2016年04月06日
「眠れる森の美女症候群」と「夢遊病」の驚愕なニュース
一度眠ると何日も寝てしまう奇病「クライン・レビン症候群」!
疲れた状態で寝入った時、起きたら1日近く経っていたという経験を
お持ちの方もいるのではないでしょうか?「 丸1日を睡眠に使ってしまった」
と後悔したこともあるでしょう。しかし、これから紹介する「クライン・レビン症候群」
は、そんな次元ではない驚きの睡眠障害なのです。通称「眠れる森の美女症候群」とも
呼ばれるこの病気は、世界でも1000例ほどしか報告されていません...
「クライン・レビン症候群」とは
クライン・レビン症候群とは、数日から数週間という長期間にわたって
眠ってしまう睡眠障害で、日本では「周期性傾眠症」とも呼ばれています。
発症するタイミングは本人にもわからず、普段は健常者と何ら変わることのない
日常生活を送りますが、1年に数回程度、ある日突然、非常に強い眠気に襲われ
まるで「眠れる森の美女」のように何日も眠ってしまうのです。強度な睡眠衝動を
起こす点ではナルコレプシーに似ていますが、非常に長期間にわたり継続する点が異なります。
(長い場合は何年も続いてしまうそうです)
発症者は10〜20代の若者がほとんどで、なかでも男性のほうが多いのですが、
この数年間で女性の発症例が増えてきていて、「眠れる森の美女症候群」という
別名が付き広く知れ渡るようになりました。
クライン・レビン症候群の実例
《症例》
・イギリスに住むステーシーさん(15歳)は、一度眠ると2か月間眠り続け
学校の試験を受けることができません...
・18歳のベサニーさんは、ある日突然眠りから覚めることがなくなり
食事とトイレのとき以外は眠り続けるようになってしまいました。
そして、起きている間の振る舞いや話し方はまるで幼児のようになり
(幼児退行)、歩き方はゾンビのようになってしまったといいます...
・16歳のベスさんは、1日22時間寝る日が数週間続き、食事をする回数が
少ないこともあってか、起きているときに大量の食事をとるそうです。
・アメリカに住むニコールさん(17歳)は、20時間ほど寝て、トイレ&食事を
済ませた後、また長い眠りに就くといったサイクルを繰り返しているようです。
原因は?
視床下部及び間脳における働きに異常が出現することで一過性の障害をきたす
ものと考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
自己免疫不全が疑われているもののよくわからず、主に10代の若者に多く
大人になると症状は消えるようです。風邪などの発熱、心身の疲労、深酒、頭のケガ、
麻酔などがきっかけでクライネ・レビン症候群になったという報告もあります。
治療法は?
塩酸メチルフェニデート、硫酸アンフェタミンなどを用いた薬物療法が
行われます。また、自然治癒するという報告もあるそうです。
予防としては、過眠発作の誘因となる発熱や深酒、心身の疲労を避けると
間欠期を延ばすことができた、という報告があります。
一般的に長期予後は良く、大部分の患者さんは10歳代で発症し
30歳頃までに自然に治っています。
クライン・レビン症候群は原因不明の恐ろしい奇病
発症する原因が特定できていない「クライン・レビン症候群」
睡眠は人間にとって非常に大切なものです。にも関わらず、専門家でも分からない
ことがまだまだたくさんあるのです。今後新たな事実が判明するのを期待するばかりです。
また、睡眠に関わる別の病気として夢遊病があります。
夢遊病とは
夢遊病とは睡眠中に発作的に起こる異常行動のことで、睡眠時遊行症
(すいみんじゆうこうしょう)や夢中遊行症とも呼ばれています。
一般的には子供に多いのですが、大人でも夢遊病の患者さんはいらっしゃいます。
(5歳から12歳の子供の10%〜15%が夢遊病の経験があると言われています)
人間の睡眠は、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)に分けることができ「夢を見る」
「寝言を言う」などはレム睡眠時に起こりますが、夢遊病はノンレム睡眠時に起こります。
夢遊病の症状は
突然起き上がって歩き出したり、寝言を言うなどがあり、目覚めた時その行動に対する
自己認識はありません。症状は人によって個人差がありますが、「いきなり起き上がって
ボーっとする」「家の中を歩き回る」「外に出て歩き回る」「誰かに話しかける」といった
ものが多いようです。中には食事をしたり、お風呂に入ったりする人もいます。しかし
最終的には自分でベッドに戻ってまた眠ってしまいます。
夢遊病の恐怖
・アメリカのある男性は友人たちとキャンプを楽しんでいた時に夢遊病が
起こってしまいました。無意識のまま高さ20mほどの崖から転落...
幸い、大怪我で済んで命に別状はなかったようです。
・世界中では、寝ぼけ状態での「殺人」「暴行」「障害」「脅迫」「侮辱」
「強盗」などの犯罪が数十件も報告されています。
(妻を殺害、小刀で刺す、斧で殴る、包丁を振り回す、金品強奪....)
悲しき夢遊病の物語
・カナダ・トロントに住むケニス・パークス(23歳男性)は夢遊状態のまま車を運転し、義父母
の家に行き、2人を殴り殺したのです。その後警察署へ出頭し血まみれの姿で
「誰かを殺してしまったかもしれない...」と自首...
その後彼は専門家の証言もあり「無罪放免」となりました...
・イギリスでは2008年、就寝中の妻を夫が殺してしまうという事件が起こりました。
しかし夫は「レム睡眠行動障害」という病気にかかっており、「睡眠中に起こした
事件なので罪に問えない」と無罪に...
・日本でも同じような悲劇が起こっています。埼玉県川口市で男性会社員(46歳)
が中学3年生の長女に刺し殺されてしまいました。警察の調べに対し「お父さん
が家族を殺す夢を見た」と供述しています。
この日本の女の子のケースは、「目覚めた瞬間の犯行を思いついた」と供述
していることから「夢遊病」時の犯行ではないようなのですが...
まとめ
睡眠は私たちにとって必要不可欠なものです。1日8時間睡眠をとっていると
人生の1/3は眠っている事になります。忙しくて寝る暇がない人にとっても、
不眠症気味で浅い眠りに悩まされている人にとっても、「寝る」という行為は
毎日訪れます。ですから、どうせ同じ眠るなら「スッキリ健やかに眠り
目覚めたい」ものですよね。
タグ:睡眠・不眠
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