する泡浮さんが美しい。勝利のキメ台詞がいまいちキマってないところがかわいい。他人に勝っても勝ち誇った経験はなさそうなのが伺える。泡浮さんの能力はレベル3の「流体反発(フロートダイヤル)」で浮力を操作する能力。アニメではSの後半で判明しているが、原作ではここが初お目見えなので読者も能力を想像して楽しめるようになっている。

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「それくらいの悪知恵、わたくしにだってはたらくんですっ」
湾内さんのドヤ顔かわいい。原作でもアニメでも、この決着のシーンまでに勝利の決め手となった排水溝が画面端にちらちら映っているのが上手い。馬場の分析は上限数以外は正確と思われるだけに、彼の慢心で誤謬の可能性が見えなくなる「策士策に溺れる」失敗が実に生々しい。文字通り溺れてるし。前回の、美琴に相談されたときに自身の無謬をまず疑った婚后さんとの対比になっているように思える。友情のために見返りなしで体を張る婚后さんトリオと、手柄を欲張って味方の増援を拒む馬場という点も対照的で、勝敗に必然性と説得力が生まれている。

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馬場くんのイキリ顔とやられ顔がいちいちぬるぬる動くので吹き出してしまった。力を入れるところがおかしい(称賛)。アニメは動かすために線が少なくなるので原作ほどの迫力を感じないシーンもあるが、ここは原作を凌駕したと言っても過言ではないだろう。またCV林大地さんの演技も実に多彩で、冷静な洞察、下卑た勝利宣言、劣勢時の狼狽、邪悪な画策、みっともない悲鳴、恐怖の絶叫と前回以上にお見事で各所から称賛の声が上がっている。→Abema TIMES - アニメ「とある科学の超電磁砲T」第6話は馬場役の声優・林大地の演技が見どころ? 視聴者「ほんと最高」


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「若輩者が知ったような口をきいてしまいました」
「いえ、あの方自身のためにも言わなければいけないことだったと思います」
ビンタとお説教で済ませる湾内さんやさしい。泡浮さんも「考えを改めるきっかけになればいい」。聖女か。それに対する馬場くんの反応は「小娘どもが僕を見下しやがってえええええ」という絶叫。馬場くんさぁ……。そんなだから唯一OPからハブられるんだ。「そこそこ優秀でなおかつ全く同情できないクズ」という悪役の見本のような男である。清廉すぎる湾内ペアとのコントラストが眩しい。

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Q.「なんでここに御坂美琴がいるんだあぁッッ!」
A.バルーンハンターで無力化できてなかったからです。しかも「そうかこいつが妹達!」と勘違いに勘違いを重ねる始末。結局のところミサカ妹を美琴と誤認したことがつまづきの始まりで、ここも婚后さんと対照的なので婚后さんには戦う前から負けていたとも言える。

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馬場くんお仕置きシーンのBGMは言わずと知れた無印後期OP「level5-judgelight-」のアレンジである。個人的にはかなりぐっとくるものがあったのだが、演出として賛否はそれなりに分かれているようだ。というのもこのシーンの解釈は二通りあり、それは
・「最強の主人公が狼藉者を懲らしめるシーン(例:暴れん坊将軍)」と
・「最恐の追跡者が主人公を追い詰めるシーン(例:ターミネーター)」の二つ。
この作品の主人公は言うまでもなく美琴だが、この話に限って言えば馬場視点で描かれているために後者のターミネーター型展開にも見えるのである。美琴も怒髪天を衝いているのでその場合はもっと恐ろしいBGMが相応しいと言える。ただ馬場が地上波で流せないようなゲス報復を画策しているので暴れん坊将軍型演出(いわゆる「処刑用BGM」)もカタルシスが強いため、どちらが正解とも言えない。漫画なら両立できるところだが、音のあるアニメならではの悩ましさと言える。


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黒子のアニオリ部分はかなり気になったがそこ以外は作画・動画・演出・ボイス・BGMと非の打ち所がないクオリティだった。さて7話だが、なんと新型コロナウイルスの影響で1週遅れに。21日は6話が再放送されて馬場くんが再びお仕置きされたのだが、28日の放送は大丈夫なようだ。スタッフさんの無事を祈るばかりである。みなさんも予防並びに身体の対抗力を保つようにご自愛ください。





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2020年02月14日

とある科学の超電磁砲T 5話感想 婚后さんの性格ギャップと名悪役・馬場が見どころ

5話 信頼


※原作未読の方はコメントオフでの視聴を強くオススメします。
あらすじ
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美琴はミサカ妹捜索を婚后に頼み、婚后は手がかりとなるミサカ妹の子猫を発見する。
馬場も何者かからミサカ妹捜索の任務を受け、関連のある婚后と湾内の会話を聞き接触する。
戦闘になり婚后が圧倒するが、馬場は子猫を狙った戦術でナノデバイスを打ち込み無力化する。
馬場は婚后に暴行し連れ去ろうとするが、そこへ佐天・湾内・泡浮の3人が駆けつける。
感想
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「その解説者、なかなか見る目があるようですわねえ」
全世界の婚后さんファン待望のメイン回である。ここは原作だと褒められて照れていたのだがアニメでは自信満々。原作との微妙な性格の違いを意識したものだろうか。美琴を通り名で呼び愚痴る黒子を見て3人とも怪訝な表情をしているが、確かにそんな非現実的な状況を目にしたら面食らうというものである。このシーンがあることで婚后さんが美琴の話をすんなり受け入れる下地ができている。

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「白井さんてこんなに出場する予定だったんですね」「ほんとだ、それもペア種目ばっかり」
「ペア…?」
美琴の記憶だけが抜けたことで生じる違和感をいぶかしむシーン。原作だと転入したばかりの婚后さんと初春佐天の接点が美琴の記憶なしでは齟齬が生じる、という描写なのだがアニメでは春から婚后さんと友人なので、黒子がペア相手を思いだせないという描写に変えられている。ここまで婚后さんまわりのつじつまあわせは微妙なところもあったがここはお見事である。

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婚后さんを頼る美琴。原作ではかなりためらった感じだったがアニメではそうでもない。アニメでは友人になってからそれなりに経っている上に、美琴はS後半で友人を頼ることを覚えたので地味ながらいい改変だと思う。
風船サンドの競技シーンは残念ながらカットされてしまった。湾内泡浮ペアが駆けつけるところで終わるには尺がギリギリだったと思われるので仕方のないところか。美琴が「いつもの黒子」を想像しているところがつらい。変態黒子の姿もしばらくお預けであるせいか新井さんの演技にいつもより気合が入っていたような気がする。

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「わたくしも既に食蜂操祈に洗脳されているかもしれないからですわ」
ミサカ妹が倒れた原因が食蜂にないこと、食蜂の目的が時間稼ぎであることを看破するなど今回の婚后さんは終始冴えているが、最も明晰なのはここだろう。まず自身の無謬を疑うという客観的な視点を持てることがすごい。超能力のないリアル社会でも大事な視点であり、自負心が高すぎる人間には備えづらいものだと思う。表面上はポンコツ高飛車お嬢様だが内面の性格は清廉で謙虚で篤実で高潔で品行方正で聡明剛毅な婚后さんの、ギャップのある個性が魅力的なシーンである。CV寿美菜子さんの落ち着いたクールな演技がカッコいい。これまで要所でコミカルな演技を披露していたことも効いている。

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「ラヴリーミトンのゲコ太モデルですわね」
迫真。名前も明らかでなかった帆風さんが人気を博した要因がこのシーンだろう。ゲコラーガチ勢同士のオタク会話がシリアス展開の中の癒やしである。(ゲコ太に原作あるんだ……。)帆風さんのCVは津田美波さんでアイドルマスターシンデレラガールズの小日向美穂役でおなじみ。美穂と比較するとかなり大人っぽい演技になっていて同じ演者さんとは思えない。中3の帆風さんのほうが年下だがやはり縦ロールお嬢様といえばルーツのお方のように成熟していてしかるべきということか。

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原作では犬に吠えられていたがカラスに変更されている。担当編集氏のTwitterによれば学園都市に野良犬がいるのは不自然という判断らしい。なるほど。

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オペレーションルーム的な場所でロボットからの音声を聞く馬場。聞こえてくる街の声だが原作では禁書のキャラっぽいものがいくつかあったのだがモブの声になっている。さすがにたった一言のためにわざわざ井口裕香さんや甲斐田裕子さんは呼べなかったか。アニメ媒体で見ると馬場くんがこの場所から町中まで即座に出てきたように見えてちょっと面白い。ずいぶん近くに居たんだな。

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この二人はまだ名前も能力も判明しないが原作でも後々登場するので食蜂派閥の中でも実力者、おそらく3年と思われる。帆風さんをはじめ天然気味の子が多いので美琴の棒読み言い訳を信じてそうである。美琴は「振り切ろうと思えば振り切れそう」と考えていたが彼女らの実力を見るに、やれるとしても相当骨が折れるのは想像がつく。

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「観念するのはアナタの方だったようですわね!」
MI☆TSU☆KO!MI☆TSU☆KO!!さすがは常盤台の風神、出力だけで見れば美琴に引けを取らないのではと思わせるド派手な戦闘。巨大なパラボラアンテナを倒してぶつけるところはさすが動きがある分原作以上の迫力を感じる。あれを弁償するのにいくらかかるのか想像もつかない。原作では電波塔でも飛ばせるというイメージ映像だったが前作Sでのアニオリを受けて大型重機を飛ばす絵になっている。馬場くんもあの戦いを調べておけばこうはならなかっただろうに、やはり今年度の情報収集を怠ったようだ。使えねえ男である。

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「その上与えられた役割も果たせないんじゃ三↑流以下だよねェ〜?」
馬場ァー!!許さん。悦に浸っているところ悪いが自分こそ本物の美琴を無力化できていないので完全にブーメランが刺さっている。この馬場にムカつけばムカつくほど湾内さん泡浮さんの怒りに共感できるので見事なヒールっぷりと言える。芝居がかった余裕の喋りが婚后さんに痛いところを突かれた途端に感情むき出しになるところがいい。CV林大地さんが3話で期待した以上の名演を見せてくれている。馬場の心の内や過去は少なくとも超電磁砲ではわからないが、サブタイトルの「信頼」という概念において婚后さんと馬場に激しいコントラストが生じているように見える。
馬場役林大地さんのツイートを紹介。次回も楽しみである。
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「友人への侮辱に怒りを抑えられそうにないのはーーわたくしたちも同じですから」
超電磁砲全編通しても屈指の名シーン。ざわりと波立つ水面は湾内さんの能力によるものだろうが、緊迫感の表現としても機能している。2話の「ケンカどころか怒ったこともない」という2人の会話がここで活きてくる。丁寧な布石が物語の盛り上がりを大きく後押ししてくれている。

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婚后さんはアニメ無印においては主にかませ犬的ポジションを持ち、今回も戦闘結果としては敗北で湾内泡浮ペアの名シーンを引き立てる役を負ってはいるのだが、それでもこのエピソードで婚后さんを好きになった人は多いだろう。アニメでの役割を踏襲しつつ彼女の魅力を最大限に描く見事な展開である。さて、5話まで感想を見てくださった方は察していただけると思うが僕は湾内さんと泡浮さん推しでもある。6話の活躍が楽しみで仕方がない。




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2020年02月07日

とある科学の超電磁砲T 4話感想 食蜂の脅威を見せつけるホラー的演出

4話 改竄


※原作未読の方はコメントオフでの視聴を強くオススメします。
あらすじ
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初春が都市伝説サイトをめぐる情報撹乱を感じて調査するが、それをカイツに検知される。
大覇星祭の一日目が終了。二日目、ミサカ妹が倒れたことを美琴が知って行方を捜索する。
救急隊員の証言の矛盾から食蜂の関与を確信するが、洗脳された綿辺教諭に監視をつけられる。
食蜂派閥の監視下に置かれた美琴は黒子に頼ろうとするが、黒子達は美琴の記憶を消されていた。

感想
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アバンはアニオリシーンだが黒子と仲良く屋台をめぐりつつミサカ妹のことを思う美琴、という後半への前フリとして機能している。

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「「すみませんでしたっ!」」
モブの大人と揉めるシーンが重なる回。美琴としては前作SでDNAの流出が原因で大変な思いをしたわけで、それを防ぐ仕事には敬意を払ってしかるべきなのでこれは土下座もやむなしである。佐天さんのトラブルメーカーぶりも健在。
「二人とも日頃からわたくしの言っていることを聞いていれば……」
美琴に小言を言う黒子のシーンは多数あり、心酔しているとはいっても盲信ではないところが伺える。

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原作ではここの描写は「なにか不穏な伏線」程度だったがアニメではカイツが検知するシーンとこの手袋で食蜂の関与が分かりやすくなっている。アニメは書籍媒体と違ってファン以外の人も多数見るものなのでこういう分かりやすい描写のほうがいいかもしれない。

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祭り初日の終わりをそれぞれ過ごすキャラクターたち。佐天さんが初春を紹介しているのは家族だろうか。婚后さんと一緒にいるのはお父さん。婚后さんと父親の「桃李成蹊」のエピソードは今のところ原作のみの描写だが、アニメと矛盾せずなおかつ彼女を描く上で重要な部分なので、今期のどこかで描写される可能性はある。やるなら6話冒頭か大覇星祭編最終話あたり?ちなみに婚后父は御坂父の友人であることも匂わされているが、その娘・美琴と友人になったことをここで話しているかもしれない。

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「じゃあ、またみんなで来ようね」
アニオリ部分だが今週のラストを思うとなかなか強烈なフラグとして機能している。

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「差し出がましいかもしれませんが…わたくしの体操服はいつごろ…」
憧れの先輩に催促するのが気が引ける奥ゆかしい湾内さん。かわいい。それはさておきここ以外で出てこないホテルの作画が異様に凝っていてすごい。

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最初から双子の妹と言っていれば狂言扱いはされなかったかもしれないが、美琴としては自分に「妹」がいることを隠したかったので止むなしか。実際に「レベル5の電気使い」と個人特定されたので有名人はつらいところ。それにしても焦っていたとはいえ短気は損気である。前日の黒子の小言を思い出せばまた違った結果になったかもしれない。

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「違ったルートにきて結果オーライですね」
佐天さんは原作では大覇星祭編の時点で黒子にタメ口になっているのだがアニメでは敬語である。2話でもそうだったのでたまたまではなく意図的な改変かもしれない。

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「盗られたもの……そうですネ。御坂美琴との思い出……とカ」

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食蜂の派閥メンバーたち。原作と違って常盤台の「派閥」についての説明がないのがやや不親切だが、まあだいたい言葉通りの意味である。常盤台におけるグループ活動の名称で、一般的な意味よりは多少厳密なくくりのようだ。このひときわ目立つ縦ロールの少女は派閥ナンバー2の3年生で【帆風潤子(ほかぜ じゅんこ)】さん。長らく名前が明らかにならずファンにはずっとそのまま「縦ロールさん」と呼ばれていた。

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洗脳されていた綿辺先生。美琴の主張を頭ごなしに否定しなかったり、生徒思いの思慮分別に富む教師のように描かれていたし実際そうなのだろう。だからこそ衝撃的なシーンである。食蜂はこの場におらず、美琴が救急隊員と揉めることも正確に予測するのは難しいだろうし、あらかじめ「最適化」に都合のいい行動を取るよう指令がセットされていたと思われる。

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この十字の光が瞳に現れると食蜂に洗脳されている証である。ほとんどの人はそう分かると思うが説明がないので若干ハイコンテクストな描写と言えるかも。アニメで若干目立つデザインに変更されているのは違和感を大きくするためか。切り込みを入れた椎茸を上から見た状態に似ているので「目がしいたけ」「しいたけ状態」などと言われる。転じて食蜂自身がしいたけと言われることもあるが別にこの作品発祥のスラングではない。
参考↓


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黒子を後ろから映す構図がすでに穏当ではない。今回のTはストーリーはかなり原作準拠だが、画面の構図は原作から変えているシーンが多くて興味深い。原作の冬川基先生は非常に視線誘導が巧みな作家なので、コマ割りの概念がないアニメでは同じシーンでも有効な構図が違うという判断なのかもしれない。

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「人の名前を気安く呼ばないでいただけますか?馴れ馴れしいですわね」
あの黒子に馴れ馴れしいと言われる美琴。誰も信じてくれず、教師すら洗脳されており、食蜂の能力の恐ろしさを嫌というほど見せつけられた最後に一番破壊力があるダメ押しがこれ。視聴者のストレスが心配になるほどの物語の谷である。BGMが完全にホラー。アニメの無印は当時の原作よりもこの4人組の絆を推していただけに、アニメ視聴者にとってはこの3人に忘れられる美琴という構図はより衝撃が大きいのではないだろうか。

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美琴のことを忘れた黒子に変態感が微塵もないのがスゴい。ただの真面目で優秀な風紀委員である。CV新井里美さんの名演が光る。しかし結果的に助力を諦めたとはいえ、いつもの黒子だったらどう頼むつもりだったんだろうか。こっちもどう説明しても「妹達」に触れると思うのだが……。

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「わたくし婚后光子におまかせくださいませ!」「え」
次回予告は基本ギャグだがこれはアニメにおける美琴との関係性を現していて面白い。原作では「お互いに初めてできた同年・対等の友達」という、より初々しい関係なので違いが見える。さて、4話まで感想を見てくださった方は察していただけると思うが僕は婚后さん推しである。5話の活躍が楽しみで仕方がない。「信頼」というサブタイトルがもうエモい。





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2020年01月31日

とある科学の超電磁砲T 3話感想 満足度の高い映像化だが気になるところも

3話 バルーンハンター


※原作未読の方はコメントオフでの視聴を強くオススメします。
あらすじ
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ミサカ妹が美琴と勘違いされ、代わりに「バルーンハンター」に参加し活躍を見せる。
何者かに美琴の無力化を依頼された馬場が競技に介入、隙を作ってミサカ妹に何かを注入する。
競技の後、ミサカ妹は路地裏で倒れ、そこへ食蜂とカイツが姿を現す。
感想
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モニタの絵の作者、「はざまや かな」は手前の女児で、無印で美琴が固法先輩と風紀委員の仕事をしたときと、アルミ缶が爆弾になる事件のとき登場した子である。原作の小ネタを拾ってお父さんと祭りを楽しんでいるカットをわざわざ用意する姿勢が嬉しい。

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手違いで競技に参加するミサカ妹を見守る謎のゲコ太仮面。ケロ蔵だっけ?声がめちゃくちゃ優しくて姉性にあふれているが一体誰坂美琴なのだろうか。

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美琴の無力化を狙うも入れ替わっていることに気づいていない馬場くん。周りに普通に馴染んでいるがこの高校の生徒なのだろうか?自分の通う高校がたまたまターゲットと対戦することになったのならなかなかの偶然である。CVは林大地さんでおそらく今回最もセリフの多いキャラだが、本性を隠しているときの芝居がかった感じが明解で面白い。馬場というキャラが視聴者にもわかりやすく、今後もヘイトを集める演技を見せてくれそうで期待が持てる。

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先週も登場した婚后さんの取り巻き(?)の一人切斑芽美さん。レベル4と言えば黒子や婚后さんらと同格、人によってはスピンオフの主役も張れるレベルである。しかも念動力者なのでこの競技では本来出るはずだった美琴に並ぶエースと言っても過言ではない……のだが見事なかませ犬にされてしまった。かわいそう。高慢なお嬢様キャラが少ないので今後の登場に期待。

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こちらもかませ要員の常盤台生、小囃子早鳥さん。常盤台生は1年でも全員レベル3以上なので、3年とはいえレベル3の小囃子さんが司令塔を務めるのは違和感があるが、それだけ念話系の能力者は希少なのかもしれない。この子は食蜂の「派閥」(常盤台におけるグループ活動の名称)メンバーであり後にも登場する。

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「エカテリーナちゃん……ネズミは一日、一匹まで……。」
婚后さぁーん!BGMが笑わせにきている。取り巻き(?)二人を守りつつ、レベル3を含む敵七人と相打ちする活躍を見せる。さりげなく靴が汚れているのがいい。

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「あの子転入生らしくデータほとんどなかったんだよなあ」「転入したてであんなにエラソーなのか?」
ほぼ原作通りのセリフだが、アニメの婚后さんは春には常盤台に在籍しているので転入したてと言われると微妙(劇中は秋)。無印とSで派手にバトルしているのでデータがないのもやや不自然。まあ馬場くんが今年度分の収集をサボったのかもしれない。原作通りが素晴らしいと先週書いたものの、この辺はアニメと辻褄が合うように改変しておくべきではないだろうか。ちなみにアニメ視聴のみの人からすると、婚后さんが転入生である言及が実に10年3ヶ月ぶりなので覚えていない人も多いのでは……。

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「御坂選手、群がる無数の手をかわす、かわす、かわすーーッ!これはすごい!!」
先週に続いてアニメ映えするシーン。個人的に楽しみにしていたところで、アクロバティックで激しいモーションを堪能できて満足度が高い。美琴の「私より粘ったと思うわ」の言葉の通り、能力では姉に劣ってもフィジカルでは妹が勝りそうである。ちなみに初見の方へ、「1万回以上の戦闘」とは1話感想で書いた「妹達を殺害する実験」のことである。詳しくは前作Sを見て欲しい。

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アニオリシーン集。ミサカ妹が倒れる印象的なシーンで区切るためか尺に余裕を感じる。初春の特技や常盤台中学の解説の他、黒子がミサカ妹の競技を「見ていない」ことを描写するのは面白い。婚后さんが違和感を覚えたのだから、黒子ならモニター越しでも美琴でないことに気づいたかもしれない。あと湾内さんの「御坂様すごいですにゃーん♪」が破壊力甚大。かわいい。

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「御坂さぁん、のんきにランチタイム?」
ここは原作ではミサカ妹が倒れた後のシーンである。時系列を入れ替えたためにニュアンスの違いが生じているのだが、ネタバレになるので初見の方は8〜9話の後あたりにまた見に来てほしい。


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【上条当麻】登場。スピンオフ元である禁書の主人公にして美琴の想い人である。誠実・善良と言えるがそれよりも超の付くお人好しという表現が似合う人物。レベル0だが異能の力ならなんでも打ち消す右手「幻想殺し(イマジンブレイカー)」を持っている。あと体力と耐久力が人間のそれではないとファンの間ではよく言われる。ごく普通に登場したがTで姿が出てくるのははじめてなので(OPに姿はあるが)アップのカットを入れるなりすべきだったのでは。2話で御坂母たちが言及していた「ツンツン頭の高校生」は彼。

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「……はじめまして上条さん。」
何故か名前を知っている食蜂。


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「超能力(レベル5)とかといっしょだよ!」「……。」
レベル0である佐天さんの能力への憧れを汲んで天を仰ぐ初春。セリフでなく間と仕草で表現する、地味ながら二人の友情がうかがえるいいシーンである。

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倒れるミサカ妹、そこに現れる食蜂とカイツ……という物語の急進を予感させる引き。今週はこの部分の時系列をいじった以外はほぼ原作通り+アニオリ補完で、セリフも動きで表現できる部分はシェイプアップさせるスマートな映像化だった。





posted by ぺーた at 20:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2020年01月24日

とある科学の超電磁砲T 2話感想 動きと声が堪能できる、原作に忠実な映像化

2話 大覇星祭

※原作未読の方はコメントオフでの視聴を強くオススメします。
あらすじ
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大覇星祭が開始され、二人三脚では美琴・婚后ペアが勝利する。
美琴が汚れた体操服を着替える間に、ミサカ妹が美琴と勘違いされて競技に参加することになる。
一方、祭の裏では統括理事会指揮下の暗部組織が蠢動(しゅんどう)する。
感想
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アバンはオリジナル描写で、黒子が怪我をした経緯の説明。禁書未読の人向けの措置として好印象である。このメガネの女性は【固法美偉(このり みい)】で風紀委員での黒子の先輩。さらに研修時の指導係だったので黒子が頭が上がらない数少ない人物。レベル3の透視能力を持つ。原作初期では名前もなかったがアニメでレギュラー化したので原作にも定着したキャラ。

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「すべて根性で乗り切ることを誓うぜっ!!」
後ろのカラフルな煙はアニメ的演出ではなく実際に起こっていることである。軍覇の能力は謎が多く、端的に言うと「根性でなんでもできる能力」らしい。削板軍覇、善良そうではあるが空気を読む気とかが一切なさそう。原作で美琴が唯一まともなレベル5と言われるのもむべなるかな、である。

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大覇星祭の概要と都市伝説・不在金属(シャドウメタル)の解説をする佐天さん。1分近くの長台詞でCV伊藤かな恵さんのウッキウキな感じの演技がかわいい。そこからの黒子の怪演に笑う。ちなみに大覇星祭編から黒子→佐天さんへの呼称が呼び捨てに変わっている。

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二人三脚、特に後半はアクションが大きいシーンなのでぜひアニメーションで見てみたかったところである。敵校チームコースアウトからの救助シーンは原作のイメージを補完してくれる見事なクオリティ。ストーリーはここからシリアスになっていくのだが、「常盤台の風神・雷神」チームの競技上での活躍をもっと見ていたい気持ちになる。黒子には悪いが美琴と婚后さんが仲良くしてるシーン、いいよね……。

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「あ゛〜〜ッ!婚゛后゛光゛子゛ッ!!カブってお姉さまが見゛え゛ま゛せ゛ん゛わ゛よ゛ッ!!!」
怪演再び。いやもう大好き。CV新井里美さんは相当数のアニメや洋画に出演されているのだが自分が見る作品と被らないのでしばらくぶりに怪演を堪能できる喜び。まあ黒子ほど濃いキャラはなかなかいないだろうが。

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【ショチトル】登場。佐天さんを見て動揺した理由を知るには、アニメ禁書1期の円盤特典である原作者小説を読まなければいけないなかなかハイコンテクストなキャラクター。初出は禁書。SとTの間の時期にとあるイベントで佐天さんと出会い交流した経緯があり、それさえ知っておけば超電磁砲Tを楽しむ分には問題ない。(参考:とあるプロジェクトポータル)佐天さんが気づかないのは姿を変えているため。そのせいで見た目に対し声が幼い。

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「パーツパーツに御坂さんの面影が……胸以外。」
年齢差もレベル差も気にせずだんだん美琴に遠慮がなくなっていく佐天さんがいい。ちなみに佐天さんはアニメではとても中1に見えない胸部パーツをお持ちだったがTでは縮んでいるような……このへんも原作に寄せてきたのだろうか。

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「わたくし、ケンカどころか怒った経験もないもので……。」
原作では矛盾のないセリフだが、アニメではSのオリジナルパートで大量のパワードスーツを相手にしたのはケンカどころか戦闘の域だったような……。まあ団体戦で無人機相手、婚后さんのところに誘導する役割で怒ってはいなかった。湾内さんの性格的にケンカに該当しないのはわからなくもない。

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「えと……こ、こ……こらぁー!」
はいかわいい。この二人は必ずセットで登場し性格も似ているが、湾内さんのほうが天然力が高そうである。

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「声が小さいですわよっ!ワンモア!」「お〜!」
後ろの3人は原作の婚后さん登場エピソードにおいて、彼女に反感を持ちささやかな嫌がらせを仕掛けた経緯がある。そこからわずかな期間で好感度が低かった3人を従えている(?)婚后さんのマイペースな人間力が伺えるシーンである。ちなみに一番左の人物がクレジットにある切斑芽美(きりふめぐみ)さん。次回予告にも登場している。

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「むしろ胸部に余裕があります」
ミサカ妹と美琴を勘違いする湾内さん達。ミサカ妹は禁書では目にハイライトのないデザインになっているが、超電磁砲では茶色のハイライトがあるのでほぼ同じ顔である。しかし原作ならさておきアニメでは湾内泡浮ペアもかなり美琴と交流しているので別人と気づいてもよさそうなものだが。

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【馬場】くん!ちゃんとした出番のあるキャラで唯一OPからハブられた馬場くんじゃないか!!こちらも初出は禁書のキャラである。



EDは岸田教団&THE明星ロケッツ。寡聞にして知らずファンの方には申し訳ない。これまでの作品を確認する限りでは全てアニメタイアップ曲であり、タイトルから察するに作品世界観を大事にしてくれるアーティストのようで、今回の「nameless story」もストーリーを反映した歌詞となっている。


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画のほうも日常を切り抜いたカットが目まぐるしく移り変わる演出が大変ドラマチックである。特に原作ではぼっち属性を持っていた婚后さんがいつもの4人に混ざって自撮りに収まっているところが非常にエモい。


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2話は細かい変更はあったものの原作をかなり忠実に映像化していた印象。ストーリーはそのままに原作にない音や声、動きを堪能できるメディアミックスがどれだけ幸せか。近年ではジョジョ5部に匹敵するクオリティを期待できそうなので、このまま最後まで走り抜けて欲しい。




posted by ぺーた at 19:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2020年01月18日

とある科学の超電磁砲T 1話感想 期待が持てる作画とそつのないキャラ紹介

1話 超能力者(レベル5)

※原作未読の方はコメントオフでの視聴を強くオススメします。
あらすじ
学園都市に7人存在する「超能力者(レベル5)」の第三位、御坂美琴は白井黒子の見舞いに訪れる。
一大イベント「大覇星祭」を控え、療養中の黒子は美琴の競技パートナーを婚后光子に依頼していた。
一方、大覇星祭の運営委員たちはレベル5による選手宣誓を企画する。
7人中6人との交渉の結果、宣誓はレベル5第五位の食蜂操祈、第七位の削板軍覇に決定する。
はじめに

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初見の方のために最初に記述しますが、本作は「とある魔術の禁書目録」(小説が原作)の外伝である「とある科学の超電磁砲」(漫画が原作)のアニメ化で、無印とSに続く第3期目にあたります。……スピンオフ作品かつ3期目ともなると初見の視聴者はほぼいないのではと思いますが、これまでのアニメは見ているが原作は未読という方はかなりいると思いますので、ネタバレを含む感想は折りたたんで書かせていただきます。

また、本作はスピンオフ元である「禁書目録」の内容を知らないと理解が難しい表現が多数存在します。それも可能な限り記述していきますが、僕自身、禁書目録を全て読んだわけではないので不備や間違いがあると思います。そこはご容赦願います。ブログ中で「原作」は「超電磁砲」の漫画原作を指し、「禁書」は「禁書目録」本編のことを指して記述する予定です。よろしくお願いします。
感想
前作S以来、実に6年3ヶ月ぶりのアニメ化である。(そんなに……。)初回ということでキャラクターを紹介するエピソードとなっており、大筋は原作に沿いつつオリジナル描写も補助として採用されている。初見の方のため、感想と並行して前作Sまでの内容についてキャラクター情報を補足していく。

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【御坂美琴】本作主人公。学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)の第3位。通称は「超電磁砲(レールガン)」だが電気・磁気に関することならわりとなんでも可能。前作Sでの経緯から「禁書」の主人公である【上条当麻】(1話は未登場)に好意を寄せており、禁書では恋するツンデレヒロインとして描かれるが、本作では周りに年下が多いせいもあって頼れる姐さんヒーローとしての側面が強い。性格は勝ち気で敵に対しては粗野だが友人・後輩には柔和で優しく面倒見が良い。お嬢様学校かつ能力者の強豪校である常盤台中学の2年生。カエルのマスコット「ゲコ太」が好き。

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小さな子供たちの壊れてしまったおもちゃを、彼ら自身の能力を駆使して直してあげるアニオリシーン。冒頭で超能力モノの世界観を提示しつつ主人公の優しい性格を視聴者に見せる、ストーリーテリングの手法としてそつのない描写である。(参考→SAVE THE CATの法則

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【白井黒子】「空間移動(テレポート)」の大能力者(レベル4)で美琴のルームメイト(中1)。そして美琴に心酔する変態淑女。ただ性愛対象が女性というわけではなく、美琴個人に極限まで惚れ込んでいるだけっぽい(諸説あり)。しかし美琴が絡まない場面では誠実で優秀、型破りだが正義感が強い「風紀委員(ジャッジメント=学園都市の治安維持のために活動する学生組織)」としての側面が強く出る。CV新井里美さんによる変態演技は相変わらず聞きごたえがありアニメにおけるメインコンテンツの一つと言っても過言ではない。

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怪我で療養中なのはさっそく「禁書」を前提とした描写。前作Sと本作Tの間の時期に格上の空間移動能力者と戦った経緯が禁書にあり、その時の負傷である。冒頭で初春が若干落ち込んでいるのもそれに関連している。

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【初春飾利(ういはる かざり)】風紀委員における黒子の同僚(中1)。一応レベル1の温度保持能力者だが学園都市トップクラスのハッキング能力を有しており優秀なオペレーターとして活躍する場面が多い。運動能力は小学生低学年レベルだが作中で言われたように根性はあり、責任感が強い。美琴・黒子とは学校が違う。

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【佐天涙子(さてん るいこ)】初春の学校の同級生で無能力者(レベル0)。能力への憧れのせいか都市伝説や能力グッズについてやたら詳しい。善良で明るく、コミュ強で友達思いだがトラブルメーカー気質。一般人の目線で視聴者の共感を手助けする狂言回し的な役割も担う。

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【婚后光子(こんごう みつこ)】美琴の同級生でレベル4の「空力使い(エアロハンド)」。アニメにおいては1期1話から登場するが、原作においては今作時期の直前に常盤台中学に転入してくる。性格もアニメと原作で若干異なるが、エピソードが違うために別の側面が見えているだけかもしれない。常盤台生の中でも特に裕福な出自でやや世間知らず、高飛車なところもあるが清廉で友誼に篤い性格。原作通りなら今期はメインで活躍するシーンがあるので期待できる。

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【←泡浮(あわつき)さんと湾内(わんない)さん→】黒子のクラスメートで婚后さんの友人。湾内さんは美琴に助けられた事があるため美琴に憧れがある。湾内さんの能力は水流操作で、泡浮さんの能力もアニメでは判明しているのだが原作ではこの時点で不明。今後の展開が原作通りなら不明のほうが楽しめると思うので伏せておく。

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【ミサカ妹】美琴のクローンであり約1万人存在する「妹達(シスターズ)」の一人。個人の能力は美琴の劣化版だがクローン全員と記憶と意識を共有しておりミサカネットワークと呼ばれる。彼女らが実験で殺害されそうになったところを美琴と上条当麻が助けた経緯があり、その経緯と存在を知っているものは今作開始時点で(視聴者目線でわかっているのは)メインキャラの中では美琴と当麻のみ。……の割には街を普通にうろうろしている。

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【食蜂操祈(しょくほう みさき)】登場。CVは浅倉杏美さんでアイドルマスターシリーズの二代目萩原雪歩役でおなじみ。アニメでは前期Sにもちらっと登場したが原作では大覇星祭編からの登場になる。ほとんど新キャラ同然と言っていいが、Sでの描写が今期の物語の感じ方に影響を与える可能性もありそうである。レベル5の第5位で「心理掌握(メンタルアウト)」という強力な洗脳能力を持つ。美琴との折り合いも悪ければ性格もなかなか悪そうな描写である。

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【カイツ】前作Sで妹達を殺害する実験で中間指揮を執る立場にあった人物。ちなみに名前はアニメで判明。

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レベル5第六位について、この描写だと伏線っぽく感じられるだろうが実のところは禁書ファンへのサービスである。超電磁砲はこういう、伏線なのかファンサービスなのか判別しづらい描写が多々ある。このへんも可能な限り解説していく予定。ちなみに原作連載時(8年前)ではこの「藍花悦」という名前が明かされていなかったので、禁書部分を含む8年間の情報をアニメスタッフがしっかりと把握している点が頼もしい。それくらい当たり前だろうと思う人もいるだろうが、そうでもなさそうな原作付きアニメにもしばしばお目にかかるのである……。

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【削板軍覇(そぎいた ぐんは)】登場。アニメにおいては「とある」シリーズ通して初登場である。CVは河西健吾さん。鉄血のオルフェンズの主人公三日月オーガスやヒプノシスマイク大阪ディヴィジョンの躑躅森盧笙役でおなじみ。原作では開会式で初登場するのでここはアニオリ描写である。彼の豪放な性格は表現できているが、結果として大事故になりかけたのではた迷惑さが強調されてしまったようにも思う。
ちなみにアンダーシャツのデザインが原作から変更されているのだが、隣国への配慮としてやむなしか。個人的には過剰なポリティカル・コレクトネスによって創作物が歪んでしまうことに嫌悪を覚えるタイプなのだが、この変更については軍覇のキャラクターや作品の面白さを毀損するほどのものではないだろう。

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いろいろあって最後は美琴の必殺技、超電磁砲で〆という展開は無印、Sに続く第1話のお約束である。なんと今回は超電磁砲専門の作画スタッフがいる凝りようである。

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OPは学園都市の美しいビル群が様々なアングルで映される前で流麗なアクションを見せるキャラクターたちが大変カッコいい。当麻と軍覇の背中合わせにテンションぶち上がった人も多いだろう。ストーリーがよく表現されているだけに内容に触れるとどうしてもネタバレになってしまう。


OPを歌うのはおなじみのfripSide。今回も疾走感のあるシンセのメロディーと透明感のある高音ヴォーカルが美しい。そうそうこういうのが超電磁砲だよ!と6年前、10年前を思い出させてくれる曲。ご存知の方も多いだろうがVo南條愛乃さんは泡浮さんのCVも担当されている。

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1話目は作画が大変素晴らしく、オリジナル描写の使い方も悪くなかった。尺も十分あるのでこれは期待できそうである。大覇星祭編のストーリーは原作通りやれば間違いなく面白いのでこの調子で進行されることを願う。ただ大覇星祭編だけだと24話も必要なさそうなので(贅沢な話である)、原作の次のシリーズまでやるか、無印やSのように後半はオリジナルなのか、そこが多少気になるところである。




posted by ぺーた at 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ
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