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2019年07月30日

2019参議院選挙分析メモ れいわ新選組編

(事実関係)
7月21日に実施された参議院選挙でれいわ新選組(以下れいわ 山本太郎代表)は2議席(船後靖彦氏、木村英子氏)を獲得した。選挙期間中のれいわの活動はインターネット界隈で注目を集め、れいわ現象と呼ばれる社会現象をもたらした。比例区で228万0764票(4.55%)の得票を得て、政党要件を満たすこととなった。なお、政党要件を満たすには所属する国会議員が5人以上、または直近の国政選挙の選挙区または比例区のいずれにおいて、全国を通して2%以上の票を獲得する必要がある。

なお、れいわの方針に際して、左派ポピュリズムという見方もある。

左派という言い方に対して、意外なことに、れいわは、令和という元号を使用している。元来元号は右派が好んで使うものだ。このことから、れいわは旧来の右翼、左翼というカテゴライズでは捉えることのできない抽象度の論理で活動しているものと推測される。

また新選組は幕末の頃に、長州、薩摩の維新志士に対して戦った勢力であり、安倍首相は長州が出自だ。新選組という名称を使用したことから、対安倍(自民)のスタンス全開で挑んでいることが伝わってくる。


1-1
れいわがここまで躍進した要因は、将来に希望を失った有権者の共感を得たためだ。目下、日本国家は格差社会を通り越して、明らかに階級社会へと変容している。階級の要因は経済的所得、貧富の格差だ。

地方では実感できないが東京都心、大阪の一部と、それ以外の日本の場所では明らかに所得が違う。例えば、鳥取県のある菓子メーカーによれば10年前から700円の菓子の売れ行きが低迷して、ほとんど売れないとのこと。

しかし、都内中心部の駅地下では同じ商品を2,000円で売ったら毎回完売するとのこと。これは都市部の人々の方が多くの所得を得て、それを使える範囲が多いことを表している。また、日本の秘境と揶揄される山陰地区を走る豪華列車瑞風は一泊の料金が50万円するが予約待ちだ。おそらくは、そこに山陰在住の旅客はいない。


1-2
進行中の階級とは端的に言えば貧富の差だ。そして、階級が一度固定化されるとそこから脱却することは難しい。例えば、資産に余裕があり、子どもを外国のビジネススクールや大学院などのエリート教育を受けさせることができる家庭と、日本で事実上の義務教育である高校までの学費を払う家庭を比べてみよう。前者であれば30歳前までが学習期間であり、後者であれば18歳までが学習期間である。なお、仮に大学にまで行こうものならプラス(+)数百万円の学費を要する。


卒業後の就職に関して、前者であれば外資系の金融機関で5年も経たないうちに1億の収入を得ることが可能であろう。他方、仮に後者が65歳まで定年で働いても40年以上掛けて生涯収入はやっと2億である(もっとも今後はもっと低下するだろう)。後者が前者を追い抜くのは至極難しく、階級が固定化されて再生産される構図だ。

エリート教育を受けられる層は、同じコンフォートゾーンを共有する同じような人々で固まる。反対に、それ以外の人々も、大体は年収別で固まる傾向にある。コンフォートゾーンを別にする人々に対して、同胞という意識は薄い。


1-3
下位層にいれば『どんなに頑張っても、努力しても報われない』という気持ちになる。また自尊心も低下して、自己評価も低下する。『なんて自分はみじめなんだ』という気持ちになる。

階層を形作る価値観はお金であり、それを生み出す生産性に重きが置かれる。お金を持っているのか、そうでないのか、生産性が高いのか、否かが生きる基準となる。その中で下位に甘んじていれば、自己責任であり、存在自体が無駄なコストという目に晒される。このような空気が昨今の我が国を取り巻く環境である。同胞に対する憐みは形骸化している。



1-4
1-3で表した価値観が蔓延する世の中に対して、れいわは『本当にそれでいいのか』と一石を投じた。れいわの主張は生活が厳しい層に響いた。繰り返すが、生活が厳しい層においては将来に対して希望を持つことは難しい。また、そのような境遇に陥っているのは自己責任だという論に晒されて、反対論は封殺される。

しかし、一方で『何かがおかしいのではないか』とう気持ちを、おそらく多くの国民、大多数は生活が厳しい層を中心に無意識下で抱いているだろう。この無意識で頂いていた気持ちをれいわは選挙期間中に言語化することに成功した。


1-5
無意識で抱いたり、感じたりしていることを言語化して意識に上げることをRゆらぎという。RとはRealtyのことで現実を表す。つまり、現実が揺らがされることを意味する。

誰が揺らがすのか?

それは無意識を意識化した人だ。

例えば、ある人物が喫茶店でコーヒーを飲んでいる場合、その人はコーヒーを知覚していると仮定する。この時に、隣の席の人が『コーヒーがありますね』と、ある人が知覚している世界を言語化すれば、そのコーヒーは他人が言葉で指示した臨場感空間のコーヒーとなる。これは物理的なコーヒーではなく、他人が発した言葉の臨場感空間、つまり他人が作った臨場感のコーヒーを認識していることになる。

こうすることで本人は知らない間に、他人が作った臨場感空間を共有させられている。臨場感空間を共有するとラポール現象が生じる。ラポールとは強い信頼関係のことだ。共有する臨場感空間で主導権を握るのは、その臨場感をつくった人となる。


れいわは『生産性で人を区別したり、あなたも生きていいんだよ』という言葉によって臨場感空間を生成して、決して少なくない数の日本国民にラポールを抱かせることに成功した。これがれいわの躍進に繋がった第一要因と分析する。


1-6
第二要因はフレームだ。自民党と同じく、れいわ独自のフレームを構築することに成功した。重複するがフレームとは思考や行動の枠組みを表す。人間の思考や行動はフレームに基づいて実行される。またフレーム以外のことは認識できない、選択されない、行動されない。そして、フレームの中には、サブフレームと呼ばれる小さなフレームがある。

人はフレームに対して、自分からコミットすればホメオスタシスの力で、そのフレームが終了されるまで勝手に動いてしまう。

※フレームの具体例については『自民党編』を参照されたい。


例えば、2011年の東日本大震災では節電というフレームが選ばれた。あのような未曽有の大惨事においては、たとえ節電しようと問われなくても、多くの人は自発的に節電フレームを選ぶ。自発的に選ぶとは自ら好んで、進んで取り組むということである。こうすると例え、節電する必要がない状態でも人々は嬉々として節電に取り組むカラクリだ。また節電以外の方法を認識することができない。

他の例では、太平洋戦争開戦から敗戦に至るまでのケースを取り上げる。メディアが開戦を煽り、そのフレームを国民自ら選んだ。これにより、たとえどんなに劣勢を極めても降伏が選ばれることはなく、最後の一人が玉砕するまで戦いは終わらないという考えに支配される。しかし、戦争末期、原爆投下によりフレームが一時的に中断された。フレームが中断されたときに、他の新しい情報が投げ込まれると、フレームはその情報が統合される。原爆を投下されて『降伏すべき』だという情報が統合されたがゆえに日本は降伏した。


話を元に戻すと、れいわは国民に漂う不安ムードに対して、明確な希望を示した。これは暗闇でさまよう人に出口を示したことになる。こうすることでれいわ支持というフレームが構築され、選ばれたのだ。このことは同党への寄付総額や、自発的に集会に集まった人々の支持から読み取れる。なお、一度、れいわのフレームを選ばされた人は、他党の政策が目に入ってこなくなる。



1-7
目下、れいわの弱点はフレームを中断されて、違う情報が書き込まれることだ。例えば、直近では、れいわから選出された船後議員、木村議員は、議員に当選したら介護サービスが受けられなくなるという報道があった。この件や、れいわの施策に対する穴が大きく報道されれば、支持者の、れいわフレームは一旦中断される。このときにネガティブな情報を投げ込まれると、れいわフレームが書き換えられて支持は急転直下する恐れがある。


2019年07月27日

2019参議院選挙分析メモ 自民党編

事実関係
7月21日に参議院選挙が執り行われた。結果は与党自民党が勝利した。一方、野党勢力であるれいわ新選組が社会現象をもたらした。



コメント1-1
与党自民党の勝利には明らかにメディアのコントロールが効いていた。テレビにおいて扱われる量が他党に比べて抜きんでて多かった。これにより有権者のプレーム(思考や行動パターン)に影響を与える。


1-2
フレームとは思考や行動の枠組みのことだ。人間の思考や行動はフレームに基づいて行われる。またフレーム以外のことは認識できない、選択されない、行動されない。そして、フレームの中には、サブフレームと呼ばれる小さなフレームがある。


例えば、『ワインが好き』『そしてワイン以外は酒ではない』という大枠のフレームを持つフランス人がいるとしよう。この彼によって『赤ワインや白ワイン』というフレームがある。そして、その中に『ロマネコンティ』『ボルドー』『マルゴー』などの銘柄に関する小さなフレームもある。

『ワインが好き』という大枠のフレームの中に、『赤ワインや白ワイン』というフレームがあり、さらにその中に『ロマネコンティ』『ボルドー』『マルゴー』などという個別銘柄に関するフレームが入れ子で組み込まれている。

このようなフレームしかないと、ウイスキーや日本酒、ビールなどは酒類とは見做されない。酒類であることは心理的盲点の陰に隠れる。またはこれらを飲酒することは選択されない。また仮に日本で日本酒ベースの葡萄酒を飲んだ場合に、当該フランス人は、『これは美味しいワインだ』と認識する。


1-3
人間はフレームの中のことしか認識しない、選択しない、行動しないのである。今回の選挙において自民党はメディアをコントロールすることにより、有権者に『自民党を投票する』というフレームを選ばせることに成功した。


1-4
自民党はかつて下野した野党時代に本格的にメディア対策を研究・実行した模様。またその中において最近はSNS対策に力を入れていると推測される。またテレビ局は議席数の多い政党を主に取材対象とするようだ。従って、与党自民党が主な取材対象となる。


1-5

テレビ局による与党への忖度があったのかは不明。とはいえ自民党を取材しなかったら、後でどんな目に遭わされるのかとも想像してしまうだろう。なお、これもメディアに対して、『与党を中心に取材・放送せよ』というフレームを構築させたものと推測する。


1-6
自民党は徹底的な野党攻撃を仕掛けた。とくに立憲民主・国民民主(両党とも民主党から分裂)に対しる攻撃だ。多くの国民にとって10年目に民主党が政権を担ったことは悪夢として記憶されている。この悪夢を想起させて、立憲民主・国民民主が議席を取れば、再び日本は悪夢に包まれるというイメージに被せることに成功した。なお、

この方法は2009に自民党が下野した時に、その味を覚えてしまったらしい。
※小口 日出彦「情報参謀 これが新時代の情報戦だ!」より



1-7
与党自民党は論理的な政策ではなく、情動に訴え返る作戦を重視した。この方法が採用されたのは国民のIQが低下したことに他ならない。将来に不安を覚える人にどんなに立派な政策を論理的に説明しても、それはスルーされるだけだ。代わりに、情動に訴える、とくに多くの有名者が内心は抱いているだろうという事柄に、情動を結びつけた方が効果は高い。


1-8
有権者の大多数は、自民党を選ぶというフレームを選んだ(選ばされた)。こうすれば自民党の以外の政党やグループの政策や主張が目に入ってくることはない。仮に目に入っても認識されることがない。その結果、自民以外を選択する、または投票するという行動が選ばれることはない。


有権者の大多数はごくごく一般的な庶民だ。正直、日々の生活は苦しく、未来に明るい展望が持ちにくいだろう。しかし、一度『自民党を選ぶ』というフレームが選択されれば、どんなに現状が苦しくとも『野党は信頼できない』『消費税が10%になっても仕方がない』『今もまあ、何とか生活できているのだからとりあえず自民党で』といった具合に、有権者自らが自己洗脳をして、自民党を勝たせる結果となる。


1-9
今回の選挙結果を鑑みれば、大多数の有権者に自党を選ばせた自民党の勝利と言えるだろう。いわゆる空中戦に勝利した結果となった。

2019年06月20日

『年金を払うことは約束したけど、その約束を守るとは約束していない』

老後に年金が2,000万円足りなくなるだろうと揺れている。

多くの国民は約束が違うじゃないかと憤っている。




とはいえ、この問題は国家をみる時は性善説ではなくて、性悪説でみると腑に落ちる。

もともと国家権力は横暴だ。それゆえ憲法があり権力を縛る。

性悪説で年金問題を語れば『年金を払うことは約束したけど、その約束を守るとは約束していない』という論理だ。




とはいえ、なぜこのタイミングで年金問題がクローズアップされたのだろうか?

一つの仮説として、国民に恐怖を抱かせることが考えられる。何のために?

それは少額投資非課税制度(通称NISA)を普及させるためだ。



この制度は投資の時に税金が掛からなくなるという制度で、金融庁主導で国内の投資を促進させようという意図があった。しかし、アベノミクスの肝いりで鳴り物入りで始まったこの制度は、今のところ活況を呈しているとは言えない。これに対して再び火を付けようという裏の意図があるように思われる。


年金が将来2,000万円足りなくなると金融庁に公にされることで国民の不安は高まる。これは精神的な安定(ゲシュタルト)が崩れることを意味する。人間はこの安定が崩れると、とっさに安定に戻そうとする本能が働く。



この時に、『でも代替案として投資を活性化すれば、年金も埋め合わせできる』という情報を投げ込めば、人の認知は、これを自身の新しい認識として取り込む。まさに溺れる者は藁をも掴むだ。



今のところ年金問題に関してデモや国会での論争だけが取りざたされてNISAに関する情報はまだ出ていない。しかし、デモをしても効果がない、国会は空回りだという諦め感が国民の間に漂った頃に、現政権であろうが、新政権であろが、突如としいて再びNISAがクローズアップされる公算は高いと予想する。



2018年12月03日

北朝鮮外交にみるイメージ(臨場感空間)の書き換え

(事実関係)
韓国市民の北朝鮮の指導者金正恩氏に対するイメージが変化しているようだ。


【ソウル】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、バスケットボールとコンピューターが好きな親しみやすい若き平和の担い手――。少なくとも、クリスマス商戦を迎えた韓国で最も話題になっている子供向けギフトの一つで描かれた姿によれば、そういうことになる。


 陽気に手を振る正恩氏の姿をアニメ風に描いた立体パズルセットは、今週に入って店頭から撤去された。正恩氏を残忍な独裁者で人権無視の犯罪者と考える韓国の保守派の人々から激しい非難を浴びたからだ。


 しかし、韓国の教育放送公社(EBS)が就学前児童や小学生向けに販売したこの玩具は、1年間にわたるハイレベルの南北交流を経て、韓国内での正恩氏のイメージがいかに急激に変化したかを物語っている。


 ちょうど1年前、正恩氏は北朝鮮史上最も強力な大陸間弾道ミサイル(ICBM)である「火星15」の発射実験を視察していた。このミサイルについて正恩氏は、米国全土を射程に収めるものだと豪語した。その数カ月か前には、異母兄である金正男氏を公共の場で使用禁止の化学兵器によって暗殺したと非難されていた。


 しかし、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領との3回の会談やドナルド・トランプ米大統領との首脳会談を経て、正恩氏の一般イメージは最近数カ月で劇的変化を遂げた。

THE WALL STREEAT JOURNAL 11月29日







北の新しい首長様と言えば、血の気の多い残虐なイメージがあった。引用の記事にもあるように、昨年は異母兄である正男氏を暗殺したり、ミサイルを飛ばしまくり米トランプ大統領からロケットマンと非難されていた。


金正恩氏(以下、正恩氏)は指導者に就任する前の2010年には、延坪島砲撃事件の指揮を執ったとも言われている。


一貫して強面、悪人のイメージが強かった人物だ。あまりにも強面過ぎて昨年の前半には、正恩氏を暗殺する斬首作戦の決行も噂されていたくらいだ。





しかし、引用した記事では敵国市民である韓国市民からイメージが改善されたと報じられている。






(コメント)
1-1

正恩はイメージの取り組みにエネルギーを注いできた。一年前までの北朝鮮は日本をはじめとする各国からの経済封鎖によって相当疲弊していたのだろう。正恩氏自身も暗殺される緊張が高まっていたのだろう。この状況を打破すべく指導者自らが自国のイメージを改善すべく動き出したと推測する。




イメージの改善とは臨場感空間の書き換えに他ならない。臨場感空間とは、人々の脳の中にある認識空間である。ここを書き換えるとある対象への認識が変わる。




つまり正恩氏は諸外国の人々、とくに韓国市民の北朝鮮に対する悪いイメージから構成される臨場感空間を良いイメージへと書き換えに成功したのである。




臨場感空間の書き換えの基本は、まずは書き換えを意図する人と書き換えの対象者とが臨場感を共有する方法がある。書き換えを意図する人は正恩だ。書き換えの対象者は韓国市民であり、まずはその集合体である韓国大統領だ。




具体的な方法については南北首脳会談だ。ここで韓国市民を代表する国家元首である大統領を正恩氏と臨場感空間を共有させる。会談は北朝鮮の首都平壌で執り行われた。正恩氏にとってはコンフォートゾーンであり、これは氏にとって有利に展開を進めていくことを意味する。



会談では対話や饗宴を通じて、お互いの心を同調させていく。とくに饗宴はホメオスタシスのバイタルな活動である食事や、感情を共有する文化的レクリエーションを共にする。
これらの活動はともに行うことで臨場感空間の共有が高まりラポールが生まれる。
ラポールとは変性意識下で、相手を大事に思う強い好意だ。



正恩氏と韓国大統領との間でラポールが構築されたとみて間違いないだろう。この状態であれば、お互いの臨場感空間を書き換え易い状態になる。簡単に言えば、心変わりさせることだ。




ただし、会談場所が平壌で行われたことを忘れてはならない。先にも述べたが平壌は正恩氏にとってのコンフォートゾーンであり、ラポールでも氏の方が主導権を握りやすい。何が言いたいかというと、正恩氏は自分が創り出した臨場感空間に韓国大統領を引きずりこんだということだ。むろん正恩氏が作り出した臨場感空間は自分が治める北朝鮮に有利なものに間違いないだろう。これにより正恩氏は無意識下で韓国大統領に対して主導権を握ったのである。




1-2
韓国大統領は大韓民国の国家元首であり、韓国市民を代表する。正恩氏はこの韓国大統領に気に入られた。韓国大統領に気に入られることで、多くの韓国市民にもこの心理状況が転移する。




もちろん青瓦台のテコ入れで韓国メディアに対して、正恩氏や北朝鮮を悪く捉えるような記事は書くなというお達しがあったのかもしれない。メディアのコントロールも臨場感空間の書き換えに大変有効な方法だ。




仮に、このように韓国メディアがコントロールされていれば、韓国市民の正恩氏や北朝鮮に対する臨場感空間が敵国の首領からバスケットボールとコンピューターが好きな親しみやすい若き平和の担い手に変わっても何ら不思議ではない。



2018年11月26日

『バイトの時給が1,000円超えした』問題にみる階級対立、そして資本主義のルール

(事実関係)
先日、ツイッター上で、下記の記事、とくに見出しに対しての批判投稿を目にした。



『バイト時給1000円超え 小売り・外食に重圧 レジや配膳、効率化急ぐ』
パート・アルバイト職の時給高騰が続いている。リクルートジョブズが15日発表した10月の三大都市圏の平均時給は前年同月比2.6%増の1047円と過去最高を更新した。慢性的な人手不足と10月の最低賃金改定を反映した。パート・バイトへの依存が強い小売りや外食産業では対応を急ぐが、自動化など生産性の向上が不可欠だ。「時給1000円」を前提に戦略を描けなければ生き残れない時代になってきた。
日経新聞11月16日 朝刊






『バイトの時給が上がったのは良いこ都なのに、なぜ重圧なのか?』と否定的なコメントが見受けられた。






(コメント)
1-1

まずはそもそも論から考えていきたい。



日本経済新聞(以下 日経)は誰のための情報媒体か?

ビジネスパーソンという答えが返ってきそうだ。

『ビジネスパーソンは日経を読んでおかねばならない』、筆者の就職中はそう教わった。きっと今でもそうなのだろう。





ということで、日経はビジネスパーソンのための情報媒体だとすれば、なるほど被雇用者であるビジネスパーソンにとって、バイト代や月給、日給などの賃金が上がれば嬉しい限りだろう。


その観点から分析すれば、当該記事の見出しは『ケシカラナイ』ことになる。批判のコメントは、ごもっとものように聞こえる。



しかし、本当は日経はビジネスパーソンのための情報媒体ではない。









その前に日本国家をはじめ多くの国々は資本主義経済を採用している。共産党が支配している中国でさえ実際は資本主義経済だ。





この資本主義経済の下では、大きく分けて資本家と労働者という二つの階級に収斂される。


資本家は道具・機械・建物生産手段、要するに、会社や工場を持つ人だ。この経営サイドに運転資金を出資する株主、土地を提供して地代を得る地主も資本家だ。雇われ社長という言葉が示す通り、資本家は効率よく利益を増やすために経営者も雇う。なので基本、経営者も資本家サイドの味方だ。この経営者がビネスパーソンを含めて労働者を雇うのである。




労働者とは、生産手段を持たずに自身の労働力を資本家に提供する、一方で、その見返りとして賃金で生活する人だ。資本家に雇われる側だ。





日経は資本家(含む経営者)のための回覧板だ。『弊社は新技術○○を開発しました。つきましては運転資金を出資してください』『この度、取締役会のメンバーが変わりました。今後とも末永くお付き合い下さい』『取引先に持っていく手土産は今は△△が旬です』などという資本家が経営戦略・戦術を策定、および情報共有をするための媒体だ。


もっとも、今の時代あまり露骨にやるとSNSで叩かれる恐れがある。したがって時に『女子社員(従業員)に働きやすい会社特集』『定時に帰れる会社特集』などの労働者に受けそうな記事も取り込みカモフラージュしている。


叩かれて、株価が下がれば大変なことになる。株価が下がるとは資本家の利益を損なうことになるからだ。




しかし本質的には、資本家の論理を労働者に共有させることが目的である。かつて、マルクスが指摘したとおり、資本家階級と労働者階級は対立関係にある。



でも、その前に資本家が作り出したゲームのルール(臨場感空間)を労働者に共有させてしまう。こうすれば階級対立は見えなくなり、労働者はそのルールの範囲内で、ルールを作り出した方に都合の良いゴールを設定してくれる。



ゆえに『日経を読まずはビジネスパーソンにあらず』と流布できる。もっとも、発行部数を伸ばして売り上げを上げることも同新聞の宿命だろう。このように日経は資本家の、資本家による、資本家のための新聞だ。事実、会社名も株式会社日本経済新聞社だ。








先にも書いたが株式会社は資本家の利益収集装置。資本家の職業的良心は資本を増殖させて、資本主義を拡大・発展させることにある。そのための情報発信部門が日本経済新聞というのが筆者の結論だ。



このように考えると『バイト時給1000円超え 小売り・外食に重圧 レジや配膳、効率化急ぐ』と日経が見出しを書くのは至極当然のことだ。


間違っても『ブラボー時給が1,000円に上がりました!ルンルン』という見出しにはならない。






1-2
批判をした人は労働者階級に属する人だと推測される。



これは推測だが、おそらく批判をした人が普段接している新聞・雑誌は『ブラボー時給が1,000円に上がりました!ルンルン』という論調の記事を上げているのだろう。

もしくは被雇用者の自分としては『ルンルン』の心境なのだろう。これをコンフォートゾーン
という。








詳細は省くが、人間はコンフォートゾーンの中にいると安心する。反対に、そこから外れると不安定になる。



批判をした人は『時給が1,000円を超えたのはめでたいことなのに、重圧とは何事だ!』自身のコンフォートゾーンを揺らがされたのだろう。



そして肝心なことは、この人は資本家の論理が見えなかった、日経が資本家の、資本家による、資本家のための新聞である事がスコトーマ(心理的盲点)に隠れていたのだ。





この人は当該記事に対して、自分を取り巻く世界だけで日ごろ目にする情報媒体の公式を当てはめようした。つまり自分のブリーフシステム(信念体系)に合わせようと無意識が動き出した。これが批判の正体だ。




さらに言えば、批判にした人のコメントが筆者のコンフォートゾーンを揺らがしたために、今こうやってブログ記事を書いている。



マルクスの階級対立論しかり、今回の記事しかり、世界はコンフォートゾーン対、コンフォートゾーンの闘いなのである。





1-3
もっとも筋金入りの労働者の新聞であれば、『衝撃!時給がたったの1,000円』が見出しになり、資本家がいかに労働者から搾取・収奪をしているのかという告発内容の記事になるだろう。



でも、実際は労働者の多くが目にする情報は『ブラボー時給が1,000円に上がりました!ルンルン』の類だろう。


そして、この情報発信の媒体も〇〇株式会社だ。







繰り返すが、株式会社の前提となる資本主義経済の下ゴールは資本家の利益を増大させることである。



労働者が、たかだか時給が100円上がっただけでルンルンになってくれて、その分何倍ものエネルギーを提供してくれれば、これほど美味しいことはないのである。





2018年11月23日

カルロスゴーン逮捕と側近の裏切り

【事実関係】

東京地検特捜部は(11月)19日、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン容疑者(64)を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕した。報酬を約50億円過少申告した疑い。日産は同日、『複数の重大な不正行為』があったとして、同会長らの解任を取締役会で提案すると発表した。
日本経済新聞11月20日付 朝刊







日産の会長カルロス・ゴーンが逮捕された。カルロス・ゴーンは、1999年、筆者が高校生の頃に策定・実行された日産リバイバルプランにてかつて瀕死の状態にあった日産自動車を回復させた。



とても有名な青い目の経営者だ。当時は英語が公用語になるという話もあった。






そのゴーン氏がこの度、東京地検特捜部によって自身の報酬を低く申告した容疑で逮捕された。その後、同社会長の地位も解任させられた。


逮捕された日の夜に、日産は記者会見を開きゴーン氏の不正を追及した。








日産の西川広人社長は19日夜の記者会見で、ゴーン会長の主な不正行為として@実際の報酬よりも少ない金額を有価証券報告書に記載したA私的な目的で投資金を支出したB私的な目的で経費を出した――3点が確認されたと述べた。
日本経済新聞11月20日付 朝刊





記者会見においてゴーン氏を厳しく追及した西川社長はゴーン氏に極めて近い位置にいたようだ。






『ゴーン後』のかじ取り役を担う西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は、生え抜きの実務家だ。ゴーン元会長の改革を支えた「ゴーン・チルドレン」の代表格だった。物静かな人柄で、関係者の多くが西川氏を「堅物」と評する。
日本経済新聞11月23日付 朝刊





ゴーン氏にとっては、まさかの側近から裏切られた形となった。

本件は平成30年11月23日現在、世間からの高い注目を集めている経済犯罪だ。







コメント
1-1

ゴーン元会長と西川社長との関係はネガティブラポールだと推測される。

ネガティブラポールとは、日本語で陰性転移感情という。反対の感情は、いわゆるラポールであり、これは陽性転移感情と呼ばれ、好意に結びつく。

ただ本質的には同じものだ。良い方に作用すればラポールであり、悪い方に作用すればネガティブラポールになる。


この感情は一つのリアリティの共有、距離が近い者同士で強い感情の共有から生まれる。


カルトなどで、古くからの側近がある日突然、強烈な裏切りを働くのは、陰性転移が原因とも言えるだろう。
苫米地英人 『洗脳護身術』P136。







日産はもちろんカルトではなく立派な株式会社だ。しかし本件を分析する上で苫米地博士の理論は役に立つ。




ゴーン氏と西川氏は、日産自動車株式会社空間の中の、経営空間というリアルを共有していた。その近さは、新聞報道にあるようにゴーンチルドレンと呼ばれていた。当然、両者は近い関係にあったので強烈なラポールが生じていたと考えるのが筋だろう。






カルトの信者は、教祖が生成した変性意識のもとで強化された依存性で精神が支配されています。しかし、教祖があまりにも強く信者を惹きつけすぎると、逆効果も生まれます。
苫米地英人『洗脳』P115。





この逆効果がネガティブラポールだ。ネガティブラポールは最終的には側近の裏切りを引き起こす。





上の引用のカルトを日産、教祖をゴーン氏、信者を西川氏以下日産社員及び従業員に置き換えると分かりやすい。



1999年に、古いしがらみや慣習に囚われていた日産にメスを入れるために、ゴーン氏が日産の社長に起用された。そのくらい氏はカリスマ性があり、日産社員のみならず、多くの日本人を惹きつけた。


誰か一人に対して、周囲の人間が強烈なラポールを抱く状態をハイパーラポールという。

ハイパーラポールが有効に機能していれば、カリスマとして君臨できる。







しかし、ハイパーラポールがラポールの段階にまで弱まり、かつマイナスの出来事が入れば、それは途端にネガティブラポールに繋がることがあるようだ。



ゴーン氏が変節したのは仏ルノーの会長兼最高経営責任者(CEO)についた2009年以降。ルノーでも日産でも文字通り頂点に君臨した時期とあわせるように報酬の虚偽記載に手を染めたとみられる。


11月8日午後、日産本社で開かれた取締役会にも議長役のゴーン氏の姿はなかった。ゴーン氏が来日して日産本社を訪れるのは2カ月に1度ほどにまで減っている。

『・・・中略・・・』

『CEOの西川氏が日産のトップだ』。6月26日に開いた定時株主総会。ゴーン氏は検査不正問題の責任を追及する株主に対して、西川広人CEOの名前を強調することで自らの責任を否定した。総会後の新取締役との懇談会も途中で退席した。日産幹部は『どこの会社の代表なのか全く分からない』とあきれる。

日本経済新聞 11月20日 朝刊





この記事を読む限り、日産社員のゴーン氏に対する感情に全くの尊敬が感じられない。むしろ6月の株主総会でのゴーン氏の発言や態度がネガティブラポールに繋がったのではないか。

遅くとも、この頃からゴーン氏を追い詰める策略が水面下で始まったと推測する。


2018年09月26日

国家のホメオスタシスと、それを体現する者達

コーチング界隈では、本物のコーチ、偽物のコーチに関して炎上している。がしかし、クライアントから見た本物のコーチが、本物であり、コーチは、クライアントから本物と思ってもらえるように精進していくべきだろう。ということで、偽物、本物問題は僅か3行で片が付いた。










さて、本来コーチが果たす問題は、偽物、本物の議論ではなくて、社会問題を解決することもある。


世間一般にて炎上している問題は、目下、S衆議議員の発言であろう。






ことの経緯は、S議員が

「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」
『新潮45』8月号より引用


と新潮45誌に寄稿したことに端を発する。








また、最近になってある評論家が、S氏の発言を『新潮45』10月号にて擁護して物議をかもしている。なお、同誌はその後、休刊となった。








S議員の言う『生産性』とは、おそらくは日本の国力を高める力、端的に言えば労働力のことと推測される。







ここで日本国家のゴールを考えてみたい。

国家のゴールは国が生き残ることであり、それがホメオスタシスである。

S氏は日本国家の政治家であり、ある意味、国家の意思を体現するものである。








このように政治家は建前上、国民の民意を代表する者と考えられているが、実のところとくに政権与党の政治家は権力として、国家の意思を体現することがままにある。





ゆえに、当該議員の発言は日本国家の労働力の再生産を行なわないLGBTの方々に対する政策に税金を投入することは国益に反するものと受け止められる。

同性婚では子どもが生まれないので、労働力を再選産することは事実上不可能である。





国家の生存本能からすれば、このような発言もでてくるし、その意思をこの議員という形で代弁しているとも言える。


同時に、資本主義というシステムもまた、そのゴールは資本の再選産である。そのためには労働力は再生産されなければならないと資本主義は考える。

がしかし、資本主義は放っておくと環境破壊や格差を生み出す。








この問題の本質は国家と資本主義の生存本能、ホメオスタシスが引き起こしたという点にある。



この点から考察すると、本件にはまた違ったアプローチができる。

そのためには教養を学ぶことが大事であり、コーチがコーチング馬鹿になってはいけないと考える。




せっかくのゴール設定や抽象度、LUBという概念をこういった方向で使っていきたいものである。






2015年08月29日

他人が催眠に陥るのをみせてもらいました 

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前回は洗脳された体験を書きましたが、今回は他人が催眠をされてのを目撃した話をしたいと思います。ずいぶん昔の話です。


神経症の答えは、過去のトラウマや記憶の除去にあると考えた僕は、催眠療法に興味を持ちました。なので、この分野での権威の先生を見つけ実際に催眠療法を受けました。T博士ではないよ。


ちなみに先生はこの技術を使って、神経症者の心の闇(ダークネスバウンダリー)から負のアンカーを見つけ、それを取り除きます。マインド(心と脳)版 爆発物処理班(ハート・ロッカー)なのです。


催眠療法時の自分の記憶はあまりません。ただ、日本語が喋れなくなり英語で喋っていたな(詳しくは、前の記事を参照ください)。
しかし、先生が他人に施した場面をみせてもらった経験があります。ちょっとした催眠ショーでした。


先生はクライアントに変性意識を生成させるために早い呼吸をさせていました。過呼吸になるくらいのスピードで呼吸を続けさせて、あるツボを押すとクライアントの意識が飛んだのです。完全に無意識支配、ダークネス・バウンダリーに陥っていました。


クライアントの焦点が合っていない、トローンとした目が印象に残っています。先生が「3、2、1で、あなたの記憶はなくなります。このライターが消えたら倒れます」とアンカーを埋め込みました。ライターの火が消えるがトリガーです。


また、「今まで受けてきた怒りがふつふつと浮かび上がってきます」と暗示を掛けたら、そのクライアントが本当に暴れはじめました。催眠を掛けられたのは小柄でひ弱そうな男性でしたが、押さえつけるのが大変なくらいのパワーで暴れはじめました。危ないので、先生がパチンと手を叩いて催眠を解かないといけない状態でした。


その他にも何人かの人が催眠状態に陥るのを目撃しました。僕自身は他人が催眠に陥っているのに、自分の意識がおかしくなったのを覚えています。ホメオスタシス同調です。


先生と交わした言葉で今でも覚えている言葉がありです。現場はマンションの4階くらいです。


僕「もし今からここから飛び降りろと言った本当にそうなりますか」
先生「うん。そこの窓を突き破って飛び降りるよ」


他人に心を支配されるということに物凄い恐怖を感じました。なんの疑いもなく、先生の言われたとおりの行動をしてしまうようになるのです。


このようなケースは稀ですが、催眠や洗脳は意外と身近なところにあります。実際ビジネスでも恋愛でも使われています。コンビニの商品の配列や、合コンでの座る位置、喋るスピードなどに利用されているかもしれません。また、ネットワークビジネスやカルトもそうです。


これらの簡単な手法については、街の本屋からでも手に入ってしまいます。これらの技術をどう使うかはその人のモラル次第です。


21世紀において洗脳を仕掛けるのは国家レベルの話ではなく、個人においても使われるある意味危険な時代なのです。


変な催眠や洗脳から自らを守るためにその仕組みを理解しておく必要があります。


http://mindresque.jp/

2015年08月27日

神経症をコーチング理論でひも解くA

神経症に陥った原因があるはずだ。何か理由があるハズだと考えに考えた。



当時読んでいた「サイコドクター楷恭介」というマンガで知識をつけ、僕は過去に何かトラウマがあるに違いないと考えた。抑圧された記憶、そこにヒントがあると考えた。また、フロイトやユングの本、森田療法、内観療法に関する本を読みふけったがイマイチピンとこなかった。



そんな折、苫米地博士の『洗脳原論』という物々しいタイトルの本を見つけた。当時の自分には外国語で書かれているのではないかと思えるくらい難しい本だったが、ココに答えがありそうだと直感で感じた。今思うに超情報場から落ちてきたのである。必要性があるものはやってくる。



本の中で、アンカーとトリガーという言葉が目に留まった。アンカーとは簡単に言えば、「ある心理状態もしくは体感状態」を意味する。それの心理状態を呼び起こす「引き金」となるのがトリガーだ。



神経症者の心はわずかではあるが調子の良い時もある。しかし、圧倒的に良くないときの方が長い。そこで、不安な状態、抑うつ状態がアンカーとして埋め込まれている。何かがトリガーとなり、症状を引き起こすと考えた。


原因は幼少期に他人の家に預けられたことかもしれない、小学生の頃いじめられたことかもしれない。どちらにも言えることは、安心、リラックス出来なかったということだ。緊張状態を強いられていた。この緊張状態がストレスとなり不安定な心を生み出している。さらに悪いことに、この状態がコンフォートゾーンになっていると気づいた。


また、一般的に良いことだと思われる事態が生じても、無意識では居心地が悪いと感じていたに違いない。無意識では、心が不安定で悩みに支配されている自分がデフォルトで、そうでない自分は自分らしくないとイメージしていたと思う。



物事の悪い部分にばかりロックオンをして、そこに臨場感を感じる現実もその通りになってしまう。それで、自分は呪われているとドツボに陥ってしまった。我ながら変なループをつくってしまったものである。

しかし、ここであえて白状すると、結局は悩みたいから悩んでいたのかもしれない。



ある時スコトマ(盲点)が外れ、神経症を治すのではなく、神経症という状態のコンフォートゾーンをズラせばいい、また不安や抑うつ状態というアンカーを除去、脱洗脳すればいいという考えにも至った。

こう考えるに至ってから、まさに山あり谷ありだったが良くなる方向へ進んでいったのは事実だ。


今思えば、この経験がなければコーチングに興味を持つことはなかったかもしれない。ましてや、コーチになることはなかっただろう。そう考えると、ゴールから見るとすべては必然だったのだ。


あの経験も意味があったのね。今この記事を書きながら納得している自分がいる。





僕が洗脳された経験を書こうと思う。当時在籍していた組織に迷惑が掛るといけないので詳細は省きます。



若かりし頃、新卒でとある組織に入った。そこで待ち受けていたものはオリエンテーションという名の指導だった。


そういう仕事だから仕方がないとして、そこでは真っ白な囚人服のようなものを着せられて、同期が一列に並ばされ、周りを紺色の服を着た先輩方が取り囲という状況だった。


そこで、仕事に必要な動きや号令を覚えさせられた。ちょっとでも遅れると怒号が飛び、もう一度やり直し。めちゃくちゃ怖かった。


指導が一週間毎日続いた。その時点で耐えられなくなって辞めていくものも大勢いた。過呼吸により救急車で運ばれた者もいた。僕も38℃の熱を出して医務室に送られた。


学生生活で学んだ知識が一瞬にして吹き飛んだ。それまで経験した余計な知識を取り外しましょうということだ。ハッキリと言えば、既存の価値観を破壊して、新しい価値観を埋め込む「タビュラローサ」という洗脳手法だ。


驚いたことに、一週間経過して指導が終わったら、先輩方が急に優しくなった。そうした方が、より先輩期や組織に対して好意をもちより忠実になるという仕掛けだ。それまでは、そんな組織の教育方法が、バカバカしいと言っていた周りの同期も、率先して組織の論理に染まり、自分も後輩を持つと同じような指導を施すようになる。


当時の自分も、自分の命と組織、どちらが大事かと言えば、間違いなく組織が大事ですと確信していた。


そこで学んだことは、私の自我だとかアイデンティティがどうのこうのと言っても、結局のところ、人は簡単に洗脳されるということだ。それなりの術者に掛れば、本当に赤子の手をひねるように人は洗脳されてしまう。


例えば、戦時中は鬼畜米英だったのが、戦後はギブミーチョコレート、親愛なるマ(マッカーサー)元帥に変わっていったのも同じである。戦後は、徹底的に検閲を施し、日本の過去を攻めたてまくり(価値観を崩壊)、アメリカ型民主主義が一番だという刷り込み(新しい価値観の埋め込み)を戦略的に行ったらしい。これも、ウオー・ギルト・インフォメーション・プログラムという国家レベルでの洗脳である。


今でも右傾化だとかなんだとか騒がれ、憲法9条改正反対、戦争反対だとか盛んにデモ活動をしているが、あまい。国家が戦争解禁と決めれば、上の例を見ても分かるように大勢の国民は簡単に洗脳されてしまうだろう。権力の側に立てば、それくらい出来て当たり前。つまりは、まだ本気を出していないだけだ。だからこそ、権力の側の手口を知っておく必要がある。



私たちはすべからく何かに洗脳されている。この事実に気が付いているか、そうでないかは物凄く重要なのである。最初に洗脳された経験と書いたが、正確には今でも僕は何かに洗脳されているのである。
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