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2018年11月26日

『バイトの時給が1,000円超えした』問題にみる階級対立、そして資本主義のルール

(事実関係)
先日、ツイッター上で、下記の記事、とくに見出しに対しての批判投稿を目にした。



『バイト時給1000円超え 小売り・外食に重圧 レジや配膳、効率化急ぐ』
パート・アルバイト職の時給高騰が続いている。リクルートジョブズが15日発表した10月の三大都市圏の平均時給は前年同月比2.6%増の1047円と過去最高を更新した。慢性的な人手不足と10月の最低賃金改定を反映した。パート・バイトへの依存が強い小売りや外食産業では対応を急ぐが、自動化など生産性の向上が不可欠だ。「時給1000円」を前提に戦略を描けなければ生き残れない時代になってきた。
日経新聞11月16日 朝刊






『バイトの時給が上がったのは良いこ都なのに、なぜ重圧なのか?』と否定的なコメントが見受けられた。






(コメント)
1-1

まずはそもそも論から考えていきたい。



日本経済新聞(以下 日経)は誰のための情報媒体か?

ビジネスパーソンという答えが返ってきそうだ。

『ビジネスパーソンは日経を読んでおかねばならない』、筆者の就職中はそう教わった。きっと今でもそうなのだろう。





ということで、日経はビジネスパーソンのための情報媒体だとすれば、なるほど被雇用者であるビジネスパーソンにとって、バイト代や月給、日給などの賃金が上がれば嬉しい限りだろう。


その観点から分析すれば、当該記事の見出しは『ケシカラナイ』ことになる。批判のコメントは、ごもっとものように聞こえる。



しかし、本当は日経はビジネスパーソンのための情報媒体ではない。









その前に日本国家をはじめ多くの国々は資本主義経済を採用している。共産党が支配している中国でさえ実際は資本主義経済だ。





この資本主義経済の下では、大きく分けて資本家と労働者という二つの階級に収斂される。


資本家は道具・機械・建物生産手段、要するに、会社や工場を持つ人だ。この経営サイドに運転資金を出資する株主、土地を提供して地代を得る地主も資本家だ。雇われ社長という言葉が示す通り、資本家は効率よく利益を増やすために経営者も雇う。なので基本、経営者も資本家サイドの味方だ。この経営者がビネスパーソンを含めて労働者を雇うのである。




労働者とは、生産手段を持たずに自身の労働力を資本家に提供する、一方で、その見返りとして賃金で生活する人だ。資本家に雇われる側だ。





日経は資本家(含む経営者)のための回覧板だ。『弊社は新技術○○を開発しました。つきましては運転資金を出資してください』『この度、取締役会のメンバーが変わりました。今後とも末永くお付き合い下さい』『取引先に持っていく手土産は今は△△が旬です』などという資本家が経営戦略・戦術を策定、および情報共有をするための媒体だ。


もっとも、今の時代あまり露骨にやるとSNSで叩かれる恐れがある。したがって時に『女子社員(従業員)に働きやすい会社特集』『定時に帰れる会社特集』などの労働者に受けそうな記事も取り込みカモフラージュしている。


叩かれて、株価が下がれば大変なことになる。株価が下がるとは資本家の利益を損なうことになるからだ。




しかし本質的には、資本家の論理を労働者に共有させることが目的である。かつて、マルクスが指摘したとおり、資本家階級と労働者階級は対立関係にある。



でも、その前に資本家が作り出したゲームのルール(臨場感空間)を労働者に共有させてしまう。こうすれば階級対立は見えなくなり、労働者はそのルールの範囲内で、ルールを作り出した方に都合の良いゴールを設定してくれる。



ゆえに『日経を読まずはビジネスパーソンにあらず』と流布できる。もっとも、発行部数を伸ばして売り上げを上げることも同新聞の宿命だろう。このように日経は資本家の、資本家による、資本家のための新聞だ。事実、会社名も株式会社日本経済新聞社だ。








先にも書いたが株式会社は資本家の利益収集装置。資本家の職業的良心は資本を増殖させて、資本主義を拡大・発展させることにある。そのための情報発信部門が日本経済新聞というのが筆者の結論だ。



このように考えると『バイト時給1000円超え 小売り・外食に重圧 レジや配膳、効率化急ぐ』と日経が見出しを書くのは至極当然のことだ。


間違っても『ブラボー時給が1,000円に上がりました!ルンルン』という見出しにはならない。






1-2
批判をした人は労働者階級に属する人だと推測される。



これは推測だが、おそらく批判をした人が普段接している新聞・雑誌は『ブラボー時給が1,000円に上がりました!ルンルン』という論調の記事を上げているのだろう。

もしくは被雇用者の自分としては『ルンルン』の心境なのだろう。これをコンフォートゾーン
という。








詳細は省くが、人間はコンフォートゾーンの中にいると安心する。反対に、そこから外れると不安定になる。



批判をした人は『時給が1,000円を超えたのはめでたいことなのに、重圧とは何事だ!』自身のコンフォートゾーンを揺らがされたのだろう。



そして肝心なことは、この人は資本家の論理が見えなかった、日経が資本家の、資本家による、資本家のための新聞である事がスコトーマ(心理的盲点)に隠れていたのだ。





この人は当該記事に対して、自分を取り巻く世界だけで日ごろ目にする情報媒体の公式を当てはめようした。つまり自分のブリーフシステム(信念体系)に合わせようと無意識が動き出した。これが批判の正体だ。




さらに言えば、批判にした人のコメントが筆者のコンフォートゾーンを揺らがしたために、今こうやってブログ記事を書いている。



マルクスの階級対立論しかり、今回の記事しかり、世界はコンフォートゾーン対、コンフォートゾーンの闘いなのである。





1-3
もっとも筋金入りの労働者の新聞であれば、『衝撃!時給がたったの1,000円』が見出しになり、資本家がいかに労働者から搾取・収奪をしているのかという告発内容の記事になるだろう。



でも、実際は労働者の多くが目にする情報は『ブラボー時給が1,000円に上がりました!ルンルン』の類だろう。


そして、この情報発信の媒体も〇〇株式会社だ。







繰り返すが、株式会社の前提となる資本主義経済の下ゴールは資本家の利益を増大させることである。



労働者が、たかだか時給が100円上がっただけでルンルンになってくれて、その分何倍ものエネルギーを提供してくれれば、これほど美味しいことはないのである。





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